宅建の国土利用計画法|事後届出の面積と届出が不要な場合

宅建試験で国土利用計画法(一般には国土法と呼ばれます)を学ぶとき、まず押さえておきたいのは、この法律が土地の取引を、区域に応じて事後届出・事前届出・許可の3つの手続で規制していることです。以下では、宅建試験の受験生向けに、国土利用計画法の届出と許可を表で整理します。宅建試験の中心になるのは事後届出です。事後届出は、区域の指定のない場所で、一定の面積以上の土地について土地売買等の契約を締結したとき、権利取得者が、契約を締結した日から起算して2週間以内に届け出るものです(国土利用計画法23条1項)。

もう1つ区別がつきにくいのが、面積の数え方です。事後届出の面積の要件に当たるかは、売主ではなく、権利取得者(買う側)が取得する一団の土地の面積を、区域ごとに決まった面積と比べて判断します。

そこで、このページでは、表1で事後届出・事前届出・許可の違いを見渡し、そのうえで事後届出を、届出が要る取引(表2)、面積の判断(表3)、届出事項とそのほかの手続(表4)の順に整理します。まずは表1から見ていきましょう。

本記事は、2026年9月時点で施行されている国土利用計画法・国土利用計画法施行令にもとづいています。令和9年度(2027年度)試験の法令基準日は2027年4月1日です。

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宅建 法令上の制限の比較表

論点別の出題数と、法令上の制限の5つの論点の比較表を、表と数値だけで並べた資料です。

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事後届出・事前届出・許可の違い

3つの手続は、地価が上がるおそれが強い区域ほど、手続が契約の前に求められ、手続そのものも重くなると考えると整理しやすくなります。区域の指定のない場所では契約の後に届出、注視区域・監視区域では契約の前に届出、規制区域では契約の前に許可です。ただし、この並びは覚えるための目安で、正誤は表1の条文の列で確かめます。


「出題」は、昭和63年〜令和7年の本試験の過去問で、年度と問番号を確かめたものだけを載せています。「直近10年」は平成28年〜令和7年の本試験で、その行の論点が選択肢に出た回数です。「問われ方」は、過去問で誤りの選択肢として出た形です。正しい選択肢としてだけ出たものは「(正しい選択肢として出題)」としています。「注意」は、過去問では確かめていませんが、誤解しやすい点です。


表1 事後届出・事前届出・許可の違い
項目 事後届出(区域の指定がないとき) 事前届出(注視区域・監視区域) 許可(規制区域) 条文
対象になる区域出題:平成28年 問15・平成18年 問17 ほか1件直近10年:1回問われ方:注視区域・監視区域の土地でも、要件を満たせば事後届出も要る、とする/監視区域の土地の売買で、売主と買主が事後届出をする、とする 規制区域・注視区域・監視区域のどれにも指定されていない区域(この3つの区域の土地には、事後届出は要らない) 注視区域・監視区域 規制区域 国土利用計画法23条2項2号
国土利用計画法27条の4第1項
国土利用計画法27条の7第1項
国土利用計画法14条1項
手続と時期出題:平成13年 問16直近10年の出題なし問われ方:監視区域の届出を、契約を締結した後2週間以内、とする 契約を締結した後に届け出る 契約を締結しようとするときに、あらかじめ届け出る 契約を締結しようとするときに、許可を受ける 国土利用計画法23条1項
国土利用計画法27条の4第1項
国土利用計画法14条1項
手続をする者出題:令和5年 問22・平成27年 問21 ほか3件直近10年:1回問われ方:事後届出は当事者の双方(売主と買主)がする、とする/買主の代理人が自分の名義で届け出る、とする/届出をしなかったとき、売主も処罰される、とする 権利取得者(権利の移転・設定を受ける者。買主など)だけ 当事者(売主と買主の双方) 当事者(売主と買主の双方) 国土利用計画法23条1項
国土利用計画法27条の4第1項
国土利用計画法14条1項
期限・期間出題:令和7年 問22・令和6年 問22 ほか6件直近10年:5回問われ方:起算日を登記を完了した日とする/期間を3週間・1か月とする/先の契約の届出を、後の契約の届出と併せてできる、とする宅建の数値のページで見る 契約を締結した日から起算して2週間以内 届出をした日から起算して6週間を経過する日までの間は、契約を締結してはならない(勧告又は勧告をしない旨の通知を受けたときは、この限りでない) 許可を受けなければ、契約を締結できない 国土利用計画法23条1項
国土利用計画法27条の4第3項
国土利用計画法14条1項
面積の要件出題:令和7年 問22・令和6年 問22 ほか18件直近10年:8回問われ方:区域ごとの面積を取り違えて、市街化区域の1,500㎡でも要る・市街化調整区域の6,000㎡でも要らない、などとする/交換で、双方が面積の要件を満たすのに要らない、とする/注視区域の届出の面積を、都道府県の規則で定める面積とする宅建の数値のページで見る 市街化区域2,000㎡以上/市街化区域を除く都市計画区域5,000㎡以上/それ以外の区域10,000㎡以上 注視区域は事後届出と同じ面積以上。監視区域は、事後届出の面積に満たない範囲で都道府県の規則で定める面積以上 面積の要件はない 国土利用計画法23条2項1号
国土利用計画法27条の4第2項1号
国土利用計画法27条の7第1項
国土利用計画法14条1項
届出・申請の提出先出題:平成30年 問15・平成19年 問17直近10年:1回問われ方:市町村長を経由しないで、直接に都道府県知事に届け出る、とする注意:指定都市の区域内では、都道府県知事の権限は指定都市の長が行う(国土利用計画法44条) 市町村の長を経由して、都道府県知事に 市町村の長を経由して、都道府県知事に 市町村の長を経由して、都道府県知事に 国土利用計画法23条1項
国土利用計画法27条の4第1項
国土利用計画法15条1項
審査されること出題:令和2年12月 問22・平成18年 問17 ほか2件直近10年:1回問われ方:事後届出で、対価の額が著しく適正を欠くときは、対価の額の変更を勧告できる、とする/利用目的と対価の額の両方を勧告できる、とする 土地の利用目的(対価の額は届け出るが、勧告の対象ではない) 予定対価の額・利用目的など(契約の締結の中止の勧告もできる。監視区域では、投機的な取引かどうかも審査される) 予定対価の額・利用目的など(許可の基準) 国土利用計画法24条1項
国土利用計画法27条の5第1項
国土利用計画法27条の8第1項
国土利用計画法16条1項
勧告の期限出題:平成12年 問16直近10年の出題なし問われ方:(正しい選択肢として出題)宅建の数値のページで見る 届出があった日から起算して3週間以内(合理的な理由があるときは、3週間の範囲内で延長できる) 届出があった日から起算して6週間以内 — 国土利用計画法24条2項
国土利用計画法24条3項
国土利用計画法27条の5第2項
国土利用計画法27条の8第2項
勧告に従わないとき出題:令和4年 問22・令和3年12月 問22 ほか6件直近10年:3回問われ方:勧告に従わないと罰金に処せられる、とする/公表「しなければならない」とする/都道府県知事が契約を無効にできる・取り消せる、とする その旨と勧告の内容を公表することができる(罰則はない。契約を無効にしたり取り消したりする定めもない) その旨と勧告の内容を公表することができる — 国土利用計画法26条
国土利用計画法27条の5第4項
国土利用計画法27条の8第2項
届出・許可をしないで契約したとき(契約の効力)出題:平成8年 問18・平成3年 問17直近10年の出題なし問われ方:規制区域で許可を受けない契約も効力を有する、とする/届出をしないで締結した契約は無効になる、とする 契約は無効にならない(無効とする定めはない) 契約は無効にならない(無効とする定めはない) 契約は効力を生じない 国土利用計画法14条3項
罰則出題:令和6年 問22・令和3年10月 問22 ほか6件直近10年:3回問われ方:届出をしなくても、勧告を受けるだけで罰則はない、とする注意:令和7年6月1日から、刑名が「懲役」から「拘禁刑」に変わった(刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(令和4年法律第68号)による) 届出をしなかった者は、6月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 届出をしないで契約を締結した者は、6月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金。届出の後6週間の間に契約を締結した者は、50万円以下の罰金 許可を受けないで契約を締結した者は、3年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金 国土利用計画法47条1号
国土利用計画法47条2号
国土利用計画法48条
国土利用計画法46条
当事者の一方又は双方が国等であるとき出題:令和5年 問22・令和4年 問22 ほか12件直近10年:6回問われ方:国・都道府県・市から買った者も届け出る、とする/国等が当事者でも届出は要り、勧告されないだけ、とする/地方住宅供給公社から取得するときも届出が要る、とする注意:「国等」は、国・地方公共団体(市町村を含む)と、地方住宅供給公社・土地開発公社などの政令で定める法人 届出は要らない(国等が売主でも買主でも同じ) 届出は要らない 国等の機関と都道府県知事の協議が成立すれば、許可があったものとみなす 国土利用計画法23条2項3号
国土利用計画法27条の4第2項2号
国土利用計画法18条
国土利用計画法施行令14条

「土地売買等の契約」は、対価を得て行う土地の所有権・地上権・賃借権の移転・設定の契約(予約を含む)です。

まず、区域と手続です。規制区域の土地について土地売買等の契約を締結するときは、届出ではなく、都道府県知事の許可が要ります(国土利用計画法14条1項)。規制区域は、事前届出の対象ではありません。注視区域・監視区域では、契約を締結しようとするときに、あらかじめ届け出ます(同法27条の4第1項・27条の7第1項)。そして、この3つの区域の土地には、事後届出は要りません(同法23条2項2号)。

次に、手続をする者です。事後届出をするのは、権利取得者(権利の移転・設定を受ける者。買主など)だけです(国土利用計画法23条1項)。これに対して、事前届出と許可は、当事者(売主と買主の双方)がします(同法27条の4第1項・14条1項)。

続いて、時期です。事後届出は、契約を締結した日から起算して2週間以内です(国土利用計画法23条1項)。事前届出では、届出をした日から起算して6週間を経過する日までの間は、契約を締結してはなりません。ただし、その間に勧告又は勧告をしない旨の通知を受けたときは、この限りではありません(同法27条の4第3項)。どちらの届出も、市町村の長を経由して、都道府県知事に提出します(同法23条1項・27条の4第1項)。

そして、審査されることです。事後届出で審査されるのは土地の利用目的で、対価の額は届け出ますが、勧告の対象ではありません(国土利用計画法24条1項)。事前届出では、予定対価の額・利用目的などが審査され、監視区域では、投機的な取引かどうかも審査されます(同法27条の5第1項・27条の8第1項)。

最後に、手続をしなかったときです。規制区域で許可を受けないで締結した契約は、効力を生じません(国土利用計画法14条3項)。これに対して、届出をしないで締結した契約は、無効にはなりません(無効とする定めがないため)。ただし、届出をしなかった者(事前届出では、届出をしないで契約を締結した者)には罰則があります(表1の「罰則」の行)。なお、古い解説には、罰則を「6月以下の懲役」と書いたものもありますが、令和7年6月1日から、刑名は「拘禁刑」に変わっています(令和4年法律第68号)。

あわせて、当事者の一方又は双方が国等であるときは、事後届出も事前届出も要りません(国土利用計画法23条2項3号・27条の4第2項2号)。国等が売主でも買主でも同じです。ここでいう「国等」には、国と地方公共団体(市町村を含む)のほか、地方住宅供給公社・土地開発公社などの政令で定める法人が含まれます(表1の「当事者の一方又は双方が国等であるとき」の行の注意)。


事後届出(国土利用計画法23条)

ここからは、宅建試験の中心になる事後届出です。事後届出が要るのは、規制区域・注視区域・監視区域のどれにも指定されていない区域で、一定の面積以上の土地について、土地売買等の契約を締結したときです。このとき、権利取得者は、契約を締結した日から起算して2週間以内に、土地の利用目的などを、市町村の長を経由して都道府県知事に届け出ます(国土利用計画法23条1項)。ただし、当事者の一方又は双方が国等であるとき、民事調停法による調停にもとづくとき、そのほか政令で定めるときは、除かれます(同条2項3号)。

事後届出が要る取引・要らない取引

表2で見分けるポイントは、「土地売買等の契約」に当たるかどうかです。土地売買等の契約は、対価を得て行う、土地の所有権・地上権・賃借権(とその取得を目的とする権利)の移転・設定の契約で、予約を含みます(国土利用計画法14条1項・23条1項、国土利用計画法施行令5条)。これに当たらない取得は、面積にかかわらず、事後届出は要りません。


表2 事後届出が要るか(取引の形別)
項目 事後届出 理由 条文
売買(予約を含む)出題:令和2年10月 問22・平成21年 問15直近10年:1回問われ方:(正しい選択肢として出題) 要る 土地売買等の契約には予約を含む 国土利用計画法14条1項
国土利用計画法23条1項
交換(金銭の授受がなくても)出題:令和6年 問22・令和2年10月 問22 ほか5件直近10年:2回問われ方:金銭の授受がない交換には届出が要らない、とする 要る(当事者の双方が、それぞれの土地の権利取得者になる) 対価を得て行う権利の移転に当たる 国土利用計画法14条1項
国土利用計画法23条1項
対価のある地上権・賃借権の設定(権利金などの一時金の授受がある)出題:令和3年12月 問22・令和2年12月 問22 ほか2件直近10年:2回問われ方:(正しい選択肢として出題) 要る 地上権・賃借権は、使用・収益を目的とする権利に当たる 国土利用計画法14条1項
国土利用計画法施行令5条
停止条件付きの売買出題:平成24年 問15・平成12年 問16 ほか1件直近10年の出題なし問われ方:条件が成就した日から2週間以内、とする/締結のときと条件の成就のあとの2回届け出る、とする 要る(契約を締結した日から起算して2週間以内。条件が成就した日からではない) — 国土利用計画法23条1項
所有権移転請求権(予約上の権利)の譲渡と、予約完結権の行使出題:平成8年 問18・平成7年 問17 ほか1件直近10年の出題なし問われ方:所有権移転請求権を売却するときは届出が要らない、とする 譲渡は要る。予約完結権を行使して所有権を移転するときは、改めての届出は要らない 土地に関する権利には、所有権などの取得を目的とする権利を含む。予約はそれ自体が土地売買等の契約に当たる 国土利用計画法14条1項
国土利用計画法23条1項
相続・遺産の分割・時効取得出題:令和5年 問22・令和元年 問22 ほか4件直近10年:2回問われ方:相続・時効取得で取得した者も届け出る、とする/相続した土地と合わせて一団になるので届出が要る、とする 要らない 対価を得て行う権利の移転・設定の契約に当たらない 国土利用計画法14条1項
国土利用計画法23条1項
贈与出題:令和2年10月 問22・平成29年 問22 ほか1件直近10年:2回問われ方:贈与で取得した者も2週間以内に届け出る、とする 要らない 対価がない 国土利用計画法14条1項
国土利用計画法23条1項
対価のない地上権・賃借権の設定出題:令和7年 問22・平成27年 問21 ほか2件直近10年:1回問われ方:対価のない賃借権の設定を受けた土地も合計して届出が要る、とする 要らない 対価がない 国土利用計画法14条1項
国土利用計画法23条1項
抵当権の設定出題:平成9年 問16・平成2年 問18直近10年の出題なし問われ方:抵当権の設定にも届出が要る、とする 要らない 抵当権は、使用・収益を目的とする権利ではない 国土利用計画法14条1項
国土利用計画法施行令5条
民事調停法による調停直近10年の出題なし 要らない 条文が除いている 国土利用計画法23条2項3号
担保権の実行としての競売など出題:令和7年 問22直近10年:1回問われ方:担保権の実行としての競売で取得した者も届け出る、とする 要らない 政令が除いている 国土利用計画法23条2項3号
国土利用計画法施行令17条1号
国土利用計画法施行令6条10号
農地法の許可を受ける取引出題:平成27年 問21・平成7年 問17 ほか1件直近10年の出題なし問われ方:農地法3条の許可を受けた農地の購入にも届出が要る、とする/農地法5条の許可を受ける取引には届出が要らない、とする 3条の許可を受けることを要する取引は要らない。5条の許可を受ける取引は要る 政令が除いているのは3条の許可だけ 国土利用計画法23条2項3号
国土利用計画法施行令17条1号
国土利用計画法施行令6条7号

届出が要るのは、表1・表3の面積以上の土地について土地売買等の契約を締結したときです。

まず、届出が要る取引です。売買は、予約を含めて届出の対象です。交換は、金銭の授受がなくても、対価を得て行う権利の移転に当たるので、それぞれが取得する土地が面積の要件を満たせば、当事者の双方が、それぞれの土地の権利取得者として届け出ます。地上権・賃借権の設定も、権利金などの一時金の授受があれば、届出の対象です(国土利用計画法14条1項、国土利用計画法施行令5条)。停止条件付きの売買は、条件が成就した日からではなく、契約を締結した日から起算して2週間以内に届け出ます(同法23条1項)。そして、所有権移転請求権(予約上の権利)の譲渡も届出の対象ですが、予約完結権を行使して所有権を移転するときは、改めての届出は要りません(同法14条1項・23条1項)。

次に、土地売買等の契約に当たらないので、届出が要らない取得です。相続・遺産の分割・時効取得は、契約による取得ではないので、届出は要りません。贈与と、対価のない地上権・賃借権の設定も、対価がないので、届出は要りません(国土利用計画法14条1項・23条1項)。そして、抵当権は、使用・収益を目的とする権利ではないので、抵当権の設定にも届出は要りません(同法14条1項、国土利用計画法施行令5条)。

最後に、土地売買等の契約に当たっても、条文や政令が除いている取引です。民事調停法による調停(国土利用計画法23条2項3号)と、担保権の実行としての競売など(国土利用計画法施行令17条1号・6条10号)は、届出が要りません。また、農地法3条の許可が要る取引は届出が要りませんが、農地法5条の許可を受ける取引には届出が要ります。政令が除いているのは3条の許可だけだからです(同令17条1号・6条7号)。

事後届出の面積と一団の土地

事後届出が要る面積は、市街化区域では2,000㎡以上、市街化区域を除く都市計画区域では5,000㎡以上、それ以外の区域では10,000㎡以上です(国土利用計画法23条2項1号)。表3は、この面積をどの区域・どの土地で判断するかを整理したものです。面積を判断するときの軸は、面積は、買う側(権利取得者)が取得する一団の土地で数えるということです。


表3 事後届出の面積の判断(区域と一団の土地)
項目 内容 条文
市街化区域を除く都市計画区域出題:令和6年 問22・令和4年 問22 ほか2件直近10年:2回問われ方:市街化調整区域・非線引き区域の4,000㎡でも届出が要る、とする宅建の数値のページで見る 市街化調整区域と、区域区分が定められていない都市計画区域(非線引き区域)は、どちらも5,000㎡以上 国土利用計画法23条2項1号
準都市計画区域出題:令和3年10月 問22・平成16年 問16直近10年:1回問われ方:準都市計画区域の7,000㎡の売買に届出が要る、とする宅建の数値のページで見る 都市計画区域外と同じく、10,000㎡以上(準都市計画区域は、都市計画区域ではない) 国土利用計画法23条2項1号
権利取得者が一連の計画で取得する一団の土地出題:令和4年 問22・令和3年12月 問22 ほか6件直近10年:4回問われ方:一定の計画で分けて順次購入すれば届出が要らない、とする 個々の契約の面積が基準に満たなくても、合計の面積で判断する(権利の種類が違っても合計する) 国土利用計画法23条2項1号
売主が分割して複数の者に売るとき出題:令和7年 問22・令和元年 問22 ほか4件直近10年:2回問われ方:売主が持っていた面積で判断して、各買主が事後届出をする、とする/監視区域で売主が分けて売れば、事前届出が要らない、とする 事後届出では、権利取得者ごとの面積で判断する(売主が持っていた土地の面積では判断しない)。事前届出(注視区域・監視区域)は、当事者の一方又は双方の一団の土地で判断するので、売主の側の一団でも届出が要る 国土利用計画法23条2項1号
国土利用計画法27条の4第2項1号
合計に入れない取得出題:令和7年 問22・平成27年 問21 ほか3件直近10年:1回問われ方:贈与・対価のない賃借権・相続で取得した部分も合計して届出が要る、とする 贈与・対価のない地上権・賃借権の設定など、土地売買等の契約に当たらない取得の面積は、合計に入れない 国土利用計画法14条1項
国土利用計画法23条2項1号

まず、区域です。市街化調整区域と、区域区分が定められていない都市計画区域(非線引き区域)は、どちらも「市街化区域を除く都市計画区域」に当たります。一方、準都市計画区域は都市計画区域ではないので、都市計画区域外と同じ面積で判断します(国土利用計画法23条2項1号)。

次に、一団の土地です。権利取得者が一連の計画で取得する一団の土地は、個々の契約の面積が基準に満たなくても、合計の面積で判断します。権利の種類が違っても同じです。これに対して、売主が分割して複数の者に売るときは、売主が持っていた土地の面積ではなく、権利取得者ごとの面積で判断します(国土利用計画法23条2項1号)。ただし、事前届出(注視区域・監視区域)は、当事者の一方又は双方の一団の土地で判断するので、売主の側の一団でも届出が要ります(同法27条の4第2項1号)。事後届出は買う側の一団だけで数えますが、事前届出は売主の側の一団でも数える点に注意しましょう。

なお、贈与や対価のない地上権・賃借権の設定のように、土地売買等の契約に当たらない取得の面積は、一団の土地の合計に入れません(表3の「合計に入れない取得」の行)。

届出のあとの勧告・助言と罰則

事後届出のあとの手続は、勧告の対象は利用目的に限られ、勧告に従わないときも、公表されることがあるにとどまると押さえておきましょう。都道府県知事は、利用目的について必要な変更をすべきことを勧告でき、勧告を受けた者が従わないときは、その旨と勧告の内容を公表することができます(国土利用計画法24条1項・26条)。勧告に従わないことについての罰則はなく、契約を無効にしたり取り消したりする定めもありません。勧告の期限は、表1の「勧告の期限」の行で確かめましょう。一方、勧告とは別に、事後届出をしなかった者には罰則があります(表1の「罰則」の行)。


表4 事後届出の届出事項と、そのほかの手続
項目 内容 条文
届出事項出題:令和4年 問22・平成26年 問22 ほか2件直近10年:1回問われ方:対価の額(売買価額)は届け出なくてよい、とする 当事者の氏名・住所、契約の年月日、土地の所在・面積、権利の種別・内容、利用目的、対価の額(対価が金銭以外のものであるときは、時価を基準として金銭に見積もった額)など 国土利用計画法23条1項
国土利用計画法23条1項6号
助言出題:令和3年10月 問22・平成21年 問15 ほか1件直近10年:1回問われ方:助言に従わないと公表される(公表しなければならない)、とする/助言は利用目的「又は対価の額」についてできる、とする 都道府県知事は、事後届出をした者に、土地の利用目的について必要な助言をすることができる(助言に従わなかったときに公表する定めはない) 国土利用計画法27条の2
勧告のあとの措置出題:平成23年 問15直近10年の出題なし問われ方:あっせんその他の措置を「講じなければならない」とする 勧告を受けた者に、勧告にもとづいて講じた措置を報告させることができる。利用目的が変更されたときは、権利の処分についてのあっせんなどの措置を講ずるよう努めなければならない 国土利用計画法25条
国土利用計画法27条
土地に関する権利の買取りの請求出題:平成22年 問15・平成元年 問17直近10年の出題なし問われ方:事後届出で勧告を受けた者も買取りを請求できる、とする/監視区域の届出で中止の勧告を受けた者も請求できる、とする 規制区域で許可の申請をして不許可の処分を受けたときに、都道府県知事に請求できる(事後届出で勧告を受けても、請求はできない) 国土利用計画法19条1項
区域の指定出題:平成23年 問15・平成13年 問16直近10年の出題なし問われ方:注視区域を市町村長が指定する、とする/監視区域の指定も、審査会の確認を受けられないとさかのぼって効力を失う、とする 規制区域・注視区域・監視区域は、都道府県知事が期間を定めて指定する。規制区域の指定は、土地利用審査会の確認を受けられなかったときは、指定の時にさかのぼって効力を失う(注視区域・監視区域には、この確認の手続はない) 国土利用計画法12条1項
国土利用計画法12条9項
国土利用計画法27条の3第1項
国土利用計画法27条の6第1項
国土利用計画法27条の6第3項
遊休土地に係る計画の届出出題:令和3年12月 問22直近10年:1回問われ方:遊休土地の計画の届出を、通知から1か月以内とする 遊休土地である旨の通知を受けた者は、通知があった日から起算して6週間以内に、利用又は処分に関する計画を届け出る 国土利用計画法28条1項
国土利用計画法29条1項

まず、届出事項です。事後届出では、当事者の氏名・住所、契約の年月日、土地の所在・面積、利用目的などのほか、対価の額も届け出ます(国土利用計画法23条1項。対価の額は同項6号)。対価の額は、勧告の対象ではありませんが、届出事項には含まれる点を区別しておきましょう。

次に、助言と、勧告のあとの措置です。都道府県知事は、事後届出をした者に、土地の利用目的について必要な助言をすることができますが、助言に従わなかったときに公表する定めはありません(国土利用計画法27条の2)。また、勧告を受けた者に、勧告にもとづいて講じた措置を報告させることができ、勧告にもとづいて利用目的が変更されたときは、権利の処分についてのあっせんなどの措置を講ずるよう努めなければなりません(同法25条・27条)。

そして、そのほかの手続です。土地に関する権利の買取りの請求ができるのは、規制区域で許可の申請をして不許可の処分を受けたときで、事後届出で勧告を受けても、請求はできません(国土利用計画法19条1項)。また、規制区域・注視区域・監視区域は、都道府県知事が期間を定めて指定します(同法12条1項・27条の3第1項・27条の6第1項)。遊休土地である旨の通知を受けたときの計画の届出は、表4の最後の行で確かめましょう。

国土利用計画法の選択肢は、まず表1で、どの区域の、どの手続についての文かを確かめましょう。そのうえで、事後届出の文なら、「土地売買等の契約に当たるか」(表2)と「面積は買う側の一団で数えているか」(表1の「面積の要件」の行と表3)の2点を見ると、正誤を判断しやすくなります。


よくある質問

国土利用計画法の事後届出が不要になるのは、どんな場合ですか?

このページの表1・表2・表3の中では、次の場合に事後届出は要りません。1つ目は、相続・遺産の分割・時効取得・贈与・対価のない地上権や賃借権の設定・抵当権の設定のように、土地売買等の契約に当たらない取得です(国土利用計画法14条1項・23条1項)。2つ目は、権利取得者が一連の計画で取得する一団の土地の面積が、区域ごとの面積に満たないときです(同法23条2項1号)。3つ目は、当事者の一方又は双方が国等であるとき、民事調停法による調停、担保権の実行としての競売、農地法3条の許可が要る取引など、条文や政令が除いているものです(同条2項3号、国土利用計画法施行令17条1号・6条7号・10号)。4つ目は、規制区域・注視区域・監視区域の土地で、これらの区域では許可か事前届出が要ります(国土利用計画法23条2項2号)。

事後届出は、誰が、いつまでにしますか?

権利取得者(権利の移転・設定を受ける者。買主など)が、契約を締結した日から起算して2週間以内に、市町村の長を経由して都道府県知事に届け出ます(国土利用計画法23条1項)。売主は届け出ません。交換では、それぞれが取得する土地が面積の要件を満たせば、当事者の双方が、それぞれの土地の権利取得者として届け出ます。停止条件付きの売買も、条件が成就した日からではなく、契約を締結した日から起算します。

規制区域・注視区域・監視区域では、事後届出の代わりに何が要りますか?

規制区域では、契約を締結しようとするときに、当事者が都道府県知事の許可を受けます(国土利用計画法14条1項)。注視区域・監視区域では、契約を締結しようとするときに、当事者があらかじめ届け出ます(事前届出。同法27条の4第1項・27条の7第1項)。これらの区域の土地には、事後届出は要りません(同法23条2項2号)。規制区域は届出ではなく許可で、許可を受けないで締結した契約は効力を生じません(同法14条3項)。

事後届出の勧告に従わないと、どうなりますか?

都道府県知事は、その旨と勧告の内容を公表することができます(国土利用計画法26条)。勧告に従わないことについての罰則はなく、契約を無効にしたり取り消したりする定めもありません。一方、事後届出をしなかった者には、6月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の罰則があります(同法47条1号)。


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