このページは、住宅宿泊管理業の登録を受けようとする方に向けて、登録の要件と手続きをまとめています。民泊の管理を任せる会社を探している方に向けた内容ではありません。
ご自身の民泊を自分で管理したいオーナーの方は、2つの場合があります。①管理業務を住宅宿泊管理業者に委託しなければならない場合(居室の数が5を超えるとき、人を宿泊させる間に不在となるとき)に当たらなければ、委託の義務はありません。ただし、不在に当たるかどうかには省令で定める例外があり、判断は届出先の自治体に確認が必要です。②委託の義務がある場合でも、オーナー自身が住宅宿泊管理業の登録を受けて自ら管理するときは、委託しなくてよいとされています。②の方は、このページの登録の要件をご覧ください。
住宅宿泊管理業(住宅宿泊事業者から委託を受けて、報酬を得て民泊の管理業務を行う事業)を営むには、国土交通大臣の登録を受けなければなりません(住宅宿泊事業法22条1項)。登録は、5年ごとに更新を受けなければ、効力を失います(住宅宿泊事業法22条2項)。
登録の要件の中心は、財産的基礎と、住宅宿泊管理業を的確に遂行するための体制です(住宅宿泊事業法25条1項10号・11号)。体制は、登録実務講習の修了や、家屋の取引・管理に関する契約の締結の実務に通算2年以上従事したことなどの要件(国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則9条1号)と、住宅宿泊管理業務を適切に実施するための体制(同9条2号)の、両方を満たす必要があります。
宅建業の免許を受けている法人や、宅建士の登録を受けている個人は、住宅宿泊事業法施行要領で、1つ目の体制(9条1号)の要件に当たるものとされています。ただし、2つ目の体制・財産的基礎・欠格事由は別に審査されるので、それだけで登録を受けられるわけではありません。
住宅宿泊事業法の省令は2つあります。住宅宿泊管理業の登録と業務のルールは「国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則」に、民泊の管理業務の委託は「住宅宿泊事業法施行規則」(国土交通省・厚生労働省の共管の省令)に定められています。このページでは、委託が必要な場合、登録と更新、登録の要件、登録実務講習と実務経験、宅建業者・宅建士・賃貸住宅管理業者との関係、申請先と費用、変更・廃業の届出、業務のルールと罰則を整理します。
このページの目次
住宅宿泊管理業とは・管理業務の委託が必要な場合
住宅宿泊管理業務は、住宅宿泊事業法5条〜10条の業務(宿泊者の衛生と安全の確保、外国人宿泊者の快適性の確保、宿泊者名簿、周辺地域への悪影響の防止に関する説明、苦情等への対応)と、届出住宅の維持保全に関する業務です(住宅宿泊事業法2条5項)。住宅宿泊管理業は、住宅宿泊事業者から11条1項の委託を受けて、報酬を得て住宅宿泊管理業務を行う事業で、その登録を受けて営む者が住宅宿泊管理業者です(住宅宿泊事業法2条6項・7項)。
民泊(住宅宿泊事業)を営む側は、住宅ごとに、都道府県知事(保健所設置市等では、その長になる場合があります)に届出をします(住宅宿泊事業法3条1項・2項)。住宅宿泊管理業の登録とは、別の手続きです。
住宅宿泊事業者は、次のどちらかに当たるときは、届出住宅の住宅宿泊管理業務を、一つの住宅宿泊管理業者に委託しなければなりません(住宅宿泊事業法11条1項1号・2号)。
- 届出住宅の居室の数が、5を超えるとき(住宅宿泊事業法施行規則9条2項)
- 届出住宅に人を宿泊させる間、住宅宿泊事業者が不在となるとき
不在には、省令で定める例外があります。日常生活を営む上で通常行われる行為に要する時間の範囲内の不在は、委託が必要な不在に当たりません(住宅宿泊事業法施行規則9条3項)。また、自己の生活の本拠として使用する住宅と届出住宅が、同じ建築物内・敷地内にあるか、隣接していて、自ら管理する居室の数の合計が5以下のときも、委託が必要な場合から除かれています(同9条4項。騒音などによる生活環境の悪化を認識できないことが明らかな場合を除きます)。自分の民泊がこれに当たるかどうかは、届出先の自治体に確認が必要です。
委託するときは、届出住宅の住宅宿泊管理業務の全部を、契約で委託します(住宅宿泊事業法施行規則9条1項1号)。また、住宅宿泊事業者が自ら住宅宿泊管理業者であって、自らその届出住宅の住宅宿泊管理業務を行うときは、委託しなくてよいとされています(住宅宿泊事業法11条1項ただし書)。委託が必要な場合に当たるオーナーが自分で管理するには、この登録を受けることになります。
なお、住宅宿泊事業の用に供されている住宅は、賃貸住宅管理業法の「賃貸住宅」から除かれています(賃貸住宅管理業法2条1項・賃貸住宅管理業法施行規則1条)。賃貸住宅の定義は、賃貸住宅管理業法(2つの仕組みと用語)で解説しています。
登録と更新(有効期間5年)
住宅宿泊管理業を営もうとする者は、国土交通大臣の登録を受けなければなりません(住宅宿泊事業法22条1項)。申請は国土交通大臣あてですが、登録申請書の受理や登録などの権限は、主たる営業所・事務所の所在地を管轄する地方整備局長・北海道開発局長に委任されています(国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則24条1項)。
登録の有効期間は5年で、更新を受けなければ、期間の経過によって効力を失います(住宅宿泊事業法22条2項)。更新の申請は、有効期間の満了の日の90日前から30日前までの間に行います(国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則3条)。更新の申請をした場合に、満了の日までに処分がないときは、処分がされるまで従前の登録が効力を持ち、更新されたときの有効期間は従前の満了の日の翌日から数えます(住宅宿泊事業法22条3項・4項)。これは処分が遅れた場合の定めで、30日前を過ぎてから申請してよいという意味ではありません。
更新の手数料は、下の「申請先・書類・審査期間・費用」の表2にまとめています。
登録の要件(登録を拒否される場合)
国土交通大臣は、登録を受けようとする者が住宅宿泊事業法25条1項各号のどれかに当たるときや、申請書・添付書類の重要な事項に虚偽の記載があるとき、重要な事実の記載が欠けているときは、登録を拒否しなければなりません(住宅宿泊事業法25条1項)。拒否される場合を、表1にまとめました。
| 号 | 登録を拒否される者 | 条文 |
|---|---|---|
| 1号 心身の故障 | 心身の故障により住宅宿泊管理業を的確に遂行することができない者として国土交通省令で定めるもの | 住宅宿泊事業法25条1項1号 |
| 2号 破産 | 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者 | 住宅宿泊事業法25条1項2号 |
| 3号 登録の取消し | 第四十二条第一項又は第四項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者(当該登録を取り消された者が法人である場合にあっては、当該取消しの日前三十日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から五年を経過しないものを含む。) | 住宅宿泊事業法25条1項3号 |
| 4号 刑罰 | 拘禁刑以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者 | 住宅宿泊事業法25条1項4号 |
| 5号 暴力団員等 | 暴力団員等 | 住宅宿泊事業法25条1項5号 |
| 6号 不正・不誠実な行為のおそれ | 住宅宿泊管理業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者として国土交通省令で定めるもの | 住宅宿泊事業法25条1項6号 |
| 7号 未成年者の法定代理人 | 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号のいずれかに該当するもの | 住宅宿泊事業法25条1項7号 |
| 8号 役員 | 法人であって、その役員のうちに第一号から第六号までのいずれかに該当する者があるもの | 住宅宿泊事業法25条1項8号 |
| 9号 暴力団員等の支配 | 暴力団員等がその事業活動を支配する者 | 住宅宿泊事業法25条1項9号 |
| 10号 財産的基礎 | 住宅宿泊管理業を遂行するために必要と認められる国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎を有しない者 | 住宅宿泊事業法25条1項10号 |
| 11号 体制 | 住宅宿泊管理業を的確に遂行するための必要な体制が整備されていない者として国土交通省令で定めるもの | 住宅宿泊事業法25条1項11号 |
財産的基礎(10号)は国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則8条、体制(11号)は同規則9条で定められています。体制は9条1号と2号の両方を満たす必要があります。
10号の財産的基礎の基準は、負債の合計額が資産の合計額を超えないことと、支払不能に陥っていないことです(国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則8条1号・2号)。
11号の体制は、国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則9条が定めています。次のどちらかに当たる者は、登録を拒否されます。
- 9条1号:次のイ〜ハのどれにも当たらない者。イ=登録実務講習を修了した者、ロ=人の居住の用に供する家屋(その部分を含みます)の取引または管理に関する契約の締結の実務に、通算2年以上従事した者、ハ=国土交通大臣がイ・ロと同等以上の能力を持つと認めた者
- 9条2号:住宅宿泊管理業務を適切に実施するための必要な体制が整備されていると認められない者
住宅宿泊事業法施行要領では、体制とは、管理受託契約の締結に関する業務の執行が法令に適合することを確保する体制(1号)と、住宅宿泊管理業務を適切に実施する体制(2号)の両方を備えることをいう、としています。2号の体制としては、ICTなどを使って遠隔で業務を行うなら具体的な方法を、再委託するなら再委託先の情報を、登録の申請で明らかにする必要があり、これらの場合には、委託を受けている間は常に宿泊者と連絡を取れる人員体制(苦情への対応で現地に向かっている間も、別の苦情に応答できる交代制など)を備える必要があるとしています。
国土交通省の案内では、1号の体制を証する書類として、法人は住宅の取引または管理に関する2年以上の事業経歴書、宅建業の免許証の写し、マンション管理業・賃貸住宅管理業の登録の通知書の写し、要件を満たす従業者の資格証の写しなどのいずれかを、個人は登録実務講習の修了証、2年以上の実務経験の職務経歴書、宅地建物取引士証、管理業務主任者証、賃貸住宅管理業法施行規則の登録証明事業の証明書の写しのいずれかを出すとしています。2号の体制を証する書類としては、苦情等への対応の人員体制図、遠隔で業務を行う予定なら使う機器の詳細、再委託で人員を確保する予定なら再委託先に求める人員体制の要件を書いた書面を挙げています。
講習の修了や資格があっても、2号の体制・財産的基礎・欠格事由は別に審査されます。1号の書類がそろうことと、登録を受けられることは、別の話です。
住宅宿泊管理業者になるには(登録実務講習と実務経験)
住宅宿泊事業法と省令は、特定の国家資格を持つことを、登録の要件として定めてはいないと読めます。登録の要件は、上の「登録の要件」の財産的基礎と体制を満たし、欠格事由に当たらないことです。体制の1号は、次のイ〜ハのどれかに当たることで満たします。
イの登録実務講習は、国土交通大臣の登録を受けた講習です。講義と修了試験で行い、毎年1回以上実施され、総時間はおおむね27時間(一部を通信の方法で行う場合を除きます)です。内容は、住宅宿泊事業法の趣旨と住宅宿泊管理業者の役割・義務、管理受託契約と締結前・締結時の書面(住宅宿泊事業法33条1項・34条1項)の作成で、修了者には修了証が交付されます(国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則9条の6第1号〜3号・11号)。住宅宿泊事業法施行要領では、総時間のうち3分の1以上を住宅宿泊事業法の趣旨と住宅宿泊管理業者の役割・義務に、2分の1以上を管理受託契約と書面の作成に充てるとしています。
ロの実務経験は、人の居住の用に供する家屋の取引または管理に関する契約の締結の実務に、通算2年以上従事したことです(国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則9条1号ロ)。
ハについて、住宅宿泊事業法施行要領は、令和5年国土交通省告示第833号に定めがあるとしています。個人は、宅建士の登録・管理業務主任者の登録・賃貸住宅管理業法施行規則の登録証明事業による証明のいずれかを受けていること、法人は、これらの要件を満たす者を管理受託契約の締結の業務の従業者として有すること、または宅建業の免許・マンション管理業の登録・賃貸住宅管理業の登録のいずれかを受けていることです。宅建士の場合、施行要領が挙げているのは宅建士証ではなく、宅建士の「登録」です。
登録実務講習の日程・受講料・申込先は、講習を行う機関ごとに異なるので、受講する機関の案内で確認できます。
宅建業者・宅建士・賃貸住宅管理業者との関係
宅建業の免許や賃貸住宅管理業の登録と、住宅宿泊管理業の登録は、別の制度です。住宅宿泊事業法22条1項は、住宅宿泊管理業を営もうとする者に国土交通大臣の登録を求めていて、宅建業者を除く定めを置いていません。宅建業の免許を受けていても、住宅宿泊管理業を営むには登録が要ると読めます。免許の制度は、宅建業免許とはのページで解説しています。
そのうえで、住宅宿泊事業法施行要領では、宅建業の免許を受けている法人や、宅建士の登録を受けている個人は、体制の1号ハの「同等以上の能力」を持つ者に当たるとしています(上の「住宅宿泊管理業者になるには」)。賃貸住宅管理業の登録を受けている法人や、賃貸住宅管理業法施行規則の登録証明事業による証明を受けている個人も同じです。また、宅建業者・マンション管理業者・賃貸住宅管理業者が登録を申請するときは、定款・登記事項証明書・納税を証する書面・身分証明書・略歴・決算書類などの添付を省略できる扱いとしています(国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則6条4項)。体制を証する書類と誓約書は、省略の対象に入っていません。
それでも、2号の体制・財産的基礎・欠格事由は別に審査されます。宅建業の免許や宅建士の登録があることだけで、住宅宿泊管理業の登録を受けられるとは言えません。申請の前に、2号の体制(遠隔で業務を行う場合や再委託する場合の、常に宿泊者と連絡を取れる人員体制など)を整えられるかを確かめておきましょう。
賃貸住宅の管理もあわせて営む場合、賃貸住宅管理業法の登録は、住宅宿泊管理業の登録とは別に要件があります。賃貸住宅管理業の制度は賃貸住宅管理業法、登録の要件は賃貸住宅管理業の登録(登録の要件)のページで解説しています。
申請先・書類・審査期間・費用
登録の申請は国土交通大臣あてに行いますが、実際の提出先は、主たる営業所・事務所の所在地を管轄する地方整備局等です(国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則24条1項)。国土交通省の案内では、登録の申請は、民泊制度運営システムを利用して行うことを原則としています。
登録申請書(国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則の第一号様式)には、商号・名称または氏名と住所、法人の役員の氏名、未成年者の法定代理人、営業所・事務所の名称と所在地を記載します(住宅宿泊事業法23条1項1号〜4号)。添付書類は国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則6条1項に定めがあり、法人は定款、登記事項証明書、法人税の納付を証する書面、役員の身分証明書と略歴、最近の事業年度の貸借対照表と損益計算書、体制を証する書類、誓約書など、個人は所得税の納付を証する書面、身分証明書、略歴、財産に関する調書(第五号様式)、誓約書、体制を証する書類などです。財産的基礎と体制は、これらの書類で確かめられます。
国土交通省の案内では、標準処理期間は、原則として地方整備局長等に申請が到達した日の翌日から処分の日までの90日です。形式上の補正に要する期間と、資料の提供などを求めてから応じるまでの期間は、含まれません。
費用は、新規の登録が登録免許税9万円(登録免許税法別表第一)、更新が手数料19,700円(電子申請は19,100円)です(住宅宿泊事業法施行令2条1項)。更新の手数料は、書面の申請では、登録申請書に収入印紙を貼って納めます(国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則4条)。期限と費用を、表2にまとめました。
| 手続き | いつまでに | どこへ | 法定の費用 | 条文 |
|---|---|---|---|---|
| 住宅宿泊管理業の登録 | 住宅宿泊管理業を営む前(登録を受けずに営むと罰則) | 国土交通大臣(提出先は主たる営業所・事務所の所在地を管轄する地方整備局等) | 登録免許税9万円 | 住宅宿泊事業法22条1項〜2項 国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則24条1項1号〜6号 登録免許税法別表第一 住宅宿泊事業法72条1号 |
| 住宅宿泊管理業の登録の更新 | 有効期間(5年)満了の日の90日前から30日前まで | 国土交通大臣(提出先は主たる営業所・事務所の所在地を管轄する地方整備局等) | 19,700円(電子申請19,100円。書面の申請は収入印紙) | 国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則3条 住宅宿泊事業法施行令2条1項 国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則4条 |
| 住宅宿泊管理業の変更の届出 | 変更の日から30日以内 | 国土交通大臣(提出先は主たる営業所・事務所の所在地を管轄する地方整備局等) | — | 住宅宿泊事業法26条1項 |
| 住宅宿泊管理業の廃業等の届出 | 事由が生じた日(死亡は相続人がその事実を知った日)から30日以内 | 国土交通大臣(提出先は主たる営業所・事務所の所在地を管轄する地方整備局等) | — | 住宅宿泊事業法28条1項1号〜5号 |
登録申請書の受理・登録や、変更・廃業等の届出の受理などの国土交通大臣の権限は、主たる営業所・事務所の所在地を管轄する地方整備局長・北海道開発局長に委任されています(国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則24条1項)。
変更・廃業の届出
住宅宿泊管理業者は、登録申請書の記載事項(商号・役員・営業所など)に変更があったときは、その日から30日以内に、国土交通大臣に届け出なければなりません(住宅宿泊事業法26条1項)。届出は第七号様式の登録事項変更届出書で行い、役員が変わったときは、身分証明書・略歴・誓約書を添付します(国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則10条1項・2項)。
次の場合は、その日(死亡の場合は、相続人がその事実を知った日)から30日以内に、決まった人が第八号様式の廃業等届出書で国土交通大臣に届け出ます(住宅宿泊事業法28条1項1号〜5号・国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則11条)。
- 個人の住宅宿泊管理業者が死亡したとき:相続人
- 法人が合併により消滅したとき:その法人を代表する役員であった者
- 法人が破産手続開始の決定により解散したとき:破産管財人
- 法人が合併・破産手続開始の決定以外の理由により解散したとき:清算人
- 住宅宿泊管理業を廃止したとき:住宅宿泊管理業者であった個人、または法人を代表する役員
これらのどれかに当たることとなったときは、登録は効力を失います(住宅宿泊事業法28条2項)。届出があったときに効力を失う場合を破産・解散・廃止に限っている宅建業法11条2項とは、作りが違います。また、28条1項3号は法人が破産した場合の定めで、個人の住宅宿泊管理業者が破産手続開始の決定を受けたときは、登録の拒否事由(住宅宿泊事業法25条1項2号)に当たり、登録の取消しの対象になります(同42条1項1号)。
変更の届出をしない・虚偽の届出をしたときは30万円以下の罰金、廃業等の届出をしない・虚偽の届出をしたときは20万円以下の過料の対象です(住宅宿泊事業法76条1号・79条)。
住宅宿泊管理業者の業務のルール
登録を受けた後は、次のルールを守ります(条はいずれも住宅宿泊事業法)。
- 信義を旨とし、誠実に業務を行う(29条)
- 名義を貸して、他人に住宅宿泊管理業を営ませない(30条)
- 誇大広告をしない(31条)
- 不当な勧誘などをしない(32条)
- 管理受託契約を締結するまでに、委託者(住宅宿泊管理業者である者を除きます)に書面を交付して説明する(33条1項)
- 管理受託契約を締結したときに、書面を交付する(34条1項)
- 委託された住宅宿泊管理業務の全部を、他の者に再委託しない(35条)
- 住宅宿泊事業法5条〜10条の業務を行う(36条)
- 従業者に証明書(第九号様式)を携帯させる(37条1項・国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則18条)
- 営業所・事務所ごとに帳簿を備え付け、各事業年度の末日に閉鎖して5年間保存する(38条・国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則19条3項)
- 営業所・事務所ごとに、公衆の見やすい場所に標識(第十号様式)を掲げる(39条・国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則20条)
- 委託者である住宅宿泊事業者の事業年度の終了後と、管理受託契約の期間の満了後に、遅滞なく住宅宿泊管理業務報告書を交付して説明する(40条・国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則21条1項)
標識の様式(第十号様式)は、2025年12月1日から、縦の寸法が25cm以上になっています(横35cm以上は同じです)。
違反したときの罰則
住宅宿泊事業法の主な罰則は、次のとおりです。
- 登録を受けずに住宅宿泊管理業を営む、不正の手段で登録を受ける、名義貸しで他人に営ませる:1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその両方(住宅宿泊事業法72条1号〜3号)
- 住宅宿泊事業者が、管理業務の委託の義務に違反する:50万円以下の罰金(住宅宿泊事業法75条)
- 変更の届出をしない・虚偽の届出をする、従業者の証明書の違反、標識を掲げない、帳簿の違反、誇大広告、不実のことを告げるなど:30万円以下の罰金(住宅宿泊事業法76条)
- 廃業等の届出をしない・虚偽の届出をする:20万円以下の過料(住宅宿泊事業法79条)
法人の代表者や従業者などが、業務に関して72条〜76条の違反をしたときは、行為者を罰するほか、法人にも罰金刑が科されます(住宅宿泊事業法78条)。
国土交通大臣は、住宅宿泊管理業者が登録の拒否事由(3号を除きます)に当たることとなったとき、不正の手段で登録を受けたとき、法令や命令に違反したときなどは、登録を取り消し、または1年以内の期間を定めて業務の全部か一部の停止を命じることができます(住宅宿泊事業法42条1項)。登録を受けてから1年以内に業務を開始しないとき、引き続き1年以上業務を行っていないときも、登録を取り消すことができます(同42条4項)。業務停止の命令に違反すると、6か月以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金に処され、またはこれらを併科されます(住宅宿泊事業法74条)。
よくある質問
住宅宿泊管理業者になるには?
国土交通大臣の登録を受けます(住宅宿泊事業法22条1項)。財産的基礎と、登録実務講習の修了や実務経験2年以上などの体制、住宅宿泊管理業務を適切に実施する体制が必要です(住宅宿泊事業法25条1項10号・11号、国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則8条・9条)。
住宅宿泊管理業者になるには資格が必要ですか?
住宅宿泊事業法と省令は、特定の資格を持つことを登録の要件として定めていないと読めます。住宅宿泊事業法施行要領では、宅建士の登録や管理業務主任者の登録などが体制(国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則9条1号)の要件に当たるとしていますが、2号の体制・財産的基礎・欠格事由は別に審査されるので、それだけで登録を受けられるわけではありません。
民泊を自分で管理できますか?
居室の数が5以下で、人を宿泊させる間に不在とならないなど、委託が必要な場合に当たらなければ、委託の義務はありません。委託が必要な場合でも、自ら住宅宿泊管理業の登録を受けて管理するときは、委託しなくてよいとされています(住宅宿泊事業法11条1項)。不在に当たるかどうかは、届出先の自治体に確認が必要です。
登録の有効期間と更新は?
5年ごとに更新を受けます(住宅宿泊事業法22条2項)。更新の申請は、有効期間の満了の日の90日前から30日前までに行います(国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則3条)。
登録にかかる費用は?
新規の登録は登録免許税9万円、更新は手数料19,700円(電子申請は19,100円)です。
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