宅建試験で覚えにくい数値の語呂合わせを、この下にまとめています。全部で13個です。
語呂の数を増やすことよりも、語呂にしたほうが速いものと、理屈で押さえたほうが速いものを分けることを優先しました。その結果が13個です。建築基準法の単体規定や税の免税点のように、値そのものに理由を見つけにくい数値に絞っています。それぞれ、なぜその数値なのかと、根拠の条文を号まで添えました。
本記事は2026年9月時点で施行されている法令にもとづいています。令和9年度(2027年度)試験の法令基準日は2027年4月1日です。税は令和9年度向けの改正が2026年12月ごろに確定するため、確定後に見直します。
語呂13個の一覧
覚えたい論点から直接移動できます。
- 採光に有効な部分の面積(住宅の居住のための居室)……光(ひかり)はラッキーセブン
- 居室の天井の高さ……居室に(2)一番(1)長くいる
- 敷地内の通路の幅員……出口から道路まで『いっこ(1.5m)』で避難
- 屋上広場・2階以上の階のバルコニー等の手すり壁等……いい(1.1)手すり
- 避雷設備……雷が落ちて、ニオ(20)イが焦げる(超える)
- 非常用の昇降機……最高(31m)に高い建物には非常用の昇降機が必要
- 2以上の直通階段(物品販売業を営む店舗)……イチゴ(1,500)を売るような大きい店には階段が2つ必要
- 資格を有する者の設計(擁壁の高さ)……5(ご)っつい擁壁
- 資格を有する者の設計(排水施設が設置される土地の面積)……1,500(いご)こちいい土地
- 高層住居誘導地区を定められる用途地域……順々(準住・準工)に近く(近商)へ、一・二番に住もう
- 不動産取得税の免税点……土地の色(16)を決めて、家屋をろくろ(66)で建築、その他の家屋を買ってサッシ(34)をはめた
- 不動産取得税の課税標準の特例(新築住宅)……自由(1200)に塩(40)ふる、西尾(240)さん!
- 固定資産税の免税点……土地も家屋もサオ(30万)で守り、償却資産の消去はイヤ(180万)
語呂は索引、理屈は骨、表は辞書
語呂でカバーできるのは、項目の名前と数値までです。その数値が住宅に限られるのか、原則なのか例外なのか、「超える」なのか「以上」なのかといった要件までは入りません。
そのため、使い方は3つの段階に分かれます。語呂で値を思い出し、なぜその値なのかを確かめ、最後に一覧で引くという順です。語呂だけで肢の正誤を切ろうとすると、かえって迷いが増えます。数値の一覧は宅建の数字まとめにあります。
建築基準法・単体規定の語呂(7つ)
単体規定は、建築物が備えるべき最低の基準です。建蔽率や容積率と違って都市計画区域の内外を問わず全国で適用されるため、区域を手がかりにできません。数値も、割合・面積・高さがまとまって出てくるところです。
採光は7分の1 ── 光(ひかり)はラッキーセブン
光(ひかり)はラッキーセブン
住宅の居住のための居室には、床面積に対して7分の1以上の採光に有効な部分が必要です。居室の環境についての規定は、採光と換気を床面積に対する割合で定めていて、採光のほうが換気より大きい割合になっています。照明設備の設置その他の措置を講じた場合は10分の1まで小さくできます(建築基準法28条1項、同法施行令19条3項)。
居室の天井は2.1m ── 居室に(2)一番(1)長くいる
居室に(2)一番(1)長くいる
居室の天井の高さは2.1メートル以上です(建築基準法施行令21条1項)。居室は人が長時間過ごす部屋なので、天井の高さにも最低の基準が置かれています。同じ単体規定でも、こちらは割合ではなく高さそのものを定めている点が違います。
敷地内の通路は1.5m ── 出口から道路まで『いっこ(1.5m)』で避難
出口から道路まで『いっこ(1.5m)』で避難
避難階に設けた屋外への出口から、道又は公園その他の空地に通ずる敷地内の通路には、1.5メートル以上の幅員が必要です(建築基準法施行令128条)。建築物の中の避難経路だけでなく、建物を出てから道路にたどり着くまでも確保する規定です。一定の小規模な建築物では90センチメートル以上に緩和されます。
令和3年10月の問17では、この幅員を「2メートル以上」とする誤りの肢が出ています。数値を大きいほうへずらす形です。
手すりは1.1m ── いい(1.1)手すり
いい(1.1)手すり
屋上広場や2階以上の階にあるバルコニー等の周囲には、高さ1.1メートル以上の手すり壁、さく又は金網を設けます(建築基準法施行令126条1項)。転落を防ぐための規定なので、人が立ったときに越えにくい高さが基準になっています。
避雷設備は20m超 ── 雷が落ちて、ニオ(20)イが焦げる(超える)
雷が落ちて、ニオ(20)イが焦げる(超える)
避雷設備が必要になるのは、高さ20メートルを超える建築物です(建築基準法33条)。避雷設備と非常用の昇降機は、どちらも一定の高さを超える建築物に必要となる規定で、非常用の昇降機のほうが高さは大きく定められています。
「20メートル以上」とする肢は誤りです。条文は「こえる」で、20メートルちょうどの建築物は含まれません。語呂の「焦げる」が「超える」にあたります。
非常用の昇降機は31m超 ── 最高(31m)に高い建物には非常用の昇降機が必要
最高(31m)に高い建物には非常用の昇降機が必要
非常用の昇降機が必要になるのは、高さ31メートルを超える建築物です(建築基準法34条2項)。1項は昇降機全般の構造についての規定で、31メートルを超えるという要件は2項に置かれています。
令和2年10月の問17肢4は「高さ30mの建築物には、非常用の昇降機を設けなければならない」という誤りの肢でした。平成28年の問18肢2にも同じ形が出ています。30と31は、2度とも同じ形で狙われています。
2以上の直通階段は1,500㎡超 ── イチゴ(1,500)を売るような大きい店には階段が2つ必要
イチゴ(1,500)を売るような大きい店には階段が2つ必要
物品販売業を営む店舗で、その階の床面積の合計が1,500㎡を超えるときは、2以上の直通階段が必要です(建築基準法施行令121条1項2号)。避難のための規定が必要かどうかは、建築物全体ではなく、その階について決まります。物品販売業を営む店舗については、避難階以外の階で、その階に売場を有することが要件です。
盛土規制法の語呂(2つ)
この2つは、どちらも「政令で定める資格を有する者の設計が必要になる規模」です。結論が同じなので、セットで覚える意味があります(盛土規制法13条2項)。
擁壁の高さは5m超 ── 5(ご)っつい擁壁
5(ご)っつい擁壁
高さが5メートルを超える擁壁の設置は、政令で定める資格を有する者の設計によることが必要です(盛土規制法13条2項、同法施行令21条1号)。
排水施設は1,500㎡超 ── 1,500(いご)こちいい土地
1,500(いご)こちいい土地
盛土又は切土をする土地の面積が1,500㎡を超える土地に設置する排水施設も、同じく資格を有する者の設計によります(盛土規制法13条2項、同法施行令21条2号)。号が違うだけで、結論は擁壁と同じです。
盛土規制法には、許可・資格者の設計・中間検査という3つの規模の基準があり、同じ数値が繰り返し出てきます。許可を要する規模がいちばん小さく、資格者の設計と中間検査はそれより大きく定められています。語呂で覚えるのは資格者の設計の2つだけにして、残りは一覧の並びで押さえるほうが速くなります。
都市計画法の語呂(1つ)
高層住居誘導地区 ── 順々(準住・準工)に近く(近商)へ、一・二番に住もう
順々(準住・準工)に近く(近商)へ、一・二番に住もう
高層住居誘導地区を定めることができるのは、第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域・近隣商業地域・準工業地域の5つです(都市計画法9条17項)。利便性の高い高層住宅の建設を誘導するための地区なので、住居専用地域や工業専用地域は含まれません。あわせて、その用途地域に関する都市計画で容積率が10分の40又は10分の50と定められていることも必要です。
なお、用途地域13種類の建築制限については、このページに語呂を用意していません。理由は後の節に書きました。
税の語呂(3つ)
税の数値は改正で変わります。ここに書いているのは令和9年度(2027年度)試験を想定した値です。2つは令和8年度改正で変わったばかりなので、過去問の数値をそのまま覚え直さないようご注意ください。
不動産取得税の免税点 ── 土地の色(16)を決めて、家屋をろくろ(66)で建築、その他の家屋を買ってサッシ(34)をはめた
土地の色(16)を決めて、家屋をろくろ(66)で建築、その他の家屋を買ってサッシ(34)をはめた
不動産取得税の免税点は、土地の取得が16万円、家屋の取得のうち建築に係るものが1戸につき66万円、その他の家屋の取得が1戸につき34万円です(地方税法73条の15の2第1項)。免税点は、課税の対象となる額が小さいものをはじめから課税しないしくみで、判定は税額ではなく課税標準によって行います。「税額が16万円に満たない場合」とする肢は誤りです。
この3つは令和8年度改正で変わりました。改正前は10万円・23万円・12万円で、過去問はその数値で出題されています。語呂も改正後のものに差し替えていますので、古い語呂と混ぜないようご注意ください。
不動産取得税の課税標準の特例 ── 自由(1200)に塩(40)ふる、西尾(240)さん!
自由(1200)に塩(40)ふる、西尾(240)さん!
一定の新築住宅を取得した場合、価格から1戸につき1,200万円が控除されます(認定長期優良住宅は1,300万円)。控除を受けるための床面積は40平方メートル以上240平方メートル以下です(地方税法73条の14第1項、同法施行令37条の16)。控除されるのは税額ではなく課税標準で、床面積の要件には下限と上限の両方があります。
平成24年の問24では「床面積250平方メートル」とする誤りの肢が、平成28年の問24では「床面積240平方メートルの新築住宅について1,200万円が控除される」とする正しい肢が出ています。上限ちょうどか、上限を超えているかが分かれ目です。
床面積の下限は令和8年度改正で50平方メートルから40平方メートルに緩和され、貸家の共同住宅等だけを区別する扱いはなくなりました。過去問の解説にある50平方メートルは、改正前の要件です。
固定資産税の免税点 ── 土地も家屋もサオ(30万)で守り、償却資産の消去はイヤ(180万)
土地も家屋もサオ(30万)で守り、償却資産の消去はイヤ(180万)
固定資産税の免税点は、土地が30万円、家屋が30万円、償却資産が180万円です(地方税法351条)。同一の市町村の区域内で同一の者が所有する固定資産を合わせて判定します。
家屋と償却資産は令和8年度改正で変わり、令和9年度分以後の固定資産税について適用されます。改正前は家屋20万円・償却資産150万円で、令和7年などの過去問はその数値で出題されています。償却資産を150万円とする古い語呂は使わないでください。
語呂を作らなかったところと、その理由
語呂を13個に絞っているのは、語呂にしないほうが速い場所があるからです。作らなかったところを、理由とあわせて書いておきます。
用途地域ごとの建築制限(13種類)
用途制限の語呂は世の中に多く出回っていますが、語呂そのものの意味が分からないという声が少なくありません。語呂を覚えるために別の暗記が必要になるなら、覚えることが増えただけになります。用途制限は、住居系から商業系・工業系へ進むほど制限が緩くなり、工業専用地域でまた厳しくなるという順番の理屈で押さえるほうが速く、しかも肢の言い回しが変わっても使えます。
権利関係
権利関係は、数値そのものより誰と誰の関係で、なぜその結論になるかが問われます。語呂だけで結論を出そうとすると、事例が少し変わったときに判断できなくなります。
35条書面・37条書面の記載事項
こちらは別のページに語呂があります。35条・37条書面の語呂合わせをご覧ください。同じ語呂を2か所に置くと、表記が少しずつずれて別の語呂に見えてしまうため、このページには書いていません。
期間や届出の数値の大半
期間の数値は、対になるものを並べたほうが速く覚えられます。同じ30日でも、事後の届出と事前の届出では向きが逆になるように、差のほうが記憶に残るためです。期間・金額の一覧を軸で絞り込むと、似たものが近くに並びます。
語呂にしないほうが速いものを見分けること自体が、覚え方の1つです。
よくある質問
建築基準法の覚え方は?
まず、その数値が「着工前に手続きが要るかどうかを決めるもの」か「建物の中身を決めるもの」かを分けます。建築確認と単体規定には同じ200㎡が出てきますが、前者は建物全体の規模、後者は居室の床面積で、比べる対象が違います。そのうえで、値そのものに理由が見つけにくい単体規定の数値だけ語呂合わせを使うと、覚える量が減ります。
宅建の語呂合わせはどこまで使えますか?
数値を思い出すところまでです。住宅に限られるのか、原則か例外か、「超える」なのか「以上」なのかは語呂に入りません。語呂で値を思い出したら、なぜその値なのかを確かめ、最後に一覧で引く、という順でお使いください。
語呂合わせの意味がわからないときはどうすればいいですか?
しっくりこない語呂は、無理に覚えないほうが早く進みます。語呂を覚えるために別の暗記が必要になると、かえって覚えることが増えてしまうためです。なぜその数値なのかという理由のほうを1行で押さえるか、対になる数値と並べて差で覚える形に切り替えてみてください。
用途地域の語呂合わせはありますか?
このページには用意していません。用途制限は13種類あり、語呂にすると覚える量がかえって増えるためです。住居系から商業系・工業系へ進むほど制限が緩くなり、工業専用地域でまた厳しくなる、という順番で押さえるほうが速く、肢の言い回しが変わっても使えます。
35条書面・37条書面の語呂合わせはありますか?
別のページにあります。35条・37条書面の語呂合わせで、記載事項の覚え方をまとめています。このページは数値の語呂に絞っているため、記載事項の語呂は扱っていません。
語呂合わせだけで合格できますか?
語呂合わせだけでは対応しきれない部分があります。語呂が答えてくれるのは数値までで、要件や例外は別に覚える必要があるためです。語呂は索引として使い、理屈と一覧を合わせて使うと、覚えた数値がそのまま得点につながります。
まとめ
このページの語呂は次の13個です。
- 光(ひかり)はラッキーセブン
- 居室に(2)一番(1)長くいる
- 出口から道路まで『いっこ(1.5m)』で避難
- いい(1.1)手すり
- 雷が落ちて、ニオ(20)イが焦げる(超える)
- 最高(31m)に高い建物には非常用の昇降機が必要
- イチゴ(1,500)を売るような大きい店には階段が2つ必要
- 5(ご)っつい擁壁
- 1,500(いご)こちいい土地
- 順々(準住・準工)に近く(近商)へ、一・二番に住もう
- 土地の色(16)を決めて、家屋をろくろ(66)で建築、その他の家屋を買ってサッシ(34)をはめた
- 自由(1200)に塩(40)ふる、西尾(240)さん!
- 土地も家屋もサオ(30万)で守り、償却資産の消去はイヤ(180万)
数値を引きたいときは宅建の数字まとめ、暗記の全体像から見直したいときは宅建の暗記まとめ、記載事項の覚え方は35条・37条書面の語呂合わせへ進んでみてください。