宅建試験の開発許可で、覚えることが多く整理しにくいのが、開発許可が要らない場合です。宅建試験の受験生に向けて、開発許可が要るかどうかの判断と、許可のあとの手続・建築の制限を、6つの表で確かめられるようにしました。まず答えを示すと、開発許可は「開発行為」をするときの許可で、開発行為とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更のことです(都市計画法4条12項・29条1項)。そして、開発許可が要るかどうかは、開発行為に当たるか、区域ごとの規模に達しているか、面積以外の例外に当たるかの順に確かめると、判断しやすくなります。
まず表1〜表3で、開発行為に当たるかどうか、区域ごとの開発許可が要らない規模、面積以外で開発許可が要らない場合と取り違えやすい場合を見て、許可が要るかを判断します。そのうえで、表4で申請と許可の基準、表5で許可を受けたあとの手続、表6で工事完了の公告の前後の建築の制限を確かめます。なお、このページでいう「都道府県知事」は、指定都市・中核市の区域内では、その長のことです(表4の注記)。
本記事は、2026年9月時点で施行されている都市計画法・都市計画法施行令・都市計画法施行規則にもとづいています。令和9年度(2027年度)試験の法令基準日は2027年4月1日です。
開発行為とは(定義と特定工作物)
開発行為に当たるかを判断するときは、「目的」と「土地の区画形質の変更」の2つがそろっているかを確かめましょう。目的は、建築物の建築か特定工作物の建設です。目的と土地の区画形質の変更のうち、どちらか一方でも欠ければ開発行為には当たらず、開発許可は要りません(都市計画法4条12項)。
「出題」は、昭和63年〜令和7年の本試験の過去問で、年度と問番号を確かめたものだけを載せています。「直近10年」は平成28年〜令和7年の本試験で、その行の論点が選択肢に出た回数です。「問われ方」は、過去問で誤りの選択肢として出た形です。正しい選択肢としてだけ出たものは「(正しい選択肢として出題)」としています。「注意」は、過去問では確かめていませんが、誤解しやすい点です。
| 項目 | 開発行為か | 理由 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 建築物の建築を目的とする土地の区画形質の変更 | 当たる | 目的(建築物の建築又は特定工作物の建設)と、土地の区画形質の変更の両方がそろう | 都市計画法4条12項 |
| 第一種特定工作物(コンクリートプラント・アスファルトプラント・クラッシャープラント・危険物の貯蔵又は処理に供する工作物)の建設を目的とするもの | 当たる | 規模を問わない | 都市計画法4条11項 都市計画法施行令1条1項1号・2号・3号 |
| ゴルフコースの建設を目的とするもの | 当たる(第二種特定工作物) | 規模を問わない(法律がゴルフコースを名指ししている) | 都市計画法4条11項 |
| 1ヘクタール以上の運動・レジャー施設(野球場・庭球場・陸上競技場・遊園地・動物園など)と墓園の建設を目的とするもの | 当たる(第二種特定工作物) | 1ヘクタール以上のものだけが第二種特定工作物に当たる(大学を除く学校の施設などは除く。大学の施設は除かれない) | 都市計画法4条11項 都市計画法施行令1条2項1号・2号 |
| 1ヘクタール未満の運動・レジャー施設(野球場・遊園地など)の建設を目的とするもの | 当たらない | 第二種特定工作物に当たらないので、土地の区画形質の変更をしても開発行為にならない(区域を問わず開発許可は要らない) | 都市計画法4条11項 都市計画法施行令1条2項1号 |
| 土地の区画形質の変更を伴わない建築物の建築(造成済みの宅地に建てるなど) | 当たらない | 建築物の床面積や敷地の面積が大きくても、開発許可は要らない(市街化調整区域のうち開発区域の外では、建築そのものに許可が要ることがある=表6) | 都市計画法4条12項 |
| 建築物も特定工作物も建てない土地の区画形質の変更(青空駐車場など) | 当たらない | 建築物の建築・特定工作物の建設の目的がないので、1ヘクタール以上でも開発許可は要らない | 都市計画法4条12項 |
開発行為は「主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更」です(都市計画法4条12項)。開発行為に当たらなければ、開発許可は要りません。
まず、目的が欠ける場合です。建築物も特定工作物も建てない土地の区画形質の変更、たとえば青空駐車場のための造成は、1ヘクタール以上でも開発行為に当たりません(表1の「建築物も特定工作物も建てない土地の区画形質の変更(青空駐車場など)」の行)。次に、土地の区画形質の変更が欠ける場合です。造成済みの宅地に建てるなど、土地の区画形質の変更を伴わない建築は、建築物の床面積や敷地の面積が大きくても、開発行為に当たりません(都市計画法4条12項)。ただし、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域の外では、開発行為を伴わない建築そのものに、都道府県知事の許可が要ることがあります(都市計画法43条1項。表6)。
続いて、特定工作物です。第一種特定工作物(コンクリートプラント・アスファルトプラント・クラッシャープラント・危険物の貯蔵又は処理に供する工作物)と、第二種特定工作物のうちゴルフコースは、規模を問わず特定工作物に当たります(都市計画法4条11項、都市計画法施行令1条1項1号・2号・3号)。これに対して、野球場・庭球場・陸上競技場・遊園地・動物園などの運動・レジャー施設と墓園は、1ヘクタール以上のものだけが第二種特定工作物です(都市計画法施行令1条2項1号・2号)。1ヘクタール未満の野球場や遊園地は特定工作物に当たらないので、これらを建設するための土地の区画形質の変更は開発行為にならず、区域を問わず開発許可は要りません。
なお、この1ヘクタールは、第二種特定工作物に当たるかどうかの規模です。表2にある、都市計画区域・準都市計画区域の外で開発許可が要らない「1ヘクタール未満」とは、別の定めです(都市計画法施行令1条2項1号・2号・22条の2)。数値が同じなので、どちらの話かを区別して読みましょう。
区域ごとの開発許可が要らない規模
開発行為に当たるときは、次に、開発区域の面積を区域ごとの規模と比べます。この見出しの軸は、市街化区域は1,000㎡、区域区分が定められていない都市計画区域と準都市計画区域は3,000㎡、都市計画区域・準都市計画区域の外は1ヘクタールで、それぞれ「未満」なら開発許可が要らないという点です(都市計画法29条1項1号・29条2項、都市計画法施行令19条1項・22条の2)。
| 項目 | 開発許可が要らない規模 | 条例による引下げ | 条文 |
|---|---|---|---|
| 市街化区域 | 1,000㎡未満 | 都道府県等は条例で、区域を限り、300㎡以上1,000㎡未満の範囲で別に定めることができる | 都市計画法29条1項1号 都市計画法施行令19条1項 |
| 市街化区域のうち、三大都市圏の一定の区域 | 500㎡未満 | 条例で、300㎡以上500㎡未満の範囲で別に定めることができる | 都市計画法29条1項1号 都市計画法施行令19条1項 都市計画法施行令19条2項 |
| 市街化調整区域 | 規模による例外はない(規模を問わず開発許可が要る) | — | 都市計画法29条1項1号 |
| 区域区分が定められていない都市計画区域(非線引き都市計画区域) | 3,000㎡未満 | 条例で、区域を限り、300㎡以上3,000㎡未満の範囲で別に定めることができる | 都市計画法29条1項1号 都市計画法施行令19条1項 |
| 準都市計画区域 | 3,000㎡未満 | 条例で、区域を限り、300㎡以上3,000㎡未満の範囲で別に定めることができる | 都市計画法29条1項1号 都市計画法施行令19条1項 |
| 都市計画区域・準都市計画区域の外 | 1ヘクタール(10,000㎡)未満 | —(条例で引き下げる定めはない) | 都市計画法29条2項 都市計画法施行令22条の2 |
「未満」なので、ちょうどの面積(1,000㎡ちょうどなど)は開発許可が要ります。面積以外の例外は表3にあります。
表2で見落としやすいのは、次の3つです。1つ目は、市街化調整区域には規模による例外がないことです。市街化調整区域では、面積が小さくても、表3の面積以外の例外に当たらなければ、開発許可が要ります(表2の「市街化調整区域」の行)。2つ目は、「未満」の意味です。1,000㎡のように、規模と同じ面積の開発行為には開発許可が要ります(表2の注記)。3つ目は、規模が下がる場合です。市街化区域のうち、三大都市圏の一定の区域では500㎡未満になり(都市計画法施行令19条2項)、さらに都道府県等は、条例で区域を限り、300㎡まで引き下げることができます(都市計画法施行令19条1項)。区域区分が定められていない都市計画区域と準都市計画区域の3,000㎡についても、都道府県等は、同じく条例で区域を限り、300㎡まで引き下げることができます(同項)。都市計画区域・準都市計画区域の外には、条例で引き下げる定めがありません。
また、市街化区域では、農林漁業のための開発行為も、この表2の規模で判断します。この点は、次の表3で確かめます。
面積以外で開発許可が要らない場合と、取り違えやすい場合
表2の規模に達していても、開発行為の目的によっては、開発許可が要らない場合があります。覚えるときは、次の2つに分けると整理しやすくなります。1つ目は、区域・規模を問わず要らないもので、公益上必要な建築物・非常災害の応急措置・通常の管理行為や軽易な行為です。2つ目は、市街化区域の外だけで、規模を問わず要らないもので、農林漁業用の建築物と農林漁業を営む者の住宅です。これは覚えるための整理で、正誤は表3の条文の列で判断します。
| 項目 | 開発許可 | 区域・規模 | 条文 |
|---|---|---|---|
| 農林漁業用の建築物(畜舎・温室・サイロ・農機具等収納施設・建築面積90㎡以内の建築物など) | 要らない | 市街化区域の外だけ(市街化区域では、表2の規模で判断する) | 都市計画法29条1項2号 都市計画法29条2項1号 都市計画法施行令20条1号・2号・5号 |
| 農林漁業を営む者の居住の用に供する建築物 | 要らない | 市街化区域の外だけ(市街化区域では、表2の規模で判断する) | 都市計画法29条1項2号 都市計画法29条2項1号 |
| 公益上必要な建築物(駅舎その他の鉄道の施設・図書館・博物館・公民館・変電所・都市公園の公園施設など) | 要らない | 区域・規模を問わない | 都市計画法29条1項3号 都市計画法29条2項2号 都市計画法施行令21条3号・4号・14号・17号・18号 |
| 都市計画事業・土地区画整理事業・市街地再開発事業・住宅街区整備事業・防災街区整備事業の施行として行うもの | 要らない | 規模や、施行する者が民間かどうかを問わない(都市計画区域・準都市計画区域の外で例外になるのは、都市計画事業の施行だけ) | 都市計画法29条1項4号・5号・6号・7号・8号 都市計画法29条2項2号 |
| 非常災害のため必要な応急措置として行うもの | 要らない | 区域・規模を問わない | 都市計画法29条1項10号 都市計画法29条2項2号 |
| 通常の管理行為・軽易な行為(仮設建築物、車庫・物置などの附属建築物、床面積10㎡以内の増築など) | 要らない | 区域・規模を問わない | 都市計画法29条1項11号 都市計画法29条2項2号 都市計画法施行令22条1号・2号・3号 |
| 学校・病院・診療所・社会福祉施設(国・地方公共団体が設置するものを含む) | 要る(公益上必要な建築物の例外に当たらない) | 表2の規模以上なら要る(市街化調整区域では規模を問わない) | 都市計画法29条1項3号 都市計画法施行令21条26号 |
| 農林漁業を営む者でない者の自己の居住用住宅 | 要る | 表2の規模以上なら要る(市街化調整区域では規模を問わない) | 都市計画法29条1項1号・2号 |
| 農産物・林産物・水産物の貯蔵・加工に必要な建築物 | 要る(農林漁業用の建築物の例外に当たらない) | 市街化調整区域では規模を問わない(許可の基準は34条4号) | 都市計画法29条1項2号 都市計画法施行令20条 都市計画法34条4号 |
| 周辺に居住している者の日常生活に必要な物品を販売する店舗 | 要る(その市街化調整区域に居住している者が自ら営む延べ面積50㎡以内の店舗などで、開発行為の規模が100㎡以内のときを除く) | 市街化調整区域では規模を問わない(許可の基準は34条1号) | 都市計画法29条1項11号 都市計画法施行令22条6号 都市計画法34条1号 |
「要る」の行も、市街化区域・区域区分が定められていない都市計画区域・準都市計画区域・区域の外では、表2の規模未満なら開発許可は要りません。
まず、区域・規模を問わない行です。駅舎その他の鉄道の施設・図書館・公民館・変電所などの公益上必要な建築物のための開発行為(都市計画法29条1項3号・29条2項2号)、非常災害のため必要な応急措置として行う開発行為(同法29条1項10号・29条2項2号)、仮設建築物や車庫・物置などの附属建築物のような通常の管理行為・軽易な行為(同法29条1項11号・29条2項2号)は、どの区域でも開発許可が要りません。これに近いのが、事業の施行の行です。都市計画事業・土地区画整理事業・市街地再開発事業などの施行として行う開発行為は、規模や、施行する者が民間かどうかを問わず要りません(同法29条1項4号・5号・6号・7号・8号)。ただし、都市計画区域・準都市計画区域の外で例外になるのは、都市計画事業の施行だけです(同法29条2項2号)。
次に、農林漁業の行です。畜舎・温室・サイロなどの農林漁業用の建築物と、農林漁業を営む者の居住の用に供する建築物(一般には農家住宅と呼ばれます)のための開発行為は、市街化区域の外では、規模を問わず開発許可が要りません(都市計画法29条1項2号・29条2項1号)。これに対して、市街化区域では、この例外がなく、表2の規模で判断します。つまり、市街化区域で農家住宅のために表2の規模以上の開発行為をするときは、開発許可が要ります。
そして、取り違えやすいのが、表3の「要る」の4行です。学校・病院・診療所・社会福祉施設は、国や地方公共団体が設置するものも含めて、公益上必要な建築物の例外に当たりません(都市計画法29条1項3号、都市計画法施行令21条26号)。農産物・林産物・水産物の貯蔵・加工に必要な建築物は、農林漁業用の建築物の例外に当たりません(都市計画法施行令20条)。周辺に居住している者の日常生活に必要な物品を販売する店舗も、その市街化調整区域に居住している者が自ら営む延べ面積50㎡以内の店舗などで、開発行為の規模が100㎡以内のときを除いて、通常の管理行為・軽易な行為に当たりません(都市計画法施行令22条6号)。また、農林漁業を営む者でない者の自己の居住用住宅にも、目的による例外はありません(都市計画法29条1項1号・2号)。いわゆる分家住宅も、建てる人が農林漁業を営む者でなければ、通常の管理行為・軽易な行為の行ではなく、表3の「農林漁業を営む者でない者の自己の居住用住宅」の行(要る)に当たります。この4行は、市街化調整区域では規模による例外がなく、そのほかの区域では表2の規模以上のときに要ります(表3の注記)。ただし、店舗の行のうち、上に挙げた、その市街化調整区域に居住している者が自ら営む小さな店舗は、軽易な行為に当たるので、開発許可は要りません。
なお、学校(大学などを除く)・病院などは、平成19年11月29日までは開発許可が要りませんでした。平成19年11月30日からは要るので、それより前の教材や過去問の解説を読むときは注意が必要です(表3の注意)。
また、農地を農地以外のものにする転用には、開発許可とは別に、農地法の許可(市街化区域内の農地は、許可に代えて農業委員会への届出)が要ることがあります(農地法4条1項・5条1項)。開発許可が要るかどうかとは、分けて判断します。
開発許可の申請と、許可の基準
ここからは、開発許可の申請の手続と、許可の基準です。申請の前の段取りで押さえたいのは、既存の公共施設の管理者とは「協議」と「同意」、新しく設置される公共施設を管理することとなる者とは「協議」だけという違いです(都市計画法32条1項・2項)。同意を得たことを証する書面と、協議の経過を示す書面は、申請書に添付します(同法30条2項)。
| 項目 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 許可をする者 | 都道府県知事(指定都市・中核市の区域内では、その長) | 都市計画法29条1項 |
| 申請書に記載する事項 | 開発区域の位置・区域・規模、予定建築物等の用途、開発行為に関する設計、工事施行者(工事の請負人又は自ら施行する者)、工事の着手・完了の予定年月日など。予定建築物の構造・設備・高さ・階数・価額は、記載する事項に入っていない | 都市計画法30条1項1号・2号・3号・4号 都市計画法施行規則15条 |
| 申請する土地の権利 | 自分が所有していない土地でも申請できる。許可の基準として、工事の妨げとなる権利を有する者の相当数の同意を得ていることが要る(全員の同意ではない) | 都市計画法33条1項14号 |
| 開発行為に関係がある公共施設の管理者(既存の公共施設) | 申請の前に、あらかじめ協議し、その同意を得る。同意を得たことを証する書面を申請書に添付する | 都市計画法32条1項 都市計画法30条2項 |
| 開発行為により設置される公共施設を管理することとなる者 | 申請の前に、あらかじめ協議する(同意までは要らない)。協議の経過を示す書面を申請書に添付する | 都市計画法32条2項 都市計画法30条2項 |
| 設計図書を作成する者 | 一定の工事の設計図書は、国土交通省令で定める資格を有する者が作成したものでなければならない | 都市計画法31条 |
| 自己の居住用住宅の開発行為に適用されない基準 | 道路・公園・広場などの空地(2号)、給水施設(4号)、災害危険区域などを含まないこと(8号)、申請者の資力・信用(12号)、工事施行者の能力(13号)。排水施設(3号)や、用途地域などへの用途の適合(1号)は適用される | 都市計画法33条1項1号・2号・3号・4号・8号・12号・13号 |
| 災害危険区域などを開発区域に含まないこと(33条1項8号) | 自己の居住用住宅以外の開発行為に適用される(自己の業務用の施設も含む)。対象は災害危険区域・地すべり防止区域・土砂災害特別警戒区域・浸水被害防止区域・急傾斜地崩壊危険区域で、土砂災害警戒区域は入っていない(開発区域と周辺の状況などにより支障がないと認められるときを除く) | 都市計画法33条1項8号 都市計画法施行令23条の2 |
| 基準に適合したとき | 33条の基準(市街化調整区域では、あわせて34条のいずれかの号)に適合し、申請の手続が法令に違反していなければ、許可をしなければならない | 都市計画法33条1項 都市計画法34条 |
| 市街化調整区域の開発行為(立地の基準) | 33条の基準に加えて、34条各号のいずれかに当たると認めるときでなければ、許可をしてはならない(主として第二種特定工作物の建設の用に供する開発行為は、34条の対象外) | 都市計画法34条 |
| 開発審査会の議 | 34条14号(周辺の市街化を促進するおそれがなく、市街化区域内で行うことが困難又は著しく不適当)で許可をするときは、あらかじめ開発審査会の議を経る。市街化調整区域の開発許可のすべてに要るわけではない | 都市計画法34条14号 |
| 許可・不許可の処分 | 遅滞なく処分をし、許可・不許可のどちらも文書で申請者に通知する | 都市計画法35条1項 都市計画法35条2項 |
| 用途地域の定められていない区域での建築物の制限 | 開発許可をするときに、必要があれば、建蔽率・高さ・壁面の位置その他の敷地・構造・設備の制限を定めることができる(用途地域の定められていない土地の区域に限る)。制限を超える建築は、知事の許可を受ければできる | 都市計画法41条1項 都市計画法41条2項 |
| 国・都道府県等が行う開発行為 | 国の機関又は都道府県等(都道府県・指定都市等・事務処理市町村など。そのほかの市町村は含まない)と都道府県知事との協議が成立すれば、開発許可があったものとみなす | 都市計画法34条の2第1項 |
| 処分に不服があるとき | 開発審査会に審査請求をする | 都市計画法50条1項 |
「都道府県知事」は、指定都市・中核市の区域内では、その長です(都市計画法29条1項)。
まず、申請する人と土地です。開発許可は、自分が所有していない土地についても申請できます。許可の基準として求められるのは、工事の妨げとなる権利を有する者の相当数の同意で、全員の同意ではありません(都市計画法33条1項14号)。申請書には予定建築物等の用途を記載しますが、予定建築物の構造・設備・高さ・階数・価額は、記載事項に含まれていません(同法30条1項、都市計画法施行規則15条)。
次に、許可の基準です。都道府県知事は、33条の基準に適合し、申請の手続が法令に違反していなければ、開発許可をしなければなりません(都市計画法33条1項)。自己の居住の用に供する住宅のための開発行為では、道路・公園などの空地(2号)、給水施設(4号)、災害危険区域などを含まないこと(8号)、申請者の資力・信用(12号)、工事施行者の能力(13号)の基準が適用されません(12号・13号は、工事が宅地造成及び特定盛土等規制法の許可を要するときは適用されます)。一方、排水施設(3号)と、用途地域などへの用途の適合(1号)は適用されます(同法33条1項)。このうち8号は、自己の業務用の施設の開発行為には適用され、対象の区域に土砂災害警戒区域は入っていません(表4の「災害危険区域などを開発区域に含まないこと(33条1項8号)」の行)。
市街化調整区域では、33条の基準に加えて、34条各号のいずれかに当たると認めるときでなければ、許可をしてはなりません(主として第二種特定工作物の建設の用に供する開発行為を除く。都市計画法34条)。開発審査会の議を経るのは、34条14号で許可をするときだけで、市街化調整区域の開発許可のすべてに要るわけではありません(同法34条14号)。また、許可・不許可の処分は、どちらも文書で申請者に通知します(同法35条2項)。用途地域の定められていない土地の区域で開発許可をするときは、建蔽率・高さ・壁面の位置などの制限を定めることができます(同法41条1項)。
なお、国の機関又は都道府県等が行う開発行為は、都道府県知事との協議が成立すれば、開発許可があったものとみなされます(都市計画法34条の2第1項)。ここでいう都道府県等は、都道府県・指定都市等・事務処理市町村などで、そのほかの市町村は含まれません。
開発許可を受けたあとの手続
許可を受けたあとの手続は、誰がするかで分けると区別しやすくなります。開発許可を受けた者がするのは、変更の許可の申請、軽微な変更の届出、工事の廃止の届出、工事の完了の届出です。これに対して、完了の検査・検査済証の交付・工事の完了の公告と、開発登録簿の調製・保管・登録は、都道府県知事が行います。
| 項目 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 申請書に記載した事項の変更 | 都道府県知事の許可を受ける(変更後の開発行為が、許可の要らない開発行為になるときは除く) | 都市計画法35条の2第1項 |
| 軽微な変更(工事の着手・完了の予定年月日の変更など) | 変更をしたあと、遅滞なく都道府県知事に届け出る | 都市計画法35条の2第3項 都市計画法施行規則28条の4 |
| 工事の廃止 | 廃止をしたあと、遅滞なく都道府県知事に届け出る(許可や同意は要らない) | 都市計画法38条 |
| 相続人その他の一般承継人 | 当然に承継する(承認は要らない) | 都市計画法44条 |
| 土地の所有権その他工事を施行する権原を取得した者(特定承継人) | 都道府県知事の承認を受けて、承継することができる | 都市計画法45条 |
| 工事を完了したとき | 開発許可を受けた者が都道府県知事に届け出る→知事が検査し、開発許可の内容に適合していれば検査済証を交付する→知事が工事の完了を公告する | 都市計画法36条1項 都市計画法36条2項 都市計画法36条3項 |
| 設置された公共施設の管理 | 工事完了の公告の日の翌日に、原則として、その公共施設の存する市町村の管理に属する(他の法律に基づく管理者が別にあるとき、協議で管理者を別に定めたときを除く) | 都市計画法39条 |
| 公共施設の用に供する土地の帰属 | 工事完了の公告の日の翌日に、原則として、その公共施設を管理すべき者に帰属する | 都市計画法40条2項 |
| 開発登録簿の調製と登録 | 都道府県知事が調製・保管し、開発許可をしたときに登録する(開発許可を受けた者が登録するのではない) | 都市計画法46条 都市計画法47条1項 |
| 登録する事項 | 開発許可の年月日、予定建築物等(用途地域等の区域内の建築物などを除く)の用途、公共施設の種類・位置・区域、41条1項の制限の内容など | 都市計画法47条1項1号・2号・3号・4号・5号 |
| 閲覧と写しの交付 | 常に公衆の閲覧に供し、請求があれば写しを交付する(請求できる者は利害関係人に限られない) | 都市計画法47条5項 |
| 違反があったとき | 国土交通大臣・都道府県知事・市町村長は、違反した者のほか、違反の事実を知って違反に係る土地・建築物などを譲り受けた者などにも、許可の取消しや、建築物の除却などの必要な措置を命ずることができる | 都市計画法81条1項1号 |
まず、変更と廃止です。申請書に記載した事項を変更するときは、都道府県知事の許可を受けます。ただし、変更後の開発行為が、開発許可の要らない開発行為になるときは除かれます(都市計画法35条の2第1項)。工事の着手・完了の予定年月日の変更などの軽微な変更は、変更後、遅滞なく届け出ます(同法35条の2第3項、都市計画法施行規則28条の4)。工事を廃止したときも、廃止後、遅滞なく届け出れば足り、許可や同意は要りません(都市計画法38条)。
次に、地位の承継です。相続人その他の一般承継人は、当然に地位を承継し、承認は要りません(都市計画法44条)。一方、土地の所有権その他工事を施行する権原を取得した者(特定承継人)は、都道府県知事の承認を受けて、承継することができます(同法45条)。
そして、工事の完了です。開発許可を受けた者が工事の完了を届け出ると、都道府県知事が検査し、開発許可の内容に適合していれば検査済証を交付して、工事の完了を公告します(都市計画法36条1項・2項・3項)。設置された公共施設は、公告の日の翌日に、原則として、その公共施設の存する市町村の管理に属します(同法39条)。開発登録簿は都道府県知事が調製・保管し、開発許可をしたときに登録して、常に公衆の閲覧に供します。写しの交付を請求できる者は、利害関係人に限られません(同法46条・47条1項・47条5項)。
なお、違反があったときの監督処分は、違反した者だけでなく、違反の事実を知って違反に係る土地・建築物などを譲り受けた者なども対象になります(都市計画法81条1項1号)。
建築の制限(開発区域の内と外)
最後に、建築の制限です。表6は、工事完了の公告の前、公告の後、市街化調整区域のうち開発区域の外の3つを並べています。同じ「建築の制限」でも、いつ・どこで建てるかによって、制限される建築の範囲と例外が変わります。
| 項目 | 工事完了の公告前(開発区域内) | 工事完了の公告後(開発区域内) | 市街化調整区域のうち開発区域の外 | 条文 |
|---|---|---|---|---|
| 原則 | 建築物の建築・特定工作物の建設をしてはならない(土地の分譲は制限されない) | 予定建築物等以外の建築物・特定工作物の新築・新設や、予定の建築物以外への改築・用途の変更をしてはならない | 都道府県知事の許可を受けなければ、建築物の新築・改築・用途の変更、第一種特定工作物の新設をしてはならない | 都市計画法37条 都市計画法42条1項 都市計画法43条1項 |
| 許可を受けずにできる場合 | 工事用の仮設建築物・特定工作物の建築・建設、知事が支障がないと認めたとき、開発行為に同意をしていない者が権利の行使として建築・建設するとき | 開発区域内の土地に用途地域等が定められているとき(予定建築物等以外の建築物も新築できる。第二種特定工作物は除く) | 農林漁業用の建築物・農林漁業を営む者の住宅・公益上必要な建築物の新築、都市計画事業の施行、非常災害の応急措置、仮設建築物の新築、土地区画整理事業などが行われた土地の区域内の建築、通常の管理行為・軽易な行為 | 都市計画法37条1号・2号 都市計画法42条1項 都市計画法43条1項1号・2号・3号・4号・5号 都市計画法施行令34条1号 都市計画法施行令35条 |
| 都道府県知事の許可 | —(公告前にできるのは、上の行の場合だけ) | 知事が利便の増進上・環境の保全上支障がないと認めて許可したときは、予定建築物等以外の建築物も新築できる | 許可の基準は、33条・34条の開発許可の基準の例に準じて政令で定める | 都市計画法37条 都市計画法42条1項 都市計画法43条2項 |
| 国・都道府県等が行うとき | —(上の行と同じ) | 都道府県知事との協議が成立すれば、許可があったものとみなす | 都道府県知事との協議が成立すれば、許可があったものとみなす | 都市計画法37条 都市計画法42条2項 都市計画法43条3項 |
| 土地の区画形質の変更を伴わない建築 | 制限される(建築そのものの制限) | 制限される(建築そのものの制限) | 制限される(開発行為を伴わない新築・改築・用途の変更にも許可が要る) | 都市計画法37条 都市計画法42条1項 都市計画法43条1項 |
「開発区域の外」は、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域です(都市計画法43条)。
まず、工事完了の公告の前です。開発区域内では、原則として建築物の建築・特定工作物の建設はできませんが、土地の分譲は制限されません(都市計画法37条)。例外として建築などができるのは、工事用の仮設建築物などの建築、都道府県知事が支障がないと認めたときの建築、開発行為に同意をしていない者が権利の行使として行う建築の3つです(同条1号・2号)。
次に、工事完了の公告の後です。開発区域内では、予定建築物等以外の建築物の新築などができません(都市計画法42条1項)。ただし、開発区域内の土地に用途地域等が定められているときは、予定建築物等以外の建築物も新築できます。この例外は、第二種特定工作物にはありません。また、都道府県知事が利便の増進上・環境の保全上支障がないと認めて許可したときも、予定建築物等以外の建築物を新築できます(同項)。
そして、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域の外です。ここでは、開発行為を伴わない建築物の新築・改築・用途の変更や、第一種特定工作物の新設にも、都道府県知事の許可が要ります(都市計画法43条1項)。ただし、農林漁業用の建築物・農林漁業を営む者の住宅・公益上必要な建築物の新築、都市計画事業の施行、非常災害の応急措置、仮設建築物の新築、土地区画整理事業などが行われた土地の区域内の建築、通常の管理行為・軽易な行為などは、許可を受けずにできます(同項の本文と1号・2号・3号・4号・5号)。表1の「土地の区画形質の変更を伴わない建築物の建築(造成済みの宅地に建てるなど)」の行(当たらない)と、表6の「土地の区画形質の変更を伴わない建築」の行(制限される)は、別の定めとして区別しておきましょう。
開発許可が要るかどうかは、開発行為に当たるか、区域ごとの規模に達しているか、面積以外の例外に当たるかの順に判断できます。許可のあとの手続は、誰が行うかで分けて読みます。建築の制限は、開発区域内の公告の前と後、市街化調整区域のうち開発区域の外の3つの場面に分けると、区別がつきます。選択肢で迷ったときは、表1〜表3で許可が要るかを確かめ、手続と建築の制限は表4〜表6の行に戻ってみましょう。
よくある質問
宅建の開発許可とは、どんな許可ですか?
開発行為をしようとする者が、区域ごとの規模未満の場合や、公益上必要な建築物のための場合などを除いて、あらかじめ受けなければならない都道府県知事(指定都市・中核市の区域内では、その長)の許可です(都市計画法29条1項・2項)。開発行為は、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更で(同法4条12項)、目的と土地の区画形質の変更の両方がそろわなければ開発行為に当たらず、開発許可は要りません。当たる場合と当たらない場合は、このページの表1で確かめられます。
開発許可が不要になるのは、どんな場合ですか?
都市計画法29条の定めでは、大きく2つあります。1つ目は、区域ごとの規模未満の開発行為です。市街化区域は1,000㎡未満(三大都市圏の一定の区域は500㎡未満)、区域区分が定められていない都市計画区域と準都市計画区域は3,000㎡未満です。この3つの区域の規模は、条例で引き下げられていることがあります。都市計画区域・準都市計画区域の外は1ヘクタール未満です。市街化調整区域には、規模による例外がありません。2つ目は、公益上必要な建築物、非常災害の応急措置、通常の管理行為・軽易な行為、都市計画事業などの施行のための開発行為です(都市計画区域・準都市計画区域の外で例外になる事業は、都市計画事業の施行だけ)。農林漁業用の建築物と農林漁業を営む者の住宅のための開発行為は、市街化区域の外では規模を問わず開発許可が要りません(市街化区域では、1つ目の規模で判断します)。区域と条文は、このページの表2・表3で確かめられます。
宅建の開発許可の覚え方は?
開発行為に当たるか、区域ごとの規模に達しているか、面積以外の例外に当たるか、の順に判断すると整理しやすくなります。面積以外の例外は、2つに分けて覚えましょう。公益上必要な建築物・非常災害の応急措置・通常の管理行為や軽易な行為は、区域・規模を問わず要りません。農林漁業用の建築物と農林漁業を営む者の住宅は、市街化区域の外だけで、規模を問わず要りません。これは覚えるための整理で、正誤は、このページの表1〜表3の条文の列で判断します。
市街化区域で農家の住宅を建てるときも、開発許可は不要ですか?
市街化区域では、表2の規模(1,000㎡。三大都市圏の一定の区域は500㎡で、条例で引き下げられていることがあります)以上の開発行為なら、農林漁業を営む者の住宅のためでも開発許可が要ります。農林漁業を営む者の住宅と農林漁業用の建築物のための開発行為が規模を問わず要らないのは、市街化区域の外だけです(都市計画法29条1項1号・2号・29条2項1号)。このページの表3の「農林漁業を営む者の居住の用に供する建築物」の行で確かめられます。
関連するページ
農地を農地以外のものにするときの農地法の許可と、許可が要らない場合は、宅建の農地法のページで確かめられます。
このページの表にある面積などの数値を、科目や論点をまたいで並べて確かめたいときは、宅建の数値のページで調べることができます。表の行の「宅建の数値のページで見る」からも、関係する数値の行に移れます。
法令上の制限のほかの論点は、宅建の法令上の制限のページから探せます。