宅建・行政書士の民法|2つの試験で出る論点と範囲の違い

このページは、宅地建物取引士資格試験(宅建試験)と行政書士試験の両方で出る民法の論点への入口です。どちらの試験を受ける方でも、ここから論点ごとのページに進めます。

民法の解説を試験ごとに分けて書くと、同じ条文の説明が2か所に散らばり、どちらの解説も内容が薄くなってしまいます。重なる論点は1つのページにまとめ、試験ごとに異なる点、つまり出題の形式とどこまで問われるかを、それぞれのページの中で分けて示すことにしました。

本記事は、2026年9月時点の民法・不動産登記法にもとづき、令和8年度の宅地建物取引士資格試験および令和8年度の行政書士試験の制度に合わせて書いています。


2つの試験で、民法の扱いはどう違うか

先に結論を述べると、民法そのものはどちらの試験でも出題範囲に含まれます。異なるのは、出題の形式と、民法と同じ枠で出題される法律です。


「どちらの試験で出るか」の表には、出題の事実だけを記載しています。今後の出題を予想したものではありません。


表1 民法の論点と、両方の試験での扱い
項目 宅建 行政書士
民法はどう出題されるか 宅地建物取引業法施行規則が定める試験の内容のうち、「土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること」として出題されます 「行政書士の業務に関し必要な法令等」として出題される46題の中に、民法が挙げられています
出題の形式 4肢択一 5肢択一と、妥当なものの組合せを選ぶ形。これに加えて、40字程度で書く記述式があります
民法と同じ枠で出題される、民法以外の法律 借地借家法・区分所有法・不動産登記法も、「権利及び権利の変動」として出題されます これらは試験科目に挙げられていません。賃貸借は民法の範囲に含まれます
解説をどこに置いているか 民法の論点は、この民法のページにまとめています。宅建だけの特別法は、権利関係のページで扱います 民法の論点は、この民法のページにまとめています。行政法などは、行政書士のページで解説しています

試験科目として公表されている範囲をもとに記載しています。論点ごとの出題年度は、それぞれの論点のページで確認できます

表1の「民法はどう出題されるか」に引用した文言は、それぞれの試験の実施団体が公表しているものです(一般財団法人 不動産適正取引推進機構「宅建試験の概要」/一般財団法人 行政書士試験研究センター「試験概要」)。

気をつけたいのは、表1の3行目です。宅建試験では、借地借家法・区分所有法・不動産登記法も、民法と同じ「権利及び権利の変動」の枠で出題されます。これらは民法ではありませんし、行政書士試験の試験科目にも挙げられていません。民法の賃貸借までが両方に共通し、そこから先の借地借家法は宅建試験だけ、という区分になります。


民法の論点と、論点ごとのページ

民法の論点のうち、2つの試験で重なるものを一覧にしました。ページを公開している論点には、そのページへのリンクを付けています。

  • 制限行為能力者
  • 意思表示(詐欺・強迫・錯誤・虚偽表示)
  • 代理・無権代理・表見代理
  • 無効と取消し
  • 時効
  • 物権変動と対抗要件
  • 即時取得
  • 共有
  • 抵当権と根抵当権
  • 債務不履行・解除・危険負担
  • 保証・連帯債務
  • 債権譲渡
  • 売買(契約不適合責任)
  • 賃貸借
  • 不法行為
  • 相続

リンクの付いていない論点は、今後順に作成する予定です。作成の順番は、それぞれの試験でどれだけ問われているかを過去問で確かめてから決めるため、このページの並びは民法の条文の順におおむね沿ったもので、重要度の順ではありません。


片方の試験にしかない科目の解説ページ

民法ではない科目は、それぞれの試験のページにまとめます。

宅建試験だけ
借地借家法・区分所有法・不動産登記法は、民法と同じ枠で出題されますが民法ではないため、宅建の権利関係のページで扱います。宅地建物取引業法、法令上の制限、税・その他も同じく宅建のページで解説しています。
行政書士試験だけ
憲法、行政法、基礎法学、商法・会社法といった法令等の科目と、基礎知識は、行政書士のページにまとめています。40字程度で書く記述式の対策も、こちらで解説しています。

よくある質問

宅建試験と行政書士試験で、民法の範囲は同じですか?

民法そのものは、どちらの試験でも出題範囲に含まれます。ただし、宅建試験は不動産の取引に関わる分野から多く出題され、行政書士試験は民法全体から出題されるため、問われる論点の幅は異なります。また、行政書士試験には40字程度で書く記述式があります。

借地借家法は、行政書士試験でも出ますか?

行政書士試験で「行政書士の業務に関し必要な法令等」として公表されているのは、憲法、行政法、民法、商法および基礎法学で、借地借家法は挙げられていません。宅建試験では、民法と同じ「土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること」の枠で出題されます。

民法の解説は、宅建用と行政書士用で分かれていますか?

分けていません。重なる論点は1つのページにまとめ、そのページの中に、試験ごとの出題の範囲を示す表を掲載しています。どちらの試験を受ける方でも、同じページで条文を確認したうえで、ご自身の試験でどこまで問われているかを把握できます。


関連するページ

第1弾として、抵当権と根抵当権のページを公開しています。2つの担保物権の比較のほか、論点ごとに、宅建試験と行政書士試験での出題年度を一覧で掲載しています。

続いて、無効と取消しの違いのページと即時取得のページを公開しました。どちらも、条文を項目ごとに並べた表と、論点ごとに2つの試験での出題年度を示す表を掲載しています。