宅建の登録免許税の覚え方|住宅用家屋の軽減措置を3つの面で整理

宅建試験で登録免許税を学ぶとき、覚えにくいのが、住宅用家屋の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率の軽減措置(以下「住宅用家屋の軽減措置」)の要件です。表1には要件の行が10行あり、床面積、取得の原因、登記を受ける時期、証明書など、性質の違う要件が並んでいます。

そこで、このページでは、表1の行を「家屋の面」「取得と登記の面」「人の面」の3つの面に分けて読む方法をご紹介します。10行を1行ずつ覚えるのではなく、3つの面ごとに整理しておくと、選択肢がどの要件を問うているのかを見分けやすくなります。

そのうえで、表2で、住宅用家屋の軽減措置とは別の、土地の売買による所有権の移転登記に係る登録免許税の税率の軽減措置(以下「土地の売買の軽減措置」)を、表3で、登録免許税の課税標準・納税義務者・納付を整理し、表4で令和9年度に向けて確定しているものと、まだ決まっていないものを分けています。まずは、表1を読むための3つの面から見ていきましょう。

本記事は、2026年9月時点の登録免許税法・租税特別措置法(同法施行令・施行規則を含む)にもとづき、令和8年度(2026年10月)の本試験の制度に合わせて書いています。

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宅建 税・その他の比較表

税目・分野別の出題数と、税・その他の5つの論点の比較表を、表と数値だけで並べた資料です。

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登録免許税の覚え方:軽減措置の要件を三つの面で整理する

この見出しで押さえておきたいポイントは、住宅用家屋の軽減措置の要件を、「家屋の面」「取得と登記の面」「人の面」の3つに分けてまとめて覚える、という1点です。なお、この3つの面は、条文の区分ではなく、表1の行を読むための整理です。要件そのものは、表1の各行の条文で確かめます。

まず、家屋の面です。ここには、どのような家屋が対象になるかについての行が入ります。表1の行でいうと、床面積、共有で取得した場合の床面積、家屋の用途、敷地の土地、家屋の構造の5行です。この面で確かめるのは、家屋の広さとその測り方、家屋を何のために使うのか、軽減される登記は家屋のものか土地のものか、そして家屋の構造、という点です。なお、住宅用家屋の軽減措置が個人についての措置であることは、この面の「家屋の用途」の行にあります。

次に、取得と登記の面です。ここには、家屋をどのように取得し、いつ、どのような書類をつけて登記を受けるかについての行が入ります。表1の行でいうと、取得の原因、登記を受ける時期、証明書の3行です。この面で確かめるのは、どのような原因で家屋を取得したか、取得からどのくらいの期間のうちに登記を受けるか、登記の申請書に誰の証明書を添付するか、という点です。つまり、取得してから登記の申請までの流れに沿って確かめる面です。

そして、人の面です。ここには、受ける人の所得と、過去にこの措置の適用を受けたかどうかについての行が入ります。表1の行でいうと、所得の金額と、適用の回数の2行です。この2行は、どちらも制限が無いという点で共通しています。住宅用家屋の軽減措置には、所得の金額による要件はなく(租税特別措置法73条)、適用の回数にも制限はありません(同条)。したがって、人の面は「所得の金額と適用の回数による制限が無い2行」として覚えておくと、選択肢に所得の金額や適用の回数の制限が書かれていたときに気づきやすくなります。

このように、3つの面に分けると、表1の10行は、家屋の面の5行、取得と登記の面の3行、人の面の2行になります。それぞれの行の数値や範囲は表1に譲り、本文での重複記載は避けています。

そして、この3つの面は、選択肢を読むときにも使えます。住宅用家屋の軽減措置についての選択肢を読んだら、まず、その文が家屋の面・取得と登記の面・人の面のどれを問うているかを確かめます。そのうえで、その面の行だけを表1で探すと、10行すべてを思い出そうとするよりも、確かめる行を絞り込めます。たとえば、選択肢に家屋を取得した理由が書かれていれば取得と登記の面、受ける人の所得が書かれていれば人の面の行を確かめる、という読み方です。ただし、3つの面は、表1の住宅用家屋の軽減措置の要件を読むための整理です。表2の土地の売買の軽減措置や、表3の登録免許税の仕組みの行には当てはめず、それぞれの表の行で確かめます。次の見出しでは、この3つの面の順に、表1の行を読んでいきます。


住宅用家屋の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率の軽減措置の要件

ここからは、表1です。前の見出しの3つの面の順に、表1の行を読んでいきましょう。表の欄の読み方は、表の前の説明のとおりです。


「出題」は、昭和63年〜令和7年の本試験の過去問で、年度と問番号を確かめたものだけを載せています。「直近10年」は平成28年〜令和7年の本試験で、その行の論点が選択肢に出た回数です。「問われ方」は、過去問で誤りの選択肢として出た形です。正しい選択肢としてだけ出たものは「(正しい選択肢として出題)」としています。「注意」は、過去問では確かめていませんが、誤解しやすい点です。


表1 住宅用家屋の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率の軽減措置の要件
項目 内容 条文
床面積出題:令和3年12月 問23・平成21年 問23直近10年:1回問われ方:「100平方メートル以上」とする/不動産取得税・固定資産税の「40平方メートル以上240平方メートル以下」と混同させる宅建の数値のページで見る 50平方メートル以上(上限はない) 租税特別措置法施行令41条1号・2号
租税特別措置法施行令42条1項
共有で取得した場合の床面積出題:平成30年 問23直近10年:1回問われ方:「床面積に共有持分の割合を乗じたものが50平方メートル以上でなければならない」とする 家屋全体の床面積で判定する(共有持分の割合を乗じた床面積ではない) 租税特別措置法施行令41条1号
登記を受ける時期出題:令和2年12月 問23・平成21年 問23 ほか1件直近10年:1回問われ方:「取得後6か月以内」とする宅建の数値のページで見る 取得後1年以内(1年以内に登記できないやむを得ない事情がある場合は、政令で定める期間内) 租税特別措置法73条
取得の原因出題:令和3年12月 問23・令和2年12月 問23 ほか3件直近10年:3回問われ方:「贈与」「相続」「交換」で取得した家屋にも適用がある、とする宅建の数値のページで見る 売買又は競落による取得に限る(贈与・交換・相続による取得は対象外) 租税特別措置法73条
租税特別措置法施行令42条3項
家屋の用途出題:平成26年 問23・平成15年 問27 ほか1件直近10年の出題なし問われ方:「個人が自己の経営する会社の従業員の社宅として取得した家屋にも適用がある」とする宅建の数値のページで見る 個人が自己の居住の用に供する家屋に限る(法人の社宅や、個人が経営する会社の従業員の社宅は対象外) 租税特別措置法73条
租税特別措置法施行令41条1号
敷地の土地出題:令和3年12月 問23・平成26年 問23直近10年:1回問われ方:「一定の要件を満たせば敷地の土地の所有権の移転登記にも適用される」とする 家屋の所有権の移転登記だけが対象。敷地の土地の所有権の移転登記には及ばない(土地は表2の別の措置) 租税特別措置法73条
適用の回数出題:令和2年12月 問23・平成26年 問23 ほか2件直近10年:1回問われ方:「過去にこの措置の適用を受けたことがある者は、再度受けられない」とする 制限はない(過去に適用を受けた者も、要件を満たせば再び受けられる) 租税特別措置法73条
所得の金額出題:平成10年 問26・平成元年 問30直近10年の出題なし問われ方:「合計所得金額が3,000万円を超える者には適用されない」とする(所得の要件がある特例と混同させる)宅建の数値のページで見る 所得の金額による要件はない 租税特別措置法73条
家屋の構造出題:平成10年 問26直近10年の出題なし問われ方:「鉄筋コンクリート造の家屋にのみ適用があり、木造には適用されない」とする 一棟の家屋は、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造などの構造を問わない(区分所有する家屋には、耐火建築物などの構造の要件がある) 租税特別措置法施行令41条1号・2号
証明書出題:令和3年12月 問23・平成30年 問23直近10年:2回問われ方:「税務署長」「都道府県知事」の証明書とする宅建の数値のページで見る 家屋の所在地の市町村長(特別区の区長)の証明書を、登記の申請書に添付する 租税特別措置法施行令41条
租税特別措置法施行令42条1項
租税特別措置法施行規則25条の2第1項1号・2号

要件をすべて満たす場合に、本則の税率に代えて軽減された税率が適用されます

まず、家屋の面の5行です。読む順は、床面積、共有で取得した場合の床面積、家屋の用途、敷地の土地、家屋の構造とすると、家屋の広さから使い方、登記の範囲、構造へと続けて確かめられます。このうち家屋の用途の行では、対象が個人の自己の居住の用に供する家屋に限られること(租税特別措置法73条・同法施行令41条1号)を、敷地の土地の行では、対象が家屋の所有権の移転登記だけであること(租税特別措置法73条)を確かめておきましょう。

次に、取得と登記の面の3行です。この面では、取得の原因の行から読むとよいでしょう。取得の原因は、表1の中で、直近10年の出題が最も多い行だからです。対象になるのは、売買又は競落による取得に限られます(租税特別措置法73条・同法施行令42条3項)。続いて、登記を受ける時期の行で、登記は原則として取得後1年以内に受けること(租税特別措置法73条)を、証明書の行で、登記の申請書に添付する証明書を確かめます。

そして、人の面の2行です。この2行は、前述のとおり、どちらも所得の金額と適用の回数による制限が無いことを示す行です。表1の「所得の金額」「適用の回数」の行で、条文と、選択肢での出方を確かめておきましょう。

なお、表1のうち、床面積、共有で取得した場合の床面積、登記を受ける時期、取得の原因、敷地の土地、適用の回数、証明書の7行は、直近10年にも出題があります。


土地の売買による所有権の移転登記に係る登録免許税の税率の軽減措置

続いて、表2です。まず押さえておきたいのは、土地の売買の軽減措置は、住宅用家屋の軽減措置とは別の措置だという点です。そして、この見出しで意識しておきたい視点は、2つの措置を「受ける者」の違いで区別するという1点です。


表2 土地の売買による所有権の移転登記に係る登録免許税の税率の軽減措置
項目 内容 条文
個人・法人出題:令和7年 問23直近10年:1回問われ方:「法人が受ける登記には適用されない」とする(住宅用家屋の軽減措置が個人に限られることと混同させる) 個人・法人を問わない 租税特別措置法72条1項
地目出題:令和7年 問23直近10年:1回問われ方:(正しい選択肢として出題)注意:宅地に限られる、と誤解しやすい 地目による限定はない(雑種地も対象) 租税特別措置法72条1項1号
価額・面積出題:令和7年 問23直近10年:1回問われ方:「価額が1,000万円未満のもの」「面積が1,000平方メートル未満のもの」に限るとする 価額・面積による限定はない 租税特別措置法72条1項1号

住宅用家屋の軽減措置(表1)とは別の措置です

住宅用家屋の軽減措置は、表1の「家屋の用途」の行のとおり、個人が自己の居住の用に供する家屋についての措置です(租税特別措置法73条)。これに対して、土地の売買の軽減措置は、個人・法人を問わずに適用されます(租税特別措置法72条1項)。したがって、受ける者について確かめるときは、表1の「家屋の用途」の行と、表2の「個人・法人」の行を並べて見ると、2つの措置の違いがはっきりします。

土地の地目や価額・面積についての行も、表2で確かめておきましょう。なお、表2の3行は、いずれも令和7年の本試験で出題されています。


登録免許税の課税標準・納税義務者・納付

ここからは、表3です。表3は、軽減措置ではなく、登録免許税そのものの仕組みの行です。この見出しの要点は、課税標準を確かめたあと、「誰が・どこで・いつ・どうやって納めるか」の順に読むという1点です。納税の流れに沿って読むと、納税義務者・納税地・納期限・納付の方法の4行を、一続きのものとして整理できます。


表3 登録免許税の課税標準・納税義務者・納付
項目 内容 条文
課税標準出題:令和2年12月 問23・平成21年 問23 ほか1件直近10年:1回問われ方:「売買契約書に記載された実際の取引価格」とする宅建の数値のページで見る 登記の時の不動産の価額。当分の間、固定資産課税台帳に登録された価格を基礎として政令で定める価額によることができる(売買契約書に記載された実際の取引価格ではない) 登録免許税法10条1項
登録免許税法附則7条
納税義務者出題:平成14年 問27・平成8年 問29 ほか1件直近10年の出題なし問われ方:「取得者(買主)のみ」「譲渡した者(売主)にある」とする宅建の数値のページで見る 登記等を受ける者。2人以上あるときは連帯して納付する(売買による所有権の移転登記では、買主・売主の双方) 登録免許税法3条
納税地出題:平成8年 問29・昭和63年 問30直近10年の出題なし問われ方:「納税義務者の住所地」「売主・買主のいずれかの住所を選択できる」とする 登記等の事務をつかさどる登記所などの所在地(納税義務者の住所地ではない) 登録免許税法8条1項
納期限出題:平成14年 問27・昭和63年 問30直近10年の出題なし問われ方:(正しい選択肢として出題)注意:登記を受けた後に納付する、と誤解しやすい宅建の数値のページで見る 登記等を受ける時 登録免許税法27条1号
納付の方法出題:平成3年 問28直近10年の出題なし問われ方:(正しい選択肢として出題)注意:3万円以下なら印紙で納付しなければならない、と誤解しやすい宅建の数値のページで見る 現金納付が原則。税額が3万円以下である場合などは、印紙で納付することもできる(3万円以下でも現金で納付できる) 登録免許税法21条
登録免許税法22条
最低税額出題:昭和63年 問30直近10年の出題なし宅建の数値のページで見る 1,000円(税率を適用して計算した金額が1,000円に満たないとき) 登録免許税法19条
建物の表題登記(表示の登記)出題:平成3年 問28直近10年の出題なし問われ方:(正しい選択肢として出題)注意:所有権の保存登記と同じく課税される、と誤解しやすい 課されない(登録免許税は別表第一に掲げる登記に課され、表題登記は掲げられていない) 登録免許税法2条
登録免許税法別表第一第1号

まず、課税標準です。登録免許税の課税標準は、登記の時の不動産の価額です(登録免許税法10条1項)。価額の求め方には当分の間の定めもあるので(同法附則7条)、表3の「課税標準」の行で確かめましょう。なお、課税標準の行は、直近10年にも出題があります。

次に、誰が納めるかです。納税義務者は、登記等を受ける者で、2人以上あるときは連帯して納付する義務を負います(登録免許税法3条)。

そして、どこで納めるかです。納税地は、登記等の事務をつかさどる登記所などの所在地です(登録免許税法8条1項)。

さらに、いつ納めるかです。納期限は、登記等を受ける時です(登録免許税法27条1号)。

続いて、どうやって納めるかです。登録免許税は、現金で納付するのが原則で(登録免許税法21条)、税額が一定の金額以下である場合などは、印紙で納付することもできます(同法22条)。金額は、表3の「納付の方法」の行で確かめましょう。

最後に、残りの2行です。税率を適用して計算した金額が一定の金額に満たないときの最低税額が定められています(登録免許税法19条)。また、建物の表題登記には、登録免許税は課されません(同法2条・別表第一第1号)。

このように、登録免許税の軽減措置は、表1の要件を「家屋の面」「取得と登記の面」「人の面」の3つに分けて覚え、表2の土地の売買の軽減措置とは「受ける者」の違いで区別すると整理しやすくなります。そして、表3は、課税標準を確かめたあと、「誰が・どこで・いつ・どうやって納めるか」の順に読みましょう。選択肢で迷ったときは、まず、その選択肢がどの表の話か、表1の話であればどの面の話かを確かめてから、表の行に戻ってみましょう。


令和9年度に向けて確定しているもの/まだ決まっていないもの

最後に、表4です。このページの表1〜表3は、令和8年度(2026年10月)の本試験の制度にもとづいて作成しています。これに対して、令和9年度の税制改正は、2026年12月ごろまで決まりません。


表4 令和9年度に向けて確定しているもの/まだ決まっていないもの
項目 確定している(令和8年度の本試験の制度) まだ決まっていない 条文
表1〜表3の制度 令和8年度(2026年10月)の本試験の制度 令和9年度の税制改正で動くかどうか —

令和9年度の税制改正は、2026年12月ごろまで決まりません。決まったら、この表の内容を見直します

したがって、表1〜表3の内容が令和9年度の税制改正で変わるかどうかは、現時点では確定していません。改正の内容が決まったら、このページの表と本文を見直します。


よくある質問

宅建の登録免許税は、どう覚えればよいですか?

このページでは、住宅用家屋の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率の軽減措置の要件を、「家屋の面」「取得と登記の面」「人の面」の3つに分けて読む方法をご紹介しています。3つの面は、条文の区分ではなく、要件の表の行を読むための整理で、要件そのものは各行の条文で確かめます。

相続や贈与で取得した家屋にも、住宅用家屋の軽減措置は適用されますか?

適用されません。住宅用家屋の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率の軽減措置の対象は、売買又は競落による取得に限られ、贈与・交換・相続による取得は対象外です(租税特別措置法73条・同法施行令42条3項)。

住宅用家屋の軽減措置に、所得の金額や適用の回数の制限はありますか?

どちらもありません。住宅用家屋の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率の軽減措置には、所得の金額による要件がなく、過去に適用を受けた者も、要件を満たせば再び受けられます(租税特別措置法73条)。ただし、個人が自己の居住の用に供する家屋に限られる(同条・同法施行令41条1号)など、家屋や取得と登記についての要件はあります。

登録免許税は、誰が、いつ納めますか?

納税義務者は登記等を受ける者で、2人以上あるときは連帯して納付する義務を負います(登録免許税法3条)。納期限は、登記等を受ける時です(同法27条1号)。


関連するページ

このページの表にある期間や金額などの数値を、科目や論点をまたいで並べて確かめたいときは、宅建の数値のページで引くことができます。表の行の「宅建の数値のページで見る」からも、関係する数値の行に移れます。

税・その他の分野のほかの論点と、税目・分野別の出題数は、宅建の税・その他の覚え方のページで一覧にしています。