開業の準備がどこまで進んでいるかによって、先に確かめることは変わります。業態を考えている段階なら、許可か届出かの見当を付けることになります。物件の候補がある段階なら営業できる場所かどうかを調べ、内装や書類を準備している段階なら構造設備の基準と提出の期限を確かめることになります。ここでは、準備の段階ごとに、答えが書いてあるページと節を示します。
この記事の要点
- どの手続きが必要かによって、そのあとの要件・書類・期限が変わります。手続きは、風俗営業の許可(法3条1項)・特定遊興飲食店営業の許可(法31条の22)・深夜における酒類提供飲食店営業の届出(法33条1項)の3つです。
- 許可と届出では、営業を始められる時期の決まり方が違います。開業日から逆算するときの起点も変わります。
- 開業準備の段階に合わせて読むページと節は、このページの「準備の段階ごとに読むページ」にまとめています。
この記事では、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律を「法」、同法施行規則を「規則」と略します。
まず、どの手続きが必要かの見当を付ける
物件・内装・書類のどれを考えるときも、前提になるのは営業の区分です。区分の見当は、次のページで付けることができます。
- 4つの区分と、許可か届出か:風営法の全体像の「自分の店がどれに当たるか ─ 順番に確かめる3つの問い」
- 業態の名前からの当てはめ:業態別に必要な許可・届出の「業態の名前を、3つの問いに置き換える」
- 接待に当たるかどうか:「接待」の定義と判断基準
接待をしない店でも、照度や客席の作りによって風俗営業の許可が必要になる場合があり(法2条1項2号・3号)、酒類を出さない深夜の飲食店にも営業所の基準などの決まりがあります(法32条)。風営法の全体像の同じ節で、3つの問いの外にあるこれらの決まりも案内しています。
接待をする営業の許可の手続きは風営法の許可(1号営業)の取り方で、深夜の酒類提供の届出の手続きは深夜営業の届出の全体像で、それぞれ全体を案内しています。3つの区分で営業する場所についての定めの違いは用途地域と営業できない地域の調べ方で比べています。
許可と届出で、営業を始められる時期の決まり方が違う
- 許可(風俗営業・特定遊興飲食店営業):許可を受けるまでは営業できません(法3条1項・法31条の22)。許可が出る日を申請者の側で決めることはできないので、申請から許可までの日数を見込んで開業日を決めることになります。接待をする営業の許可について、期間の決まり方は申請の流れと標準処理期間の「標準処理期間 ─ 目安の期間は公安委員会ごとに異なる」で解説しています。
- 深夜における酒類提供飲食店営業の届出:届出書は、深夜の営業を始めようとする日を基準に、その10日前までに提出しなければなりません(規則103条3項)。ただ、届出書を提出しても、その場所で深夜に営業できることが確認されたことにはなりません。「10日前」の数え方は届出の流れと期限、場所の決まりは用途地域と営業できない地域の調べ方で確認できます。
飲食店営業許可(食品衛生法55条1項)は、風営法の手続きとは別に受ける許可です。風営法の手続きとの関係は、風営法の全体像の「風営法の許可・届出と、飲食店営業許可の関係」で解説しています。
準備の段階ごとに読むページ
- 物件の選定・契約の前
- 確かめる順番:物件選びと構造設備の基準の「契約前に確かめる順番」
- 営業できる地域:用途地域と営業できない地域の調べ方
- 保全対象施設(いわゆる「保護対象施設」)との距離:保全対象施設と距離制限の調べ方
- 内装を設計している
- 区分ごとの基準:風俗営業許可の要件・届出の要件
- 区分をまたいだ比較:客室の床面積・見通し・区画の基準・照度の基準
- 図面と書類を準備している
- 図面:風営法の申請図面の作り方の「作図の流れ」
- 書類:許可申請の必要書類一覧・必要書類と様式の書き方
- 申請・届出の日程を組んでいる
- 許可:申請の流れと標準処理期間の「許可を受けるまでの順番」
- 届出:届出の流れと期限の「開業までの流れ」
- 開業したあと:許可・届出の後の義務と変更手続き
よくある質問
開業日から逆算するとき、許可と届出で何が違いますか。
このページの「許可と届出で、営業を始められる時期の決まり方が違う」のとおり、起点になる日が違います。許可の期間は申請の流れと標準処理期間、届出の期限は届出の流れと期限で解説しています。
1つの店で、許可と届出の両方が関わることはありますか。
あります。たとえば、時間帯によって営業の形を変える店や、接待をする営業を終えたあとに同じ営業所で飲食店営業を続ける店です。時間帯によって営業の形を変える計画は、業態別に必要な許可・届出の「時間帯で営業の形を変える店」で扱っています。接待をする営業の終業後に同じ営業所で飲食店営業を続ける場合の扱いは、風営法の許可(1号営業)の取り方の「深夜の届出と比べると、決まり方が違うところ」で扱っています。
届出で営業している店が、あとから接待をする営業に切り替えるときは、どうなりますか。
接待を始める前に、風俗営業の許可を受ける必要があります(法3条1項)。許可を受けると、深夜(午前0時から午前6時まで)は原則として営業できなくなります(法13条1項)。スナック・ラウンジの開業に必要な許可の「すでに営業している店が、あとから許可を受ける場合」で解説しています。
手続きは自分でできますか。
許可の申請も深夜営業の届出も、本人が書類を作って提出することができます。許可の申請は申請の流れと標準処理期間の「自分で申請するか、専門家に頼むか」、届出は届出の流れと期限の「自分で出すか、専門家に頼むか」で、それぞれの手続きに沿って整理しています。