行政書士の基礎知識(旧・一般知識)|14問中6問をどこで取るか

このページは、行政書士試験の基礎知識の全体像をまとめたものです。令和5年度までは「一般知識等」と呼ばれていた科目で、いまも「一般知識」の名前で探す方が多いため、旧称もあわせて示します。

基礎知識は14問56点の科目で、24点に届かないと、ほかの科目の点がどれだけ高くても合格できません。ここでは、公式の過去問を分野ごとに数えた表をもとに、4つの分野の性格と、24点をどこで取るかの考え方を示します。分野ごとの詳しい中身は、それぞれのページに分けています。

配点と合格基準は一般財団法人 行政書士試験研究センターの令和7年度行政書士試験合否判定基準、試験科目は令和8年度行政書士試験のご案内(2026年9月時点)に基づいています。


基礎知識の配点と基準点

基礎知識は14問すべてが5肢択一式で、配点は56点です。1問あたり4点で、基準点の24点は6問ぶんにあたります。

合格するには、法令等科目・基礎知識科目・試験全体の3つの基準をすべて満たす必要があります。試験全体で180点に届いていても、基礎知識が24点に届かなければ不合格です。基礎知識の基準点が「足切り」と呼ばれるのはこのためです。

科目ごと・形式ごとの配点の一覧は、記述式の全体像のページの最初の表に載せています。


4つの分野と、年度ごとの出題数

基礎知識は、一般知識、行政書士法等の諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解の4つの分野から出題されます(令和8年度行政書士試験のご案内)。

公式の過去問は問ごとの分野を示していないので、このサイトでは、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公開している令和2年度〜令和7年度の6年分の試験問題を、設問の書き出しから分野に分けて数えました。情報通信と個人情報保護は、別々に数えています。


表A 基礎知識の問47〜60を分野に分けた数(令和2年度〜令和7年度・6年分)
年度 一般知識 諸法令 情報通信 個人情報保護 文章理解 計
令和2年度 8問 0問 1問 2問 3問 14問
令和3年度 8問 0問 2問 1問 3問 14問
令和4年度 8問 0問 2問 1問 3問 14問
令和5年度 7問 0問 3問 1問 3問 14問
令和6年度 5問 2問 3問 1問 3問 14問
令和7年度 6問 2問 2問 1問 3問 14問

公式サイトの過去問は、令和2年度〜令和7年度のどの年度も、問題1と問題58〜60(年度によってはほかの問も)を「著作権の関係から」掲載していません。このうち問題58〜60は、どの年度も文章理解です。表Aは、掲載されていない問も含めて、問47〜60の14問すべてを分野に分けています。

表から読み取れることは、次の4つです。

  • 個人情報保護は、どの年度も1〜2問です。
  • 情報通信は1〜3問で、個人情報保護より多い年度があります。
  • 行政書士法等の諸法令は、令和6年度から出題されており、それ以降の4問はすべて諸法令の名前が設問に出ています。
  • 文章理解は、どの年度も3問です。

分野の分け方:設問に法律名(行政書士法・住民基本台帳法・戸籍法)がある問を諸法令、「個人情報」がある問を個人情報保護、情報通信の用語やデジタル化を扱う問を情報通信とし、どれにも当たらない問を一般知識としました。どちらとも読める問は、情報通信に数えています。


「一般知識」から「基礎知識」へ

科目の名前が変わったのは、令和6年度の試験からです。試験のしくみを定める「行政書士試験の施行に関する定め」(総務省告示)が改正され、「一般知識等(政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解)」が「基礎知識(一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護及び文章理解)」になりました。

一般財団法人 行政書士試験研究センターの説明では、この改正は、諸法令や情報通信・個人情報保護などの分野から毎年それぞれ1題以上出題することを明記したもので、「現行試験の内容及び出題範囲を変更するものではありません」とされています。問数の14問も変わっていません。


6問をどこで取るか

24点、つまり14問のうち6問を取るために、分野ごとの性格を整理しておきます。

行政書士法等の諸法令
答えが条文で決まる分野です。令和6年度〜令和7年度に出題されたのは行政書士法・住民基本台帳法・戸籍法で、読むべき条文の範囲がはっきりしています。
個人情報保護
設問の書き出しを見ると、個人情報保護法や個人情報保護制度を正面から問う問題です。条文の定義から固めるのが入り口になります。
情報通信
用語の意味と、デジタル化やインターネットをめぐる最近の動きが問われます。用語は覚えた分だけ取れますが、最近の動きは年度ごとに題材が変わります。
文章理解
知識ではなく読解の問題です。公式サイトには問題が掲載されていませんが、どの年度も3問で、令和6年度・令和7年度では本文の空欄に入る語句や文章を選ぶ形が中心でした。形式の内訳は文章理解のページに載せています。
一般知識(政治・経済・社会)
表Aで問数がもっとも多い分野ですが、範囲が定まらず、準備した分がそのまま点になるとは限りません。

こう並べると、準備の範囲が決まっている分野から固めるのが筋です。諸法令と個人情報保護は条文、情報通信は用語から入れます。一般財団法人 行政書士試験研究センターの説明でも、諸法令と情報通信・個人情報保護は、毎年1題以上出題することが明記されています。文章理解は知識ではなく読解の問題なので、解き方の手順をひとつ決めておくと準備しやすくなります。

そのうえで、一般知識は、ほかの分野を固めてから上積みを狙う位置づけになります。


政治・経済・社会(一般知識)の扱い

一般知識は、表Aで毎年5〜8問あり、基礎知識の中でもっとも問数が多い分野です。ただし、題材は選挙、国際情勢、財政・金融、社会保障、ジェンダーなど幅広く、年度ごとに入れ替わります。

このため、このサイトでは一般知識の問題集は作っていません。一般知識に時間をかけるのは、諸法令・個人情報保護・情報通信・文章理解で得点の見通しが立ってからにするのがおすすめです。新聞やニュースで大きく扱われた制度や出来事に目を通しておく程度から始めるとよいでしょう。


分野ごとのページ

分野ごとの詳しい中身は、次のページにまとめています。

どこから読むか迷ったら、条文から入れる諸法令と個人情報保護から始めるのがおすすめです。


よくある質問

基礎知識の足切り点はいくつですか?

56点満点中24点です(令和7年度行政書士試験合否判定基準)。1問4点なので、14問のうち6問正解すれば届きます。

行政書士試験の足切り点はいくつですか?

科目ごとの基準は2つあります。法令等科目が244点満点中122点以上、基礎知識科目が56点満点中24点以上です。これに試験全体の300点満点中180点以上を加えた3つをすべて満たすと合格です(令和7年度行政書士試験合否判定基準)。

一般知識と基礎知識は違うのですか?

令和6年度の試験から、科目の名前が「一般知識等」から「基礎知識」に変わりました。あわせて、諸法令と情報通信・個人情報保護などの分野から毎年1題以上出題することが明記されました。一般財団法人 行政書士試験研究センターは、この改正は出題範囲を変更するものではないと説明しています。いまの基礎知識の中にある「一般知識」は、政治・経済・社会の分野を指します。


まとめ

基礎知識は14問中6問を取れば基準点に届きます。公式の過去問を分野ごとに数えると、諸法令と個人情報保護は条文から、情報通信は用語から入れる分野です。範囲が決まっている分野から固め、一般知識は上積みに回す。この順番で準備すると、足切りの不安を小さくできます。