宅建試験で贈与税の特例を学ぶとき、要件が混ざりやすいのが、住宅取得等資金(一般には住宅取得資金と呼ばれます)の贈与を受けた場合の2つの特例です。1つは、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税(以下「非課税の特例」)です。もう1つは、特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例(以下「相続時精算課税の特例」)です。この2つの特例の要件の違いは、表2で、贈与者と受贈者についての行を見ると確かめられます。
ただし、表2を読む前に押さえておきたいのが、贈与税の課税には、暦年課税と相続時精算課税の2つの方法があることです。相続時精算課税の特例は、住宅取得等資金の贈与について、相続時精算課税を選ぶときの贈与者の年齢の要件に特例を設けたものです。そのため、相続時精算課税そのものの仕組みを先に知っておくと、表2の行が読みやすくなります。
そこで、このページでは、まず表1で暦年課税と相続時精算課税の違いを見渡し、表2で2つの特例の要件を整理します。そのうえで、表3で相続時精算課税の贈与税額の計算の流れを確認し、宅建試験で相続税がどのように出題されているかを見ます。最後に表4で、令和9年度に向けて確定しているものと、まだ決まっていないものを分けています。まずは表1から見ていきましょう。
本記事は、2026年9月時点の相続税法・租税特別措置法(同法施行令と、関係する附則を含む)にもとづき、令和8年度(2026年10月)の本試験の制度に合わせて書いています。
相続時精算課税と暦年課税の違い
この見出しで押さえておきたい視点は、2つの課税の方法を「贈与のときに課税を終えるか、相続のときに精算するか」で読むという1点です。ただし、これは違いをつかむための見方です。相続のときに加算するかどうかと、その期間は、表1の「相続のときの扱い」の行の条文で確かめます。表1は、選び方と撤回、贈与者と受贈者の要件、控除と税率、相続のときの扱いの順に読んでいきましょう。
「出題」は、昭和63年〜令和7年の本試験の過去問で、年度と問番号を確かめたものだけを載せています。「直近10年」は平成28年〜令和7年の本試験で、その行の論点が選択肢に出た回数です。「問われ方」は、過去問で誤りの選択肢として出た形です。正しい選択肢としてだけ出たものは「(正しい選択肢として出題)」としています。「注意」は、過去問では確かめていませんが、誤解しやすい点です。
| 項目 | 暦年課税 | 相続時精算課税 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 選び方と撤回 | 届出は要らない(相続時精算課税の届出書を提出していない贈与者からの贈与) | 贈与者ごとに届出書を提出して選ぶ。提出した届出書は撤回できない | 相続税法21条の9第2項 相続税法21条の9第3項 相続税法21条の9第6項 |
| 贈与者と受贈者の要件 | 暦年課税そのものには、年齢・続柄の要件はない(税率の特例には要件がある。贈与税の税率の行) | 贈与者はその年1月1日において60歳以上。受贈者は贈与者の直系卑属である推定相続人で、その年1月1日において18歳以上(住宅取得等資金の贈与には、贈与者が60歳未満でもよい特例がある。表2) | 相続税法21条の9第1項 租税特別措置法70条の3第1項 |
| 基礎控除 | 年110万円 | 年110万円(令和6年1月1日以後の贈与。特定贈与者からの贈与には、暦年課税の基礎控除は適用しない) | 租税特別措置法70条の2の4第1項 租税特別措置法70条の3の2第1項 相続税法21条の11第1項 |
| 特別控除 | ない | 特定贈与者ごとに累計2,500万円(既に控除した金額があれば、その残額。その年の課税価格が上限) | 相続税法21条の12第1項1号・2号 |
| 贈与税の税率 | 課税価格の区分に応じた超過累進税率(直系尊属からの贈与で、受贈者がその年1月1日において18歳以上なら、特例の税率) | 一律100分の20 | 相続税法21条の7 租税特別措置法70条の2の5第1項 相続税法21条の13 |
| 相続のときの扱い | 相続又は遺贈により財産を取得した者が、相続開始前7年以内に被相続人から贈与を受けた財産の価額を、相続税の課税価格に加算する(3年以内に取得した財産以外は、合計額から100万円を控除)。令和6年1月1日以後の贈与に適用し、令和6年1月1日から令和8年12月31日までの相続では3年以内、令和9年1月1日から令和12年12月31日までの相続では令和6年1月1日から相続開始の日までの間 | 特定贈与者からの贈与財産の価額(基礎控除の部分を除く)を、相続税の課税価格に加算する | 相続税法19条1項 令和5年法律第3号附則19条1項 令和5年法律第3号附則19条2項 令和5年法律第3号附則19条3項 相続税法21条の15第1項 |
相続時精算課税は、届出書を提出した贈与者(特定贈与者)からの贈与にだけ適用されます。それ以外の贈与は暦年課税で計算します
まず、選び方と撤回です。表1の注記のとおり、相続時精算課税は、届出書を提出した贈与者(以下「特定贈与者」)からの贈与にだけ適用され、それ以外の贈与は暦年課税で計算します。そして、相続時精算課税を選ぶときは、贈与者ごとに届出書を提出し(相続税法21条の9第2項)、特定贈与者からの贈与は、届出書に係る年分以後、相続時精算課税で贈与税額を計算します(同条3項)。また、提出した届出書は撤回できません(同条6項)。
次に、贈与者と受贈者の要件です。相続時精算課税には、贈与者と受贈者の年齢と続柄の要件があり(相続税法21条の9第1項)、住宅取得等資金の贈与について、このうち贈与者の年齢の要件に特例を設けたのが、表2の相続時精算課税の特例です。
続いて、控除と税率です。基礎控除は、暦年課税にも相続時精算課税にも年110万円がありますが、根拠の規定は別です(租税特別措置法70条の2の4第1項・70条の3の2第1項)。そして、特定贈与者からの贈与については、暦年課税の基礎控除は適用しません(相続税法21条の11第1項・租税特別措置法70条の2の4第1項)。したがって、表1の2つの列の基礎控除は、それぞれの課税の方法の中で控除するものとして読みましょう。
これに対して、特別控除は、相続時精算課税だけにあります(相続税法21条の12第1項1号・2号)。また、贈与税の税率は、暦年課税では課税価格の区分に応じた超過累進税率ですが(相続税法21条の7)、相続時精算課税では一律の税率です(同法21条の13)。なお、暦年課税の税率には特例の税率もあり、その要件は表1の「贈与税の税率」の行で確かめられます。特別控除の金額と、控除と税率をどの順に当てはめるかは、この後の「相続時精算課税の贈与税額の計算」で確かめます。
そして、相続のときの扱いです。相続時精算課税では、特定贈与者の相続のときに、特定贈与者からの贈与財産が、相続税の課税価格に加算する対象になります(相続税法21条の15第1項)。一方、暦年課税でも、相続又は遺贈により財産を取得した者が、相続開始前の一定の期間に被相続人から贈与を受けた財産は、相続税の課税価格に加算する対象になります(相続税法19条1項)。どちらも、加算する金額は、表1の「相続のときの扱い」の行で確かめましょう。
ただし、暦年課税で加算する期間は、令和6年1月1日以後の贈与から改正されていて、経過措置により、相続がいつ開始したかで数え方が違います(令和5年法律第3号附則19条1項〜3項)。したがって、何年以内の贈与を加算するかは、一律の年数で覚えるのではなく、表1の「相続のときの扱い」の行で、相続の時期ごとに確かめましょう。
そのうえで、覚えるときは、暦年課税は贈与のときに課税を終える方法、相続時精算課税は特定贈与者からの贈与を相続のときに精算する方法、と考えると、表1の行の違いを整理しやすくなります。ただし、前の2つの段落のとおり、暦年課税にも相続のときの加算があるので、正誤は表1の条文で判断します。
住宅取得等資金の贈与を受けた場合の2つの特例の要件
ここからは、住宅取得等資金(一般には住宅取得資金と呼ばれます)の贈与を受けた場合の2つの特例の要件です。この見出しで意識しておきたいポイントは、表2の要件の行で、相続時精算課税の特例の列が「同じ」になっていないのは、贈与者と受贈者についての3行だけという1点です。表2の要件の行は、贈与者と受贈者についての3行と、資金と家屋についての6行に分かれています。表2の最後の行は、要件ではなく、2つの特例の関係の行です。
なお、表2の注記のとおり、2つの特例は、どちらも住宅取得等資金の贈与についての特例です。
| 項目 | 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税 | 特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 贈与者の範囲 | 直系尊属(父母・祖父母など)に限る。配偶者の父母は直系尊属ではないので対象外 | 父母・祖父母(受贈者は贈与者の直系卑属である推定相続人(孫を含む)) | 租税特別措置法70条の2第1項 租税特別措置法70条の3第3項1号 |
| 贈与者の年齢 | 問わない(贈与の年の1月1日において60歳未満でも受けられる) | 60歳未満でも選択できる(相続時精算課税の原則は、贈与者が1月1日において60歳以上) | 租税特別措置法70条の2第1項 租税特別措置法70条の3第1項 相続税法21条の9第1項 |
| 受贈者の合計所得金額 | 2,000万円以下(家屋の床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満なら1,000万円以下) | 要件はない(2,000万円を超えていても受けられる) | 租税特別措置法70条の2第2項1号 租税特別措置法施行令40条の4の2第1項 租税特別措置法施行令40条の4の2第2項1号・2号 租税特別措置法70条の3第3項1号 |
| 贈与の対象 | 住宅取得等資金(金銭)に限る。住宅用の家屋そのものの贈与は対象外 | 同じ(金銭に限る。家屋そのものの贈与は対象外) | 租税特別措置法70条の2第2項5号 租税特別措置法70条の3第3項5号 |
| 家屋の所在地 | 国内(相続税法の施行地)にある家屋に限る | 同じ(国内にある家屋に限る) | 租税特別措置法施行令40条の4の2第2項 租税特別措置法施行令40条の5第1項 |
| 既存住宅用家屋(中古住宅) | 対象になる(耐震基準に適合するなど一定の要件を満たすもの) | 同じ(一定の要件を満たせば対象になる) | 租税特別措置法70条の2第2項3号 租税特別措置法70条の3第3項3号 |
| 家屋を取得する相手方 | 配偶者・直系血族など特別の関係がある者から取得する家屋は対象外 | 同じ(配偶者から取得した家屋は対象外) | 租税特別措置法70条の2第2項5号 租税特別措置法施行令40条の4の2第7項1号 租税特別措置法70条の3第3項5号 租税特別措置法施行令40条の5第6項1号 |
| 店舗併用住宅の居住用部分 | 床面積の2分の1以上が受贈者の居住の用に供される家屋なら対象 | 同じ(床面積の2分の1以上) | 租税特別措置法施行令40条の4の2第2項 租税特別措置法施行令40条の5第1項 |
| 新築・取得・増改築等の期限 | 贈与を受けた年の翌年3月15日まで | 同じ(贈与を受けた年の翌年3月15日まで) | 租税特別措置法70条の2第1項1号・2号・3号 租税特別措置法70条の3第1項1号・2号・3号 |
| もう一方の特例との併用 | 相続時精算課税(その特例を含む)を選んでいても適用を受けられる。相続又は遺贈により財産を取得した場合に相続税の課税価格に加算する贈与財産に、この特例で贈与税の課税価格に算入しなかった金額は含まれない | 非課税の特例で贈与税の課税価格に算入しなかった金額を除いた残りの金額について、相続時精算課税で計算する | 租税特別措置法70条の2第1項 租税特別措置法70条の2第3項 相続税法21条の15第1項 租税特別措置法70条の3第1項 相続税法21条の9第3項 |
2つの特例は、どちらも住宅取得等資金(住宅用の家屋の新築・取得・増改築等の対価に充てるための金銭)の贈与について適用されます
まず、贈与者の範囲です。非課税の特例は、直系尊属からの贈与に限られます(租税特別措置法70条の2第1項)。これに対して、相続時精算課税の特例は、受贈者が贈与者の直系卑属である推定相続人(孫を含む)であることを要件としています(同法70条の3第3項1号)。つまり、2つの特例は、贈与者と受贈者の関係を、それぞれ別の書き方で定めています。どの人からの贈与が対象になるかは、表2の「贈与者の範囲」の行で確かめましょう。
次に、贈与者の年齢です。非課税の特例には、贈与者の年齢の要件がありません(租税特別措置法70条の2第1項)。一方、相続時精算課税の特例は、贈与者の年齢がその年1月1日において相続時精算課税の原則の要件を満たさなくても、相続時精算課税を選択できる特例です(同法70条の3第1項)。つまり、贈与者の年齢の行は、60歳未満の贈与者から受けられるという結論はどちらの特例も同じですが、相続時精算課税の特例は、表1で見た相続時精算課税の贈与者の年齢の要件(相続税法21条の9第1項)について、住宅取得等資金の贈与に限って特例を設けたものです。表2のこの行の書き方が2つの列で違うのは、このためです。
そして、受贈者の合計所得金額の要件(一般には所得制限と呼ばれます)です。合計所得金額の要件があるのは、非課税の特例だけです(租税特別措置法70条の2第2項1号)。相続時精算課税の特例には、この要件はありません(同法70条の3第3項1号)。なお、非課税の特例の合計所得金額の上限は、家屋の床面積によって違うので、金額は表2の「受贈者の合計所得金額」の行で確かめましょう。
これに対して、表2の資金と家屋についての6行、つまり、贈与の対象、家屋の所在地、既存住宅用家屋(中古住宅)、家屋を取得する相手方、店舗併用住宅の居住用部分、新築・取得・増改築等の期限の行は、相続時精算課税の特例の列がすべて「同じ」です。それぞれの要件の中身は、表2の行で確かめましょう。したがって、表2を読むときは、表2の資金と家屋の6行を1回確かめ、そのうえで贈与者と受贈者の3行に絞って比べると、2つの特例の要件が混ざりにくくなります。選択肢を読むときも、まず、どちらの特例についての文かを確かめ、次に、その文が表2のどの行に当たるかを探すと、行の値と照らし合わせやすくなります。
最後に、2つの特例の関係です。表2の「もう一方の特例との併用」の行から、2つの特例は併用できることが分かります。そして、非課税の特例の適用を受けて贈与税の課税価格に算入しなかった金額は、相続又は遺贈により財産を取得した場合に相続税の課税価格に加算する贈与財産に含まれません(租税特別措置法70条の2第3項)。併用したときに相続時精算課税で計算する金額は、表2のこの行で確かめましょう。
相続時精算課税の贈与税額の計算
続いて、相続時精算課税(一般には相続時精算課税制度と呼ばれます)の贈与税額の計算です。この見出しの要点は、贈与のときは「基礎控除 → 特別控除 → 税率」の順に当てはめ、相続のときに精算するという流れです。
なお、表3の条文には、表1の相続時精算課税の列と共通のもの(租税特別措置法70条の3の2第1項、相続税法21条の12第1項1号・21条の13・21条の15第1項)があります。そこで、表1で暦年課税との違いを確かめたあとは、表3で、控除と税率をどの順に当てはめるかを確かめると、2つの表を続けて読むことができます。
| 項目 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 特別控除の限度額 | 年110万円の基礎控除を控除した後の残額から、2,500万円(累計。既に控除した金額があれば、その残額)を限度として控除する | 相続税法21条の12第1項1号 租税特別措置法70条の3の2第1項 |
| 税率と相続のときの精算 | 基礎控除・特別控除の後になお残る金額に、100分の20の贈与税。相続のときは、贈与財産の価額(基礎控除の部分を除く)を相続税の課税価格に加算して、相続税で精算する(一律100分の20の相続税ではない) | 相続税法21条の13 相続税法21条の15第1項 |
特定贈与者ごとに計算します
まず、贈与のときに控除する順番です。相続時精算課税では、特定贈与者からの贈与財産の課税価格から、先に基礎控除を控除し(租税特別措置法70条の3の2第1項)、その後の残額から特別控除を控除します(相続税法21条の12第1項1号)。そして、基礎控除と特別控除を控除した後になお残る金額に、贈与税の税率を当てはめます(相続税法21条の13)。
ここで押さえておきたいのは、特別控除の2,500万円は、贈与税がかからない非課税の金額ではなく、特定贈与者ごとに贈与税の課税価格から控除する特別控除の限度額だという点です(相続税法21条の12第1項1号・2号)。限度額を累計でどう数えるかは、表3の「特別控除の限度額」の行で確かめましょう。
次に、相続のときの精算です。相続のときに相続税の課税価格に加算する金額は、表1の「相続のときの扱い」の行で見たものと同じ定めによります(相続税法21条の15第1項)。つまり、相続時精算課税は、贈与のときに贈与税の計算をしたうえで、相続のときに、その贈与財産を相続税の課税価格に加算して精算する仕組みです。
このように、表3の2つの行は、見出しの考え方の流れに沿っています。「特別控除の限度額」の行は、贈与のときに基礎控除と特別控除を控除する段階です。そして、「税率と相続のときの精算」の行は、残る金額に税率を当てはめる段階と、相続のときに精算する段階を、1つの行で見られるようにしたものです。
宅建試験で相続税は出題されるか
ここで、宅建試験と相続税の関係を確かめておきましょう。結論から言うと、昭和63年〜令和7年の本試験で、相続税の仕組みや計算そのものを問う問題はありません。相続税という語が出てくるのは、譲渡所得・公示価格・相続時精算課税の問題の選択肢の中だけです。
具体的には、譲渡所得の問題では、相続税を納付するための物納として出てきます。また、公示価格の問題では、公的な土地の評価の1つとしての相続税評価として出てきます。そして、相続時精算課税の問題では、相続のときに相続税がどう課されるかという形で出てきます。いずれも、それぞれの論点の問題の中で相続税の語が使われているものです。
このうち、相続時精算課税の相続のときの扱いは、このページの表1の「相続のときの扱い」の行と、表3の「税率と相続のときの精算」の行で整理しています。このページでは、相続税の計算は扱わず、贈与財産を相続のときにどう扱うかを、これらの行の範囲で確認できる構成にしています。
なお、ここで書いたのは、昭和63年〜令和7年の本試験で確かめた出題の範囲です。これからの本試験で相続税がどう扱われるかを示すものではありません。
このように、贈与税の特例と相続時精算課税は、まず表1で、2つの課税の方法を、違いをつかむ見方として「贈与のときに課税を終えるか、相続のときに精算するか」で整理し、相続のときの加算は表1の「相続のときの扱い」の行で確かめます。そのうえで、表2では、相続時精算課税の特例の列が「同じ」になっていない贈与者と受贈者の3行に絞って比べると、2つの特例の要件が混ざりにくくなります。選択肢で迷ったときは、表2の贈与者と受贈者の3行と、表3の計算の順に戻ってみましょう。
令和9年度に向けて確定しているもの/まだ決まっていないもの
最後に、表4です。このページの表1〜表3は、令和8年度(2026年10月)の本試験の制度にもとづいて作成しています。これに対して、令和9年度の税制改正は、2026年12月ごろまで決まりません。
| 項目 | 確定している(令和8年度の本試験の制度) | まだ決まっていない | 条文 |
|---|---|---|---|
| 表1〜表3の制度 | 令和8年度(2026年10月)の本試験の制度 | 令和9年度の税制改正で動くかどうか | — |
令和9年度の税制改正は、2026年12月ごろまで決まりません。決まったら、この表の内容を見直します
したがって、表1〜表3の内容が令和9年度の税制改正で変わるかどうかは、現時点では確定していません。改正の内容が決まったら、このページの表と本文を見直します。
よくある質問
暦年課税と相続時精算課税の違いは何ですか?
違いをつかむ見方としては、暦年課税は贈与のときに課税を終える方法、相続時精算課税は、届出書を提出した贈与者(特定贈与者)からの贈与を相続のときに精算する方法です。ただし、暦年課税でも、相続又は遺贈により財産を取得した者が相続開始前の一定の期間に被相続人から贈与を受けた財産は、相続税の課税価格に加算する対象になります(相続税法19条1項)。また、特別控除は相続時精算課税だけにあり(同法21条の12第1項1号・2号)、贈与税の税率は、暦年課税では課税価格の区分に応じた超過累進税率(同法21条の7。一定の場合には特例の税率。租税特別措置法70条の2の5第1項)、相続時精算課税では一律の税率です(相続税法21条の13)。
相続時精算課税の特別控除の2,500万円とは、どのようなものですか?
贈与税がかからない非課税の金額ではなく、特定贈与者ごとに贈与税の課税価格から控除する特別控除の限度額です(相続税法21条の12第1項1号・2号)。贈与のときは、基礎控除(租税特別措置法70条の3の2第1項)、特別控除の順に控除し、なお残る金額に贈与税の税率を当てはめます(相続税法21条の13)。そして、相続のときに、特定贈与者からの贈与財産の価額(基礎控除の部分を除く)を相続税の課税価格に加算して精算します(同法21条の15第1項)。
住宅取得等資金の贈与を受けた場合の2つの特例は、併用できますか?
併用できます。直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税と、特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例は、このページの表2の「もう一方の特例との併用」の行のとおり、あわせて適用を受けられます。そして、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の適用を受けて贈与税の課税価格に算入しなかった金額は、相続又は遺贈により財産を取得した場合に相続税の課税価格に加算する贈与財産に含まれません(租税特別措置法70条の2第3項)。
宅建試験で相続税は出題されますか?
昭和63年〜令和7年の本試験で、相続税の仕組みや計算そのものを問う問題はありません。相続税という語が出てくるのは、譲渡所得・公示価格・相続時精算課税の問題の選択肢の中だけです。これは昭和63年〜令和7年の本試験で確かめた出題の範囲で、これからの本試験で相続税がどう扱われるかを示すものではありません。
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