物件選び

風営法の照度|許可・届出の種類ごとのルクスと、照明設備の基準

風営法の照度(営業所の明るさ)の基準は、許可・届出の区分によって数値が違い、条文の定め方にも特徴があります。このページでは、区分ごとのルクスの数値、どこで測るか、照明設備で注意すること、照明を落とすと営業の区分が変わる場合を、条文と警察庁の解釈運用基準(令和8年7月1日の通達)で整理します。照度は、物件の段階で確かめる構造設備の1つです。ほかの項目との関係は物件選びと構造設備の基準にまとめています。

この記事の要点

  1. 営業所内の照度を、区分ごとに決められた数値以下として営業してはいけません。決められた数値より暗い状態で営業してはいけない、という定め方です。数値は、接待をする店(法2条1項1号に掲げる営業)が5ルクス、特定遊興飲食店営業が10ルクス、深夜に飲食店営業を営む店が20ルクスです(法14条・規則31条1号/法31条の23・規則96条/法32条2項・規則101条)。
  2. 営業所の照明の構造・設備も、その数値以下とならないように維持できるものでなければなりません(規則7条の表(法2条1項1号に掲げる営業の項)6号/規則75条5号/規則99条5号)。
  3. 営業所内の照度を10ルクス以下として飲食店を営むと、それだけで風俗営業(法2条1項2号)に当たり、許可が必要になります。

この記事では、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律を「法」、同法施行規則を「規則」、同法に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令を「内閣府令」と略します。

このページの目次
  1. 区分ごとの照度の数値
  2. 「営業中の規制」と「構造設備の基準」は別に適用される
  3. どこで測るか ─ 測定の場所
  4. 照明設備で注意すること ─ 調光器と、照明以外の光
  5. 照明を落とすと、営業の区分が変わる ─ 法2条1項2号
  6. 照度計・アプリで確かめるとき
  7. 申請書・届出書の「照明設備」の欄
  8. よくある勘違い
  9. よくある質問
  10. この記事の根拠

区分ごとの照度の数値

照度の基準を、許可・届出の区分ごとに並べると次のとおりです。

照度の基準(許可種別ごとのルクス)
項目 風俗営業1号(接待飲食営業) 深夜における酒類提供飲食店営業(届出) 特定遊興飲食店営業(許可) 飲食店営業許可のみ
照度 規則30条の方法で測定した営業所内の照度を5ルクス以下として営業してはならない。構造設備としても5ルクス以下とならないように維持できる構造・設備が必要条文で確定根拠:法14条/規則31条1号(5ルクス)/規則30条(測定方法)/規則7条の表(法2条1項1号に掲げる営業の項)6号条文は「5ルクス以下としてその営業を営んではならない」という定め方です。実際の測定は所轄の警察署が現物で行います 規則100条の方法で測定した営業所内の照度を20ルクス以下として営業してはならない。構造設備としても20ルクス以下とならないように維持できる構造・設備が必要条文で確定根拠:法32条2項において準用する法14条/規則101条(20ルクス)/規則100条(測定方法)/規則99条5号条文は「20ルクス以下としてその深夜における営業を営んではならない」という定め方です(法32条2項による読替え)。実際の測定は所轄の警察署が現物で行います 規則95条の方法で測定した営業所内の照度を10ルクス以下としてその深夜における営業を営んではならない(法31条の23による読替え)。構造設備としても10ルクス以下とならないように維持できる構造・設備が必要条文で確定根拠:法31条の23において準用する法14条/規則96条(10ルクス)/規則95条(測定方法)/規則75条5号 深夜に営業しない場合、法32条2項の照度の規制は適用されない。深夜に飲食店営業を営む場合は、酒類の提供の有無にかかわらず、20ルクス以下としてその深夜における営業を営んではならない地域・運用で異なる根拠:法32条2項において準用する法14条/規則101条(20ルクス)/規則100条(測定方法)/規則99条5号時間帯にかかわらず、営業所内の照度を10ルクス以下として営めば法2条1項2号の営業(風俗営業)に当たります。実際の測定は所轄の警察署が現物で行います

法令基準日:2026-09-18/根拠の略号 法=風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律、令=同法施行令、規則=同法施行規則、内閣府令=同法に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令

この表の「地域・運用で異なる」の項目は、都道府県の条例や所轄の警察署の運用によって取扱いが異なります。

ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。

もとになっているのは、風俗営業についての法14条です。

風俗営業者は、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた営業所内の照度を、風俗営業の種別に応じて国家公安委員会規則で定める数値以下としてその営業を営んではならない。

(法14条)

数値は規則31条にあり、法2条1項1号・2号に掲げる営業が5ルクス、3号から5号までに掲げる営業が10ルクスです。この法14条が、特定遊興飲食店営業(法31条の23)と、深夜において飲食店営業を営む者(法32条2項)に準用されています。準用するときは、条文の「その営業」が「その深夜における営業」と読み替えられます。

数値だけを比べると、接待をする店(5ルクス)より、深夜に飲食店営業を営む店(20ルクス)のほうが、明るさの基準が高くなっています。また、法32条2項は準用する相手を「深夜において飲食店営業を営む者」としていて、酒類を提供する店に限っていません。

「営業中の規制」と「構造設備の基準」は別に適用される

照度には、2つの定めがあります。1つは、上の法14条とその準用による、営業中の規制です。もう1つは、営業所の構造及び設備の技術上の基準で、接待をする店の基準は次のとおりです。

第三十条に定めるところにより計つた営業所内の照度が五ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。

(規則7条の表(法2条1項1号に掲げる営業の項)6号)

同じ定め方の基準は、次の条にも置かれています。

  • 深夜に飲食店営業を営む店:規則99条5号(20ルクス)。深夜において飲食店営業を営む者は、この基準に適合するように維持しなければなりません(法32条1項)。
  • 特定遊興飲食店営業:規則75条5号(10ルクス)。許可の基準です(法31条の23において準用する法4条2項1号)。

明るくできる照明を付けていても、営業中に暗くしていれば営業中の規制に反します。反対に、営業中の照度が足りていても、照明の構造・設備が基準に合っていなければ、構造設備の基準の問題になります。

照度の規制に違反したときに問題になるのは、公安委員会の指示と、許可の取消しや営業停止などの処分です。

  • 風俗営業:指示(法25条)、許可の取消し・営業停止(法26条1項)
  • 特定遊興飲食店営業:指示(法31条の24)、許可の取消し・営業停止(法31条の25第1項)
  • 深夜の飲食店営業:指示(法34条1項)、営業停止(法34条2項)

これらの処分に違反すると罰則があり(法49条4号・法50条3号)、照度の規制に違反したこと自体を罰する規定は置かれていません。ただ、照度を10ルクス以下として営んだ結果、法2条1項2号の営業に当たる場合は、許可を受けずに営めば無許可営業として罰則の対象になります(法3条1項・法49条1号)。

また、深夜の酒類提供の届出をした店では、照明設備の変更は変更の届出の対象です(法33条2項・内閣府令22条4号)。

照明の計画が、営業中の照度と構造設備の基準の両方に合うかを確認しておく必要があります。

ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。

どこで測るか ─ 測定の場所

深夜の飲食店営業の照度は、営業所の次の部分の水平面で測ります(規則100条)。

  • 客席に食卓その他の飲食物を置く設備がある場合:その設備の上面と、その高さで客が通常利用する部分(1号)
  • それ以外の場合で、椅子がある客席:椅子の座面と、その高さで客が通常利用する部分(2号イ)
  • それ以外の場合で、椅子がない客席:客が通常利用する場所の床面。畳などが敷かれているときは、その表面(2号ロ)

接待をする店(規則30条の表の法2条1項1号から3号までに掲げる営業の項)と特定遊興飲食店営業(規則95条)も、同じ定め方です。テーブルがある席はテーブルの上面、テーブルのない席は椅子の座面、椅子もない席は床面が、測定の位置になります。ただ、客席の中のどの点で測るか、営業時間のどの時点の明るさで判断するかまでは、条文には定められていません。

テーブルの端や壁際の席など、暗くなりやすい場所の照度を確認しておく必要があります。

ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。

照明設備で注意すること ─ 調光器と、照明以外の光

構造設備の基準の「必要な構造又は設備」について、解釈運用基準は、接待をする店などの風俗営業(規則7条)について次のように整理しています。

施行規則第7条の表中「営業所内の照度が10(5)ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有する」とは、一般的には、照度の基準に達する照明設備を設けていることで足りる。ただし、施行規則第2条第2号に掲げる客室(客席のみにおいて客に遊興をさせるための客室に限る。)を除き、照度の測定場所について、照度の基準に満たない照度に自由に変えられるスライダックス等の照明設備を設けることは認められない。

また、照明設備のほかに、営業時間中に常態として光を発することが想定される設備が設けられている場合は、当該設備と照明設備の双方の光によって、常態として照度の基準に達するのであれば、「必要な構造又は設備を有する」ことになる。

(解釈運用基準 第12中8(3))

特定遊興飲食店営業の規則75条5号については、解釈運用基準の第24中2が、この第12中8(3)を参照することとしています。一方、深夜の飲食店営業の規則99条5号について、解釈運用基準に同じ整理はありません。

  • 調光器:接待をする店では、測定場所の照度を基準に満たない明るさまで自由に落とせる照明設備(解釈運用基準のいう「スライダックス等」)は認められないとされています。深夜の飲食店営業の規則99条5号も、規則7条と同じ文言の基準です。風俗営業と同じ扱いを受けても対応できるように、明るさを基準より下げられない器具を選んでおけば、あとから器具を取り替えずに済みます。
  • 除かれている客室:引用のただし書の中で除かれている客室(規則2条2号に掲げる客室のうち、客席のみで客に遊興をさせるもの)は、限られた形の客室についての整理です。自分の店の客室がこの除外に当たるかは、所轄の警察署が個別に判断します。
  • 照明設備を設けていれば足りるという整理と、照明以外の光を合わせて数える整理:どちらも、解釈運用基準が風俗営業の基準について示した一般的な整理です。所轄の警察署がより厳しく見ることがあり、テレビや装飾の光を含めた計画は、その光が営業中いつも出ていることが前提になります。

調光器や、照明以外の光を含めた照明計画が基準に合うかを確認しておく必要があります。

ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。

照明を落とすと、営業の区分が変わる ─ 法2条1項2号

法2条1項2号は、喫茶店、バーなど設備を設けて客に飲食をさせる営業のうち、営業所内の照度を10ルクス以下として営むものを風俗営業としています(接待をする営業として営むものを除く)。照明の落とし方によっては、接待をしない店でも、公安委員会の許可が必要な風俗営業に当たることになります(法3条1項)。時間帯を問わないことは、このページ前半の比較表の「飲食店営業許可のみ」の列の補足のとおりです。この号の照度の測り方は、規則2条に別に定められています。

客席のうち、営業中に照度が10ルクス以下となる場所や時間帯がないかを確認しておく必要があります。

ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。

照度計・アプリで確かめるとき

内装の段階で照度計を使って目安を測っておくと、手戻りを減らせます。測るときは、このページの「どこで測るか」の場所(テーブルの上面・椅子の座面など)で、水平に測ります。

スマートフォンの照度計アプリの値は目安で、所轄の警察署の測定と同じ値になるとは限りません。アプリで基準を少し上回る値が出ても、それだけで基準を満たしていることにはなりません。

基準に近い値が出た場所は、測った位置と時刻を記録して確認しておく必要があります。

ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。

申請書・届出書の「照明設備」の欄

風俗営業の許可申請書(施行規則の別記様式第1号)と、深夜の酒類提供の届出書(施行規則の別記様式第47号)には、「照明設備」の欄があります。どちらの様式も、備考で、照明設備の種類、仕様、基数、設置位置等を記載することとしています(別記様式第1号の備考7・別記様式第47号の備考4)。欄の書き方と図面の全体は、風営法の申請図面の作り方で解説しています。

よくある勘違い

  • 「20ルクス以上にすればよい」:条文は、決められた数値以下として営業することを禁じる形で、測る場所も規則100条で決まっています。
  • 「接待をする店のほうが、明るさの基準が厳しい」:数値は、接待をする店が5ルクス、深夜に飲食店営業を営む店が20ルクスです(規則31条1号・規則101条)。
  • 「お酒を出さない深夜営業なら、照度は関係ない」:法32条2項は、酒類を提供する店に限っていません。
  • 「調光器で、営業中だけ暗くする」:風俗営業では認められないとされ(解釈運用基準 第12中8(3))、深夜の店の基準も同じ文言です(規則99条5号)。
  • 「雰囲気のために少し暗くするだけ」:10ルクス以下として営めば、法2条1項2号の営業に当たります。
  • 「アプリで測ったら足りていた」:このページの「照度計・アプリで確かめるとき」のとおり、アプリの値は目安です。

数値・測る場所・調光の範囲のうち、自分の店の照明計画で判断が分かれそうな点を確認しておく必要があります。

ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。

よくある質問

風営法では、店の明るさは何ルクス必要ですか。

決められた数値以下として営業することが禁止される定め方で、数値は、接待をする店が5ルクス、特定遊興飲食店営業が10ルクス、深夜に飲食店営業を営む店が20ルクスです(規則31条1号・規則96条・規則101条)。

深夜に酒類を出す店の照度は、何ルクスですか。

深夜に飲食店営業を営む店の数値は20ルクスです(法32条2項・規則101条)。酒類を出さない深夜営業の飲食店も同じです。

「10ルクス」は、何の基準ですか。

主に3つあります。特定遊興飲食店営業の照度の数値(規則96条)、法2条1項3号から5号までに掲げる風俗営業の照度の数値(規則31条2号)、それに、照度を10ルクス以下として営むと風俗営業になる、法2条1項2号の営業の基準です。構造設備の基準(規則75条5号など)にも同じ数値があります。

照度はどうやって測りますか。

テーブルがある席はテーブルの上面、ない席は椅子の座面、椅子もなければ床面の水平面で測ります(規則30条・規則95条・規則100条)。どの点で測るかなどの細部は、このページの「どこで測るか」のとおりです。

調光器(調光スイッチ)は付けてよいですか。

接待をする店などの風俗営業では、照度を基準に満たない明るさに自由に変えられる照明設備は認められないとされています(解釈運用基準 第12中8(3))。深夜の飲食店営業にはこの整理がありませんが、基準は同じ文言で、所轄の警察署が風俗営業と同じように扱うことがあります。調光器を付ける予定があるなら、どこまで明るさを落とせる器具かを確認しておく必要があります。

ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。

この記事の根拠

  • 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)── e-Gov法令検索
  • 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則(昭和60年国家公安委員会規則第1号)── e-Gov法令検索
  • 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令(昭和60年総理府令第1号)── e-Gov法令検索
  • 警察庁「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準について(通達)」令和8年7月1日(令和7年10月20日付けの旧通達を廃止したもの)── 警察庁(PDF)

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