宅建士の登録を受けている人は、住所・氏名・本籍・勤務先の宅建業者など、登録を受けている事項に変更があったときは、遅滞なく、変更の登録を申請しなければなりません(宅地建物取引業法(以下「宅建業法」)20条)。申請先は、登録をしている都道府県知事です(宅地建物取引業法施行規則(以下「宅建業法施行規則」)14条の7第1項)。引っ越し先や新しい勤務先の都道府県ではない点に注意が必要です。
宅建士証の交付を受けている人は、氏名または住所が変わったときは、変更の登録とあわせて、宅建士証の書換え交付も申請します(宅建業法施行規則14条の13第1項)。本ページでは、変更の登録が要る事項、住所・氏名・勤務先が変わったときの手続き、申請先と書類、登録の移転との違いをご案内します。
なお、宅建業者(勤務先の会社など)が、商号・役員・事務所・専任の宅建士などが変わったときに出す変更の届出は、宅建士本人の変更の登録とは別の手続きです。業者の手続きは、宅建業の変更届のページで解説しています。
本記事は2026年9月時点で施行されている宅地建物取引業法および同法施行令・施行規則にもとづいています。手数料の額は、都道府県の条例で定められています。
変更の登録が要る事項と、いつまでに申請するか
宅建士資格登録簿には、氏名・生年月日・住所などのほか、宅建業法施行規則が定める事項が登録されます(宅建業法18条2項・宅建業法施行規則14条の2の2第1項)。登録される事項を、表1にまとめました。
| 事項 | 条文の定め | 条文 |
|---|---|---|
| 氏名・生年月日・住所ほか | 前項の登録は、都道府県知事が、宅地建物取引士資格登録簿に氏名、生年月日、住所その他国土交通省令で定める事項並びに登録番号及び登録年月日を登載してするものとする。 | 宅建業法18条2項 |
| 本籍・性別 | 本籍(日本の国籍を有しない者にあつては、その者の有する国籍)及び性別 | 宅建業法施行規則14条の2の2第1項1号 |
| 試験の合格 | 試験の合格年月日及び合格証書番号 | 宅建業法施行規則14条の2の2第1項2号 |
| 実務の経験 | 法第十八条第一項の実務の経験を有する者である場合においては、申請時現在の当該実務の経験の期間及びその内容並びに従事していた宅地建物取引業者の商号又は名称及び免許証番号 | 宅建業法施行規則14条の2の2第1項3号 |
| 能力の認定 | 法第十八条第一項の規定により能力を有すると認められた者である場合においては、当該認定の内容及び年月日 | 宅建業法施行規則14条の2の2第1項4号 |
| 勤務先の宅建業者 | 宅地建物取引業者の業務に従事する者にあつては、当該宅地建物取引業者の商号又は名称及び免許証番号 | 宅建業法施行規則14条の2の2第1項5号 |
定めの欄は、1行目が宅建業法18条2項、2行目以降が宅建業法施行規則14条の2の2第1項各号の文言です。これらの事項に変更があったときは、遅滞なく変更の登録を申請します(宅建業法20条)。
これらの事項に変更があったときは、変更の登録を申請します(宅建業法20条)。このうち、引っ越し・結婚・転職などで変わることがあるのは、住所・氏名・本籍と、勤務先の宅建業者です。
変更の登録の期限は「遅滞なく」で、宅建業法に日数の定めはありません。ただし、後回しにしてよいという意味ではなく、変更があったら遅らせずに申請する義務です。
宅建士証の交付を受けていない人(登録だけを受けている人)も、登録を受けている間は、変更の登録の対象です(宅建業法20条)。
住所が変わったとき
住所は登録を受けている事項なので、引っ越しをしたら変更の登録を申請します(宅建業法18条2項・20条)。宅建士証の交付を受けている人は、宅建士証の書換え交付もあわせて申請します(宅建業法施行規則14条の13第1項)。
住所だけの変更のときは、書換え交付の申請書に写真を添える必要はありません(宅建業法施行規則14条の13第2項ただし書)。また、住所だけの変更のときは、新しい宅建士証を交付する代わりに、いまの宅建士証の裏面に変更後の住所を記載する方法をとることができます(同条3項ただし書)。この裏面の記載は、交付する側の都道府県知事がとる方法で、本人が自分で書き込むものではありません。書換え交付の申請そのものは必要です。
他の都道府県に引っ越した場合も、申請先は登録をしている都道府県知事です(宅建業法施行規則14条の7第1項)。住所が変わっただけでは、登録の移転はできません。登録の移転は、登録をしている都道府県以外にある宅建業者の事務所の業務に従事する(しようとする)ときの手続きです(宅建業法19条の2第1項)。違いは、下の「変更の登録と登録の移転の違い」でご案内します。
氏名が変わったとき
結婚や離婚などで氏名が変わったときも、変更の登録を申請します(宅建業法20条)。宅建士証の交付を受けている人は、写真を添えて宅建士証の書換え交付を申請し、いまの宅建士証と引き換えに新しい宅建士証を受け取ります(宅建業法施行規則14条の13第2項・3項)。写真の要件は、宅建士証の交付申請のページ(写真)でご案内しています。
解釈・運用の考え方では、旧姓の使用を希望する人には、宅建士証に旧姓を併記することが適当とされています。併記を希望するときの手続きは、登録をしている都道府県の案内で確かめましょう。
本籍(日本の国籍を有しない人は国籍)が変わったときも、変更の登録の対象です(宅建業法施行規則14条の2の2第1項1号)。宅建士証の書換え交付の申請が必要になるのは、氏名または住所が変わったときです(宅建業法施行規則14条の13第1項)。
勤務先が変わったとき(転職・退職)
宅建業者の業務に従事する人については、その宅建業者の商号又は名称と免許証番号が登録を受けている事項です(宅建業法施行規則14条の2の2第1項5号)。そのため、宅建業者に就職したとき、別の宅建業者に転職したとき、退職して宅建業者の業務に従事しなくなったときは、変更の登録を申請します(宅建業法20条)。
勤務先の宅建業者が商号を変えたときや、免許換えをして免許証番号が変わったときも、登録を受けている事項が変わるので、変更の登録の対象になると読めます。勤務先の免許換えについては、宅建業の免許換えのページで解説しています。
新しい勤務先で専任の宅建士になるときは、勤務先の宅建業者も、専任の宅建士の氏名の変更として、変更の届出をします(宅建業法9条1項・4条1項5号)。たとえば沖縄県の手引き(令和7年4月発行)では、専任の宅建士が就任するときは、宅建士本人の変更の登録で、従事先がその業者になっていることを求めています。このように本人の変更の登録を先に求める申請先もあるので、早めに申請しましょう。業者側の手続きは、宅建業の変更届(専任の宅建士が変わったとき)で解説しています。
登録をしている都道府県以外にある宅建業者の事務所で働くときは、登録の移転を申請することもできます(宅建業法19条の2第1項。事務の禁止の処分の期間中を除きます)。登録の移転をするかどうかにかかわらず、勤務先の変更は変更の登録の対象です。
申請先と必要書類
変更の登録は、宅建業法施行規則の別記様式第七号の変更登録申請書を、登録をしている都道府県知事に提出して申請します。都道府県知事は、遅滞なく変更の登録をし、申請した人に通知します(宅建業法施行規則14条の7第1項・2項)。
添付書類や、窓口・郵送・電子申請などの申請の方法は、都道府県によって異なります。たとえば東京都の案内では、変更登録申請書2部に加えて、住所の変更は住民票、氏名の変更は戸籍抄本または謄本、本籍の変更は戸籍抄本(いずれも発行日から3か月以内)、勤務先の変更は入社日・退職日が書かれた入社証明書・退職証明書を求めています。申請の方法は、本人の来庁・代理人の来庁・郵送のほか、令和7年1月6日からはオンラインでもできるとしています。これは東京都の例なので、書類や方法、記入例は、登録をしている都道府県の案内で確かめましょう。
変更の登録と登録の移転の違い
変更の登録は義務で、登録を受けている事項が変わったら、遅滞なく申請しなければなりません(宅建業法20条)。一方、登録の移転は任意で、登録をしている都道府県以外にある宅建業者の事務所の業務に従事する(しようとする)ときに、申請することができる手続きです(宅建業法19条の2第1項)。基準は、勤務する事務所の所在地です。なお、事務の禁止の処分を受け、その期間が満了していない人は、登録の移転を申請できません(同項ただし書)。
登録の移転は、いま登録をしている都道府県知事を経由して、移転先の都道府県知事に申請します(宅建業法19条の2第1項)。宅建業免許の申請では都道府県知事を経由しなくなりましたが、宅建士の登録の移転は、今も経由します。
宅建士証の交付を受けた後に登録の移転があると、その宅建士証は効力を失います(宅建業法22条の2第4項)。移転の申請とあわせて宅建士証の交付を申請すれば、移転後の都道府県知事から、前の宅建士証の有効期間が経過するまでの期間を有効期間とする宅建士証が交付されます(同条5項)。
勤務先が変わったときは、登録の移転をするかどうかにかかわらず、勤務先の変更について変更の登録が必要です。解釈・運用の考え方では、登録の移転の申請を先に窓口で行った人に対して、窓口で変更登録申請書の様式を渡し、移転元の都道府県知事への変更の登録の申請をその場で行えるようにすることが適当とされています。登録した後の届出と申請の一覧は、宅建士登録のページ(登録した後の届出)でご案内しています。
宅建業者の変更の届出との違い
宅建士本人の変更の登録と、宅建業者の変更の届出は、申請・届出をする人も、期限も、出す先も異なります。表2にまとめました。
| 手続き | 誰が申請・届出するか | いつまでに | どこへ | 条文 |
|---|---|---|---|---|
| 宅建士の変更の登録 | 登録を受けている者(住所・氏名・勤務先の宅建業者などの変更) | 遅滞なく | 登録している都道府県知事 | 宅建業法20条 宅建業法施行規則14条の7第1項〜2項 |
| 宅建業者の変更の届出 | 宅建業者 | 変更から30日以内 | 免許権者 | 宅建業法9条1項 |
| 宅建士の登録の移転 | 登録をしている都道府県以外にある宅建業者の事務所の業務に従事する(しようとする)登録者(任意) | 期限の定めなし | 移転先の知事(現に登録している知事を経由) | 宅建業法19条の2 |
宅建士の変更の登録は宅建業法20条、宅建業者の変更の届出は宅建業法9条、登録の移転は宅建業法19条の2の手続きです。専任の宅建士が入れ替わったときは、宅建士本人の変更の登録と、宅建業者の変更の届出の両方が必要になることがあります。
変更の登録は、宅建士本人が、登録をしている都道府県知事に、遅滞なく申請します(宅建業法20条)。変更の届出は、宅建業者が、免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事に、変更があった日から30日以内に届け出ます(宅建業法9条1項)。
専任の宅建士が入れ替わったときは、本人の変更の登録と、勤務先の宅建業者の変更の届出が、どちらも必要になることがあります。新しく専任の宅建士になる人の登録の勤務先が、専任の宅建士として勤める宅建業者になっていなければ、本人の変更の登録も必要です(宅建業法施行規則14条の2の2第1項5号)。業者の届出の詳しい手続きは、宅建業の変更届のページで解説しています。
よくある質問
宅建士の変更の登録とは?
宅建士の登録を受けている人が、住所・氏名・本籍・勤務先の宅建業者など、登録を受けている事項が変わったときに申請する手続きです(宅建業法20条)。
宅建士の変更の登録は、いつまでに申請しますか?
宅建業法20条の定めでは「遅滞なく」で、日数の定めはありません。変更があったら、遅らせずに申請する義務です。
変更の届出と変更の登録の違いは?
変更の登録は、宅建士本人が、登録をしている都道府県知事に申請する手続きです(宅建業法20条)。変更の届出は、宅建業者が、免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事に、変更があった日から30日以内に出す届出です(宅建業法9条1項)。
他の都道府県に引っ越したら、どこに申請しますか?
宅建業法施行規則14条の7第1項の定めでは、登録をしている都道府県知事に変更の登録を申請します。住所が変わっただけでは、登録の移転はできません。登録の移転は、登録をしている都道府県以外にある宅建業者の事務所の業務に従事するときの手続きです(宅建業法19条の2第1項)。
登録の移転と変更の登録の違いは?
変更の登録は、登録を受けている事項が変わったときの義務です(宅建業法20条)。登録の移転は、登録をしている都道府県以外にある宅建業者の事務所の業務に従事するときに申請できる任意の手続きです(宅建業法19条の2第1項)。登録の移転があると、それまでの宅建士証は効力を失います(宅建業法22条の2第4項)。
まとめ
宅建士の登録を受けている人は、住所・氏名・本籍・勤務先の宅建業者など、登録を受けている事項が変わったら、遅滞なく変更の登録を申請します。申請先は登録をしている都道府県知事で、氏名と住所が変わったときは、宅建士証の書換え交付もあわせて申請します。勤務先の宅建業者が出す変更の届出は、別の手続きです。
登録した後の手続きの一覧は宅建士登録のページ、宅建士証の手続きは宅建士証の交付申請のページと宅建士証の更新のページ、合格後の手続き全体は宅建合格後の流れのページをご覧ください。