このページは、宅建業者(不動産業を営む会社・個人)が、商号・役員・事務所・専任の宅建士などが変わったときに免許権者へ出す変更の届出をまとめています。宅建士の方が、自分の住所・氏名・勤務先などが変わったときに申請する変更の登録は、宅建士本人の別の手続きです。宅建士本人の手続きは「宅建士の変更の登録」のページで解説しています。専任の宅建士が入れ替わったときは、この2つの手続きがどちらも必要になることがあります。
宅建業者は、商号又は名称、役員(法人の場合。個人の場合は事業主本人)と政令で定める使用人の氏名、事務所の名称と所在地、事務所ごとに置く専任の宅建士の氏名が変わったときは、変更があった日から30日以内に、免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事に変更の届出をしなければなりません(宅地建物取引業法(以下「法」)9条1項・4条1項1号〜5号)。届出をしなかったときや、虚偽の届出をしたときは、50万円以下の罰金が科されることがあります(法83条1項1号)。
免許証に書かれた事項が変わるときは、免許証の書換え交付の申請もあわせて行います(同法施行規則(以下「規則」)4条の2第1項)。また、知事免許の業者が他の都道府県に本店を移すときなど、免許をする者が変わる場合は、変更の届出ではなく免許換えの手続きになります(法7条1項)。このページでは、届出が要る事項と期限、届出書の様式、役員・専任の宅建士・事務所が変わったときの注意点を、条文と都道府県の運用に分けて整理します。
このページの目次
変更の届出が要る事項と期限(変更があった日から30日以内)
変更の届出が要るのは、免許申請書に書いた事項のうち、法4条1項1号〜5号の事項が変わったときです(法9条1項)。届出の期限は、変更があった日から30日以内です。変わった事項ごとの添付書類の例と、免許証の書換え交付が要るかを、表1にまとめました。
| 変わった事項 | 添付する書類(解釈・運用の考え方の例) | 免許証の書換え交付 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 商号又は名称 | 例示なし(都道府県の案内による) | 要る | 法4条1項1号 法9条1項 規則4条の2第1項 |
| 役員(法人)・本人(個人)の氏名 | 誓約書・略歴書・身分証明書・代表者等の連絡先に関する調書 | 代表者(個人は本人)の氏名が変わったときは要る | 法4条1項2号 法4条1項3号 法9条1項 規則5条の2第2項 規則4条の2第1項 |
| 政令で定める使用人 | 誓約書・略歴書・身分証明書・代表者等の連絡先に関する調書 | — | 法4条1項2号 法4条1項3号 法9条1項 規則5条の2第2項 |
| 事務所の名称・所在地(新設・移転・廃止) | 事務所を使用する権原に関する書面・事務所付近の地図と写真ほか | 主たる事務所の所在地が変わったときは要る | 法4条1項4号 法9条1項 規則5条の2第2項 規則4条の2第1項 |
| 専任の宅建士 | 専任の宅建士設置証明書・略歴書 | — | 法4条1項5号 法9条1項 規則5条の2第2項 |
届出の期限は、いずれも変更があった日から30日以内です(法9条1項)。添付書類の欄は、解釈・運用の考え方が大臣免許の取扱いとして示す例で、都道府県は別の書類を求めることがあります。免許証の書換え交付は、免許証の記載事項が変わったときに、変更の届出とあわせて申請します(規則4条の2第1項)。書換え交付申請書で変更に係る事項として挙げられているのは、商号又は名称・代表者の氏名・主たる事務所の所在地です。
兼業している事業の種類は、免許申請書の記載事項ですが(法4条1項6号)、法9条の変更の届出の対象には含まれていません。ただし、都道府県が別の書類の提出を求めていることがあるので、兼業を始めるときややめるときは、申請先の手引きで確かめておくと安心です。
期限を過ぎたときの扱いにも注意が必要です。届出をしなかったとき、虚偽の届出をしたときは、50万円以下の罰金が科されることがあります(法83条1項1号)。30日を過ぎてから出す届出を受け付けるか、どのような書類を求めるかは、法令に定めはなく、申請先の運用によります。たとえば沖縄県の手引き(令和7年4月発行)では、登記の手続きの都合で役員の変更を30日以内に届け出られないときは、30日を超えても受け付けるとしたうえで、手続きが済み次第すぐに届け出るよう求めています。期限を過ぎそうなときは、早めに申請先の窓口に相談することをおすすめします。
分譲の案内所などで業務を行うときの届出(法50条2項)は、変更の届出とは別の手続きで、業務を開始する日の10日前までに行います(規則19条3項)。期限と届出先は、宅建業免許を受けた後の手続き(案内所等の届出)で解説しています。
届出書の様式と宅建業者名簿
変更の届出は、規則の別記様式第三号の四の変更届出書で行います(規則5条の2第1項)。都道府県の手引きでは、宅建業者名簿に載っている事項の変更の手続きとして案内されていることがあり、沖縄県の手引きでも「宅地建物取引業者名簿登載事項の変更手続き」として案内しています。
届出があると、国土交通大臣または都道府県知事は、宅建業者名簿を訂正します(規則5条の3)。宅建業者名簿には、免許証番号と免許の年月日、法4条1項の事項などが載りますが、事務所ごとに置く専任の宅建士の氏名は、名簿に載る事項から除かれています(法8条2項2号)。それでも、専任の宅建士の氏名の変更は、変更の届出の対象です。名簿に載る事項(法8条2項)と、届出が要る事項(法9条1項)は、別の条文で定められています。
免許証の記載事項が変わるときは、変更の届出とあわせて、免許証を添えて書換え交付を申請します(規則4条の2第1項)。書換え交付申請書(別記様式第三号の二)で、変更に係る事項として挙げられているのは、商号又は名称・代表者の氏名・主たる事務所の所在地です。
提出する部数は、大臣免許の場合は正本1通とその写し1通です(規則5条の2第3項が準用する規則2条1項)。知事免許の部数は、都道府県知事が定めます。
役員・代表者が変わったとき
法人の役員や政令で定める使用人が就任・退任したときは、変更があった日から30日以内に変更の届出をします(法9条1項・4条1項2号)。届出書には、法4条2項の書類のうち変更に関係するものを添えますが、すでに出している書類の内容に変更がないときは、添付を省略できます(法9条2項)。
解釈・運用の考え方では、役員の増員・交代のときは、誓約書と、新しく役員になる人の略歴書・身分証明書(破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に当たらない旨の市町村長の証明書)・代表者等の連絡先に関する調書を添えるものとしています。あわせて、新しく役員になる人について、成年被後見人・被保佐人に当たらない旨の登記事項証明書なども求めるとしています。これらは大臣免許の取扱いとして示されたもので、知事免許で求める書類は、都道府県によって異なります。
新しい役員を迎えるときは、免許の基準にも注意が必要です。法人の役員や政令で定める使用人が、法5条1項1号〜7号・10号のいずれかに当たることになったときは、免許は取り消されます(法66条1項3号)。基準の中身と「役員」の範囲は、宅建業免許の要件(役員の範囲)で解説しています。代表者が変わるときは、免許証の書換え交付の申請もあわせて行います(規則4条の2第1項)。
都道府県が求める書類の例として、沖縄県の手引き(令和7年4月発行)では、役員の就任・退任の事実と日付が確認できる履歴事項全部証明書(退任が載らないときは閉鎖事項全部証明書)を求め、役名(役職名)だけの変更などでは、身分証明書と登記されていないことの証明書を省略できるとしています。
専任の宅建士が変わったとき
専任の宅建士が入れ替わったときは、宅建業者の変更の届出に加えて、宅建士本人の変更の登録が必要になることがあります。
宅建業者は、専任の宅建士の氏名の変更として、変更があった日から30日以内に変更の届出をします(法9条1項・4条1項5号)。解釈・運用の考え方では、専任の宅建士設置証明書と、新しく専任の宅建士になる人の略歴書を添えるものとしています。
宅建士の登録では、宅建業者の業務に従事する人については、その宅建業者の商号又は名称と免許証番号が登録事項です(規則14条の2の2第1項5号)。そのため、転職や退職で勤務先の宅建業者が変わったときは、宅建士本人が、登録をしている都道府県知事に、遅滞なく変更の登録を申請します(法20条・規則14条の7第1項)。本人の手続きは、宅建士の変更の登録(勤務先が変わったとき)のページで解説しています。
2つの手続きの順番は、申請先の案内で確かめておくと安心です。たとえば沖縄県の手引き(令和7年4月発行)では、専任の宅建士が就任するときは、宅建士本人の変更の登録で、従事先がその業者になっていることを求めています。このように本人の変更の登録を先に求める申請先もあるので、新しい専任の宅建士の登録の勤務先が、専任の宅建士として勤める宅建業者と違うときは、本人の変更の登録を早めに済ませておくと安心です。
退職などで専任の宅建士が足りなくなったときは、2週間以内に補充などの措置をとらなければなりません(法31条の3第3項)。この期限は、専任の宅建士が不足したときの説明で解説しています。
事務所の移転・新設(本店の移転と免許換えの分かれ目)
免許をする者(免許権者)が変わらない範囲で、事務所を移す・新しく設ける・廃止するときは、変更の届出です(法9条1項・4条1項4号)。たとえば、知事免許の業者が同じ都道府県の中で事務所を移すときが、これに当たります。解釈・運用の考え方では、事務所の新設・移転のときは、事務所を使用する権原に関する書面、事務所付近の地図と写真などを添えるものとしています。事務所の要件は、宅建業の事務所の要件(事務所を移す・増やすとき)で解説しています。
一方で、免許をする者が変わるときは、変更の届出ではなく免許換えです(法7条1項1号〜3号)。知事免許の業者が他の都道府県に本店を移すときは、元の都道府県の事務所をすべて廃止するなら移転先の都道府県知事の免許(同項2号)、元の都道府県にも事務所を残すなら国土交通大臣の免許(同項3号)を受けます。大臣免許の業者が事務所を廃止して、1つの都道府県の中だけに事務所を持つことになるときも、その都道府県知事の免許への免許換えです(同項1号)。免許換えのときも、申請先によっては、現在の免許権者への変更の届出をあわせて求められます。たとえば沖縄県の手引き(令和7年4月発行)では、他の都道府県へ本店を移すときは、現在免許を受けている都道府県に事務所の変更届も出すとしています。手続きは、宅建業の免許換えのページで解説しています。
大臣免許の業者が、2以上の都道府県に事務所がある状態のまま本店を移すときは、免許換えには当たらず、変更の届出です。解釈・運用の考え方では、地方整備局長等の管轄区域を越える本店の移転も、変更の届出として取り扱うこととされています。
事務所を増やすと、営業保証金の追加の供託(保証協会の社員なら、分担金の追加の納付)が必要です(法26条1項・64条の9第2項)。追加の供託をしたときも、届け出た後でなければ、新しい事務所で事業を始めることはできません(法26条2項が準用する25条5項)。本店を移して最寄りの供託所が変わるときは、保管替えなどの手続きがあります(法29条1項)。詳しくは、営業保証金と保証協会(事務所を増やしたとき・移したとき)をご覧ください。
新しい事務所にも、事務所ごとに専任の宅建士を置く必要があります(法31条の3第1項)。専任の宅建士の要件を満たさない事務所を開くことはできません(同条3項)。
都道府県の様式と添付書類
変更の届出に添える書類は、法9条2項と規則5条の2第2項が定めています(規則1条の2第1項1号・3号〜8号の書面)。これを超えて、どの証明書を求めるか、証明書の発行時期、提出の窓口は、都道府県の運用によって異なります。
たとえば沖縄県の手引き(令和7年4月発行)では、変更届出書と、変更の内容ごとに示された添付書類を、30日以内に知事に出すこととし、窓口を建築指導課または各土木事務所としています。公的機関の証明書は申請日から3か月以内に発行されたものとし、多くの変更で「宅地建物取引業に従事する者の名簿」の添付を求めています。
従事する者の名簿は、規則5条の2第2項が定める変更の届出の添付書類には含まれていません。この名簿は、沖縄県の手引きが運用として求めているものです。また、宅建業に従事する人が入れ替わっただけでは、法9条の変更の届出の対象(法4条1項1号〜5号)には当たりませんが、申請先が別の書類を求めることもあるので、手引きで確かめておくと安心です。東京都・大阪府・埼玉県・福岡県や各地方整備局の様式と添付書類も、それぞれの案内で確認できます。
よくある質問
宅建業の変更届の提出期限は、いつまでですか?
法9条1項の定めでは、変更があった日から30日以内です。届出をしなかったときや、虚偽の届出をしたときは、50万円以下の罰金が科されることがあります(法83条1項1号)。
宅建業の変更の届出とは、どのような手続きですか?
宅建業者が、商号又は名称・役員・政令で定める使用人・事務所・専任の宅建士が変わったときに、免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事に出す届出です(法9条1項)。宅建士本人が申請する「変更の登録」(法20条)とは別の手続きです。
宅建士は職場が変わったらどうすればいいですか?
宅建士本人は、勤務先の宅建業者の商号又は名称と免許証番号が登録事項なので、遅滞なく変更の登録を申請します(法20条・規則14条の2の2第1項5号)。新しい勤務先で専任の宅建士になるときは、勤務先の宅建業者が変更の届出をします(法9条1項)。
宅建業の本店を移すときは、どのような手続きが必要ですか?
免許をする者(免許権者)が変わらない範囲の移転なら、変更の届出(変更があった日から30日以内)です。知事免許の業者が他の都道府県へ本店を移すときは免許換えで、元の都道府県の事務所をすべて廃止するなら移転先の都道府県知事の免許(法7条1項2号)、元の都道府県にも事務所を残すなら国土交通大臣の免許(同項3号)を受けます。大臣免許の業者が、2以上の都道府県に事務所がある状態のまま本店を移すときは、解釈・運用の考え方では変更の届出として扱われます。
関連するページ
免許を受けた後の届出と期限は宅建業免許を受けた後の届出と期限の一覧、5年ごとの更新は宅建業免許の更新のページで解説しています。更新の申請の前に変更の届出を済ませておくと、更新の申請書の記載との食い違いを防げます。都道府県をまたぐ事務所の移転は宅建業の免許換えのページをご覧ください。