宅建士の登録は、試験を行った都道府県知事に申請します(宅地建物取引業法(以下「宅建業法」)18条1項)。登録を受けるには、宅建業の実務経験が2年以上あるか、登録実務講習の修了などそれに代わる要件を満たすこと(宅地建物取引業法施行規則(以下「宅建業法施行規則」)13条の15・13条の16)と、登録の欠格事由に当たらないこと(宅建業法18条1項1号〜12号)が必要です。
本ページでは、申請先、必要書類、費用、登録までの日数の順にご案内し、登録だけして宅建士証を受けない場合の注意点と、登録した後の届出もまとめます。
本記事は2026年9月時点で施行されている宅地建物取引業法および同法施行令・施行規則にもとづいています。手数料の額は、都道府県の条例で定められています。
申請先
登録の申請先は、現在住んでいる都道府県ではなく、試験を行った都道府県知事です(宅建業法18条1項)。2以上の都道府県で合格した人は、そのうちいずれか1つの都道府県知事の登録だけを受けることができます(宅建業法施行規則14条)。
国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」では、試験を行った都道府県以外の知事に出された申請書は、収入証紙の都合など特段の事情がある場合を除き、試験を行った知事へ送付するのが適当とされています。申請の前に、自分が受験した都道府県の窓口を確かめておきましょう。
必要書類
登録申請書と、それに添える書類を、表1にまとめました。
| 書類 | 宅建業法施行規則の定め | 様式 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 登録申請書 | 法第十九条第一項の登録申請書には、氏名、生年月日、住所及び前条第一項各号に掲げる事項を記載しなければならない。 | 別記様式第五号 | 宅建業法施行規則14条の3第1項 |
| 写真 | 前項の登録申請書には、登録の申請前六月以内に撮影した無帽、正面、上三分身、無背景の縦の長さ三センチメートル、横の長さ二・四センチメートルの写真を貼付しなければならない。 | — | 宅建業法施行規則14条の3第2項 |
| 未成年者の書面 | 未成年者にあつては、法第十八条第一項第一号に該当しないことを証する書面 | — | 宅建業法施行規則14条の3第3項1号 |
| 実務経験・能力を証する書面 | 法第十八条第一項の実務の経験を有する者であることを証する書面又は同項の規定により能力を有すると認められた者であることを証する書面 | 別記様式第五号の二(実務の経験を証する書面) | 宅建業法施行規則14条の3第3項2号 |
| 市町村の長の証明書 | 法第十八条第一項第二号に規定する破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村の長の証明書 | — | 宅建業法施行規則14条の3第3項3号 |
| 誓約書 | 法第十八条第一項第三号から第十二号までに該当しない旨を誓約する書面 | 別記様式第六号 | 宅建業法施行規則14条の3第3項4号 |
このほか、都道府県知事が必要と認める書類の提出を求められることがあります(宅建業法施行規則14条の3第5項)。何を求めるかは都道府県によって異なります。
実務経験が2年以上ある人は、実務の経験を証する書面(別記様式第五号の二)を添えます。登録実務講習を修了した人などは、修了証など、能力を有すると認められた者であることを証する書面を添えます(宅建業法施行規則14条の3第3項2号)。市町村の長の証明書は、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に当たらないことの証明書で、一般には身分証明書と呼ばれます。
表1の注記のとおり、都道府県が追加で求める書類は都道府県によって異なります。申請先の都道府県の案内で確かめましょう。
費用
登録の手数料は、都道府県の条例で定められます。地方公共団体の手数料の標準に関する政令で定める標準額は37,000円です。実際の額と納付の方法は、申請先の都道府県の案内で確かめましょう。
登録までの日数
宅建業法は、登録申請書が出されたときは、都道府県知事が「遅滞なく」登録をしなければならないと定めています(宅建業法19条2項)。何日以内という日数の定めはありません。登録をしたときは、本人にその旨が通知されます(宅建業法施行規則14条の4第1項)。
実際にかかる日数は、都道府県によって異なります。たとえば東京都の案内では、「登録手数料の受領後、登録完了まで30日から40日程度」とされています。宅建士証の交付は登録を受けた後でなければ申請できないので(宅建業法22条の2第1項)、宅建士証が必要になる時期から逆算して、早めに申請しましょう。
オンライン申請
宅建士の登録の申請について、国土交通省の「国土交通省手続業務一貫処理システム(eMLIT)」を使った電子申請を受け付けている都道府県があります。たとえば東京都は令和7年3月3日から、北海道は令和7年4月1日から受け付けています。
ただし、電子申請を受け付けているか、どの手続きが対象か、手数料をどう納めるかは、都道府県によって異なります。申請先の都道府県の案内で確かめましょう。
登録だけして宅建士証を受けない
登録と宅建士証の交付は、別々の申請です(宅建業法18条1項・22条の2第1項)。登録だけを受けて、宅建士証の交付はまだ申請しない、ということもできます。
宅建業法が定める登録の消除の事由(宅建業法22条・68条の2)には、期間の満了がありません。このことから、登録そのものには有効期間がないと読むことができます。ただし、登録を受けている間は、住所・氏名・勤務先の宅建業者など、登録を受けている事項に変更があったときは、遅滞なく変更の登録を申請しなければなりません(宅建業法20条)。
また、宅建士証の交付を受けていない間は、宅建士の事務はできません。試験に合格した日から1年を超えて宅建士証の交付を受けようとするときは、法定講習を受ける必要がある点にも注意が必要です(宅建業法22条の2第2項)。
登録した後の届出
登録を受けた後の届出と申請を、表2にまとめました。
| 手続き | いつまでに | どこへ | 書類 | 費用 | 条文 |
|---|---|---|---|---|---|
| 宅建士の変更の登録 | 遅滞なく | 登録している都道府県知事 | 変更登録申請書(別記様式第七号)。宅建士証の交付を受けている場合、氏名・住所の変更は宅建士証の書換え交付申請(別記様式第七号の四)もあわせて | — | 宅建業法20条 宅建業法施行規則14条の13第1項〜3項 |
| 宅建士の死亡等の届出 | その日(死亡の場合は、相続人が死亡を知った日)から30日以内 | 登録している都道府県知事 | 死亡等届出書(別記様式第七号の二) | — | 宅建業法21条1号〜3号 |
| 宅建士の登録の移転 | 期限の定めなし | 移転先の知事(現に登録している知事を経由) | 登録移転申請書(別記様式第六号の二・写真貼付) | 標準8,000円(条例) | 宅建業法19条の2 |
登録の移転は任意の手続きです。手数料は標準額で、実際の額は都道府県の条例で定められます。
宅建士証の交付を受けている人は、氏名や住所が変わったとき、変更の登録とあわせて宅建士証の書換え交付も申請します(宅建業法施行規則14条の13第1項)。住所だけの変更のときは、現在の宅建士証の裏面に変更後の住所を記載する方法によることもできます(同条3項ただし書)。
他の都道府県にある宅建業者の事務所で働く場合は、登録の移転を申請することができます(宅建業法19条の2)。移転は任意の手続きで、申請は、現在登録をしている都道府県知事を経由して、移転先の都道府県知事に行います。
宅建士本人が申請する変更の登録(宅建業法20条)は、宅建業者が免許権者に出す変更の届出(宅建業法9条)とは別の手続きです。勤務先で専任の宅建士が交代したときなどは、宅建業者側でも、変更の日から30日以内に届出が必要になります(宅建業法9条・4条1項5号)。宅建士本人の手続きは宅建士の変更の登録のページ、宅建業者の手続きは宅建業の変更届のページでご案内しています。
よくある質問
宅建士に登録するには、どうすればいいですか?
宅建業法18条1項の定めでは、登録は、試験を行った都道府県知事に申請します。登録申請書には、実務の経験を証する書面か、登録実務講習の修了証などの書面、市町村の長の証明書、誓約書などを添えます(宅建業法施行規則14条の3)。実務経験が2年に満たない場合は、登録実務講習の修了など、それに代わる要件を満たす方法があります。
宅建士の登録には、何日くらいかかりますか?
宅建業法19条2項は、知事が「遅滞なく」登録をすると定めるだけで、日数の定めはありません。実際の日数は都道府県によって異なり、たとえば東京都の案内では、登録手数料の受領後30日から40日程度とされています。
宅建士の登録だけしておくことはできますか?
できます。宅建士証の交付は、登録とは別の申請です(宅建業法22条の2第1項)。登録の消除の事由に期間の満了はありませんが、登録を受けている間は、住所などに変更があれば変更の登録が必要です(宅建業法20条)。また、試験に合格した日から1年を超えて宅建士証の交付を受けようとする場合は、法定講習が必要です(宅建業法22条の2第2項)。
宅建士登録の費用は、いくらですか?
地方公共団体の手数料の標準に関する政令で定める標準額は37,000円で、実際の額は都道府県の条例で定められます。
まとめ
宅建士の登録は、試験を行った都道府県知事に申請します。日数の定めはなく、実際の日数や電子申請の受付、手数料の実際の額は都道府県によって異なるため、申請先の案内で確かめましょう。登録だけを受けておくこともできますが、その間も変更の登録は必要です。
次のステップとして、目的に合わせて次のページをご覧ください。
- 登録の後に宅建士証の交付を受ける:宅建士証の交付申請のページ
- 実務経験が2年に満たない:登録実務講習のページ
- 合格から宅建士証までの全体の流れを確かめる:宅建合格後の流れのページ
専任の宅建士として働くことや、宅建業の開業を考えている方は、事業者側の要件も確かめておきましょう。事務所に置く人数や常勤性は専任の宅建士の要件、開業に必要な免許と手続きの全体像は宅建業免許とはのページで解説しています。