客室の広さと作りには、許可・届出の種類ごとに基準があります。同じ客室でも、接待をする店として営むか、深夜に飲食店営業を営むか、特定遊興飲食店営業として営むかで、床面積の下限も、見通しについての決まりも変わります。このページでは、客室の床面積・見通し・区画(仕切りや個室)の基準を、区分を並べて条文で整理します。物件で確かめる順番の全体は、物件選びと構造設備の基準で解説しています。
この記事の要点
- 客室1室の床面積の下限は、法2条1項1号に掲げる営業(接待をする店)で和風の客室が9.5平方メートル・その他の客室が16.5平方メートル、深夜に飲食店営業を営む店で9.5平方メートル、特定遊興飲食店営業で33平方メートルです(規則7条の表(法2条1項1号に掲げる営業の項)1号/規則99条1号/規則75条1号)。
- 客室の内部に、見通しを妨げる設備を設けてはいけません。法2条1項1号に掲げる営業(接待をする店)は、それに加えて、客室の内部が外から容易に見通せない作りでなければなりません(規則7条の表(同)2号・3号/規則99条2号/規則75条2号)。
- 仕切りで囲んだ席は、他から見通すことが困難で、広さが5平方メートル以下なら、そのような席を設けて営む営業は、それだけで風俗営業(法2条1項3号)に当たります。時間帯は問われません。
この記事では、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律を「法」、同法施行規則を「規則」と略します。
このページの目次
客室の基準を、許可・届出の種類ごとに比べる
客室の床面積、見通しを妨げる設備、写真・広告物・装飾、区画の4つを、許可・届出の区分ごとに並べると次のとおりです。
| 項目 | 風俗営業1号(接待飲食営業) | 深夜における酒類提供飲食店営業(届出) | 特定遊興飲食店営業(許可) | 飲食店営業許可のみ |
|---|---|---|---|---|
| 客室の床面積 | 和風の客室は1室9.5㎡以上、その他の客室は1室16.5㎡以上。ただし客室の数が1室のみの場合を除く条文で確定根拠:規則7条の表(法2条1項1号に掲げる営業の項)1号 | 客室は1室9.5㎡以上。ただし客室の数が1室のみの場合を除く条文で確定根拠:法32条1項/規則99条1号規則99条1号は、風俗営業のように和風とその他の客室を分けていません。基準を満たすかは、図面と現物で判断されます | 客室は1室33㎡以上(1室のみの場合の除外なし)条文で確定根拠:法31条の23において準用する法4条2項1号/規則75条1号風営法の手続きが必要な3区分(風俗営業1号・深夜における酒類提供飲食店営業・特定遊興飲食店営業)の中で、いちばん厳しい基準です | 深夜に営業しないのであれば風営法上の基準はない。深夜に飲食店営業を営む場合は、酒類の提供の有無にかかわらず、客室は1室9.5㎡以上(客室の数が1室のみの場合を除く)。施設基準は食品衛生法54条に基づく都道府県の条例地域・運用で異なる根拠:法32条1項/規則99条1号/食品衛生法54条(都道府県が条例で施設基準を定める)施設基準は条例で異なります。所在地の条例と保健所・所轄の警察署に確認しておくと確実です |
| 見通しを妨げる設備 | 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと地域・運用で異なる根拠:規則7条の表(法2条1項1号に掲げる営業の項)3号警察庁の解釈運用基準(第12中8(1))では、「見通しを妨げる設備」とは、仕切り、ついたて、カーテン、背の高い椅子(高さがおおむね1メートル以上のもの)等をいうとされ、見通しを確保する必要があるのは客室の内部であるとされています(この「1メートル」は椅子の高さについての例示)。解釈運用基準は全国共通の最低限の取扱いを示したもので、所轄の警察署がより厳しい運用をしていることがあり、高さ・配置が基準を満たすかは現物で判断されます | 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと地域・運用で異なる根拠:法32条1項/規則99条2号警察庁の解釈運用基準(第12中8(1))では、「見通しを妨げる設備」とは、仕切り、ついたて、カーテン、背の高い椅子(高さがおおむね1メートル以上のもの)等をいうとされ、見通しを確保する必要があるのは客室の内部であるとされています(この整理は風俗営業の基準(規則7条)についてのもので、規則99条2号も同じ文言です)。解釈運用基準は全国共通の最低限の取扱いを示したもので、所轄の警察署がより厳しい運用をしていることがあり、高さ・配置が基準を満たすかは現物で判断されます | 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと地域・運用で異なる根拠:法31条の23において準用する法4条2項1号/規則75条2号警察庁の解釈運用基準(第12中8(1))では、「見通しを妨げる設備」とは、仕切り、ついたて、カーテン、背の高い椅子(高さがおおむね1メートル以上のもの)等をいうとされ、見通しを確保する必要があるのは客室の内部であるとされています(特定遊興飲食店営業の同じ文言の基準(規則75条2号)についても、解釈運用基準(第24中2)はこの整理を参照するとしています)。解釈運用基準は全国共通の最低限の取扱いを示したもので、所轄の警察署がより厳しい運用をしていることがあり、高さ・配置が基準を満たすかは現物で判断されます | 深夜に営業しないのであれば風営法上の基準はない。深夜に飲食店営業を営む場合は、酒類の提供の有無にかかわらず、客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと地域・運用で異なる根拠:法32条1項/規則99条2号見通しを妨げる設備に当たるかは現物で判断され、所轄の警察署がより厳しい運用をしていることがあります |
| 写真・広告物・装飾 | 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと地域・運用で異なる根拠:法4条2項1号/規則7条の表(法2条1項1号に掲げる営業の項)4号何が「善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある」ものに当たるかは、現物で判断されます。所轄の警察署によって取扱いが異なることがあります | 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと地域・運用で異なる根拠:法32条1項/規則99条3号規則99条3号のかっこ書(少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある設備を含む)は、規則102条に規定する営業に係る営業所についての定めで、届出をして深夜に酒類を提供する店には及びません。何が該当するかは現物で判断されます。所轄の警察署によって取扱いが異なることがあります | 善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと地域・運用で異なる根拠:法31条の23において準用する法4条2項1号/規則75条3号風営法の手続きが必要な3区分の中で、対象がいちばん広く定められています(少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのあるものも対象)。何が該当するかは現物で判断されます。所轄の警察署によって取扱いが異なることがあります | 深夜に営業しないのであれば風営法上の基準はない。深夜に飲食店営業を営む場合は規則99条3号の基準の対象になる地域・運用で異なる根拠:法32条1項/規則99条3号主食を常時提供する店など規則102条に規定する営業に係る営業所では、少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある写真・広告物・装飾も対象になります(規則99条3号かっこ書)。何が該当するかは現物で判断され、所轄の警察署によって取扱いが異なることがあります |
| 区画(区画席) | 構造設備の基準(規則7条の表)に「区画」の号はない。見通しを妨げる設備の規定(規則7条の表(法2条1項1号に掲げる営業の項)3号)で扱われる地域・運用で異なる根拠:規則7条の表(法2条1項1号に掲げる営業の項)3号(同項1号〜7号に区画そのものの基準はない)いわゆる区画席・仕切りを置けるかは、解釈運用基準を踏まえて所轄の警察署が現物で判断します | 「区画」の基準規定はない。客室の出入口に施錠の設備を設けないこと(営業所外に直接通ずる出入口を除く)地域・運用で異なる根拠:規則99条4号/内閣府令22条3号(変更の届出を要する事項としての「営業所の内部を仕切るための設備」)/法2条1項3号他から見通すことが困難で、かつ、広さが5平方メートル以下の客席を設けて営むと、法2条1項3号の営業(風俗営業)に当たり、届出ではなく許可が必要になります。風俗営業は、許可を受けても、条例に特別の定めがある地域を除き、深夜(午前0時から午前6時まで)には営業できません(法13条1項)。警察庁の解釈運用基準(第29中2(1))では、「営業所の内部を仕切るための設備」とは、壁、ふすまのほか、カーテン、ついたて等をいうとされています。ただし、仕切る設備が「見通しを妨げる設備」に該当するかどうかは別に判断されます。所轄の警察署がより厳しい運用をしていることがあり、現物で判断されます | 「区画」の基準規定はない。客室の出入口に施錠の設備を設けないこと(営業所外に直接通ずる出入口を除く)地域・運用で異なる根拠:規則75条4号(規則75条1号〜6号に区画そのものの基準はない)いわゆる区画席・仕切りは、2号の「見通しを妨げる設備」として扱われます。可否は現物で判断され、所轄の警察署がより厳しい運用をしていることがあります | 深夜に営業しないのであれば風営法上の基準はない。深夜に飲食店営業を営む場合は、酒類の提供の有無にかかわらず、客室の出入口に施錠の設備を設けないこと(営業所外に直接通ずる出入口を除く)地域・運用で異なる根拠:法32条1項/規則99条4号/法2条1項3号仕切った席の見通しと広さによっては、時間帯を問わず法2条1項3号の営業に当たることがあります。仕切りやついたては見通しを妨げる設備として扱われることがあります。当たるかどうかは現物で判断されます |
法令基準日:2026-09-18/根拠の略号 法=風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律、令=同法施行令、規則=同法施行規則、内閣府令=同法に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令
この表の「地域・運用で異なる」の項目は、都道府県の条例や所轄の警察署の運用によって取扱いが異なります。
ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。
表で差がいちばん大きいのは床面積の行で、同じ客室でも、どの区分で営むかによって下限が3倍以上違います。風俗営業と特定遊興飲食店営業では、これらの基準は許可の基準(法4条2項1号。特定遊興飲食店営業は法31条の23で準用)で、満たしていなければ許可されません。深夜の飲食店営業では、届出に審査はありませんが、基準に適合するように維持する義務があります(法32条1項)。
「飲食店営業許可のみ」の列は、深夜に営業しない店の扱いです。閉店時刻をあとから午前0時以降に延ばすと、その時点で、この列ではなく深夜の飲食店営業の列の基準に合っているかが問われます。仕切った席は、閉店時刻にかかわらず、このページの「区画」の見出しで扱う基準の問題になります。営業時間を延ばす予定があるなら、その基準に合うかを内装の段階で確認しておく必要があります。
ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。
床面積 ─ 9.5平方メートル・16.5平方メートル・33平方メートル
区分ごとの下限は、このページ前半の比較表の「客室の床面積」の行のとおりです(規則7条の表(法2条1項1号に掲げる営業の項)1号/規則99条1号/規則75条1号)。特定遊興飲食店営業には「客室が1室だけなら除く」という定めがなく、客室が1室でも33平方メートル以上が必要です。客室の面積の測り方は求積図と面積の計算で扱っています。
「客室が1室だけ」のただし書
カーテンや可動式の間仕切りで区切り方を変えられる作りでは、営業中に客室がいくつになるかが所轄の警察署の判断になり、1室のみのただし書に当たるかもそこで決まります。また、ただし書で外れるのは床面積の号だけで、1室のみの店でも、見通しや出入口の施錠などの号はそのまま残ります。
「和風」と「その他」(接待をする店だけ)
和風の客室の下限(9.5平方メートル)はその他の客室(16.5平方メートル)より狭く定められていますが、「和風の客室」の定義は条文にありません。畳敷きにしただけで和風の客室と扱われるとは限らず、どちらの下限で判断されるかは、客室の作りの実態で判断されます。和風の客室の下限を前提にするなら、図面の段階で確認しておく必要があります。
ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。
見通し ─ 向きの違う2つの基準
「見通し」の基準には、向きの違う2つがあります。外から客室の中が見えないことと、客室の中で見通しが妨げられないことです。
外から客室の中が容易に見えないこと(接待をする店)
接待をする店の基準には、客室の内部が営業所の外部から容易に見通すことができないものであること、という号があります(規則7条の表(法2条1項1号に掲げる営業の項)2号)。同じ表の3号は、客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないことを求めています。外から容易に見えないことと、中の見通しが妨げられないことの2つの基準を、同時に満たす客室の構造が求められます。
深夜の飲食店営業の基準(規則99条)と特定遊興飲食店営業の基準(規則75条)には、外からの見通しについての号はありません。ただし、号がないからといって、所轄の警察署が外からの見え方について指導しないとは限らず、窓や入口に掲げる写真や装飾は、写真・広告物・装飾の基準(規則99条3号・規則75条3号)の対象になります。
客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと
客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないことは、3つの区分に同じ文言で定められています(規則7条の表(法2条1項1号に掲げる営業の項)3号/規則99条2号/規則75条2号)。何が「見通しを妨げる設備」に当たるかについて、警察庁の解釈運用基準(令和8年7月1日の通達)の第12中8(1)が挙げている例は、このページ前半の比較表の補足のとおりです。同じ箇所は、続けて次のように述べています。
なお、見通しを確保する必要があるのは客室の内部である。このため、例えば、客室の中央に調理場が設置されているような場合に客室と調理場の間に見通しを妨げる設備を置くことは認められないが、壁際に調理場があるような場合に、客室内の見通しを妨げない方法で、客室と調理場の間に見通しを妨げる設備を置くことは可能である。
(解釈運用基準 第12中8(1))
この整理がそのまま当てはまるのは、接待をする店と特定遊興飲食店営業の基準です。深夜の飲食店営業の図面も、この整理に沿って作っておくと、あとから作り直しになりにくくなります。
壁際の調理場との間に置けるとされているのは、客室内の見通しを妨げない方法で置く場合に限られます。どこまでが「壁際」といえるかは、調理場と客席の位置関係を所轄の警察署が見て決めます。
「おおむね1メートル」の読み方
カウンターや棚、パーテーションの高さについて、条文にも解釈運用基準にも数値はありません。客室を見渡したときに視線が遮られるかどうかで判断され、所轄の警察署によっては、1メートルより低い仕切りでも見通しを妨げると判断されることがあります。
ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。
区画 ─ 仕切り・個室・半個室を置けるか
仕切りや個室を置けるかは、見通し・出入口の施錠・営業の区分(法2条1項3号)の3つの面から判断され、当てはまるかは図面と現物で決まります。
「区画」という言葉は、構造設備の基準ではなく営業の区分に出てくる
客席を区画することが条文に出てくるのは、構造設備の基準ではなく、営業の区分を決める法2条1項3号のほうです。
仕切った席が「区画席飲食店営業」(法2条1項3号)になる境目
仕切った席のうち、①他から見通すことが困難で、②広さが5平方メートル以下、の両方を満たす席を設けて営むと、その営業は風俗営業(法2条1項3号)に当たります。一般に「区画席飲食店営業」と呼ばれる営業で、許可証に記載する営業の種類は「区画席飲食店」です(解釈運用基準 第12中14)。この営業には、公安委員会の許可が必要です(法3条1項)。
読み方のポイントは3つあります。
- 要件は2つで、両方を満たすときに当たります。他から見通すことが困難であること、広さが5平方メートル以下であることです。
- 時間帯の要件がありません。午前0時前に閉める店でも、この席を設けて営めば、その営業は風俗営業に当たります。
- この営業は風俗営業なので、深夜(午前0時から午前6時まで)には営業できません(法13条1項本文)。深夜に営業している店がこの席を設けると、午前0時以降は営業できない区分に変わります。
5平方メートルを超える席でも、見通しを妨げる設備として問題になることがあります。席の広さだけで判断できるものではありません。また、「他から見通すことが困難」かどうかについて、解釈運用基準に測り方の整理は置かれていません。囲いの上や横からどこまで席の中が見えるかを、所轄の警察署が現物で確かめて判断します。
法2条1項3号の営業の許可の基準(構造設備の基準)は、接待をする店とは内容が違います。風俗営業の種別ごとの基準は、この営業の許可を考えるときに別に確かめる必要があります。
客室の出入口の施錠
比較表の「区画」の行のとおり、3つの区分とも客室の出入口に施錠の設備を設けられません(規則7条の表(法2条1項1号に掲げる営業の項)5号/規則99条4号/規則75条4号)。個室に扉を付けるなら、鍵を付けられるかどうかが別に問題になります。外への出入口を兼ねる扉かどうかは、平面図に描いた動線で判断されます。個室の扉を営業所の外に直接通じるようにしたからといって、施錠の設備を設けられるわけではありません。
仕切りを後から変えるとき
開業後に仕切りを足したり外したりする工事も、風俗営業では事前の承認(法9条1項)、深夜の酒類提供の届出をした店では変更の届出(法33条2項)の対象になりえます。どの工事が承認・届出の対象になるかは工事の内容で判断されるため、着工前に確認しておく必要があります。
ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。
写真・広告物・装飾
区分ごとの違いは、このページ前半の比較表の「写真・広告物・装飾」の行のとおりです。何が当たるかの例は、接待をする店については風俗営業許可の要件、深夜の飲食店営業については届出の要件で扱っています。なお、これは店内外の設備についての基準で、営業所の周辺での広告・宣伝の方法を規制する法16条とは別のきまりです。
よくある勘違い
- 「客室は9.5平方メートルあれば、どの店でも足りる」:接待をする店のその他の客室は16.5平方メートル、特定遊興飲食店営業は33平方メートルです(規則7条の表(法2条1項1号に掲げる営業の項)1号・規則75条1号)。
- 「1室だけなら、面積の基準はない」:ただし書があるのは接待をする店と深夜の飲食店営業だけで、特定遊興飲食店営業にはありません。客室の数え方も判断の対象です。
- 「高さ1メートル未満の仕切りなら置ける」:1メートルは背の高い椅子についての例示です(解釈運用基準 第12中8(1))。
- 「5平方メートルを超える個室なら、許可は要らない」:5平方メートル以下かどうかは、法2条1項3号の要件の1つにすぎません。広い個室でも、構造設備の基準(見通し)で認められないことがあります。
- 「午前0時前に閉めるなら、個室を作ってもよい」:法2条1項3号に時間帯の要件はありません。
- 「区画の規定がないから、仕切りは自由」:仕切りは、見通しを妨げる設備に当たるかどうかで判断されます(規則7条の表(法2条1項1号に掲げる営業の項)3号・規則99条2号・規則75条2号)。
同じ客室でも、深夜の営業を始めたり、客に遊興をさせたりして区分が変わると、適用される基準も変わります。
ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。
よくある質問
風営法で、客室は何平方メートル必要ですか。
区分によって違います。接待をする店は和風の客室が9.5平方メートル以上、その他の客室が16.5平方メートル以上、深夜に飲食店営業を営む店は9.5平方メートル以上、特定遊興飲食店営業は33平方メートル以上です。接待をする店と深夜の飲食店営業には、客室が1室のみの場合を除くただし書がありますが、当てはまるかは客室の数え方で判断されます。
特定遊興飲食店営業では、客室が1室だけでも33平方メートル必要ですか。
必要です。規則75条1号には、客室が1室のみの場合を除くただし書がありません。
カウンターやパーテーションの高さに、決まりはありますか。
高さの数値の決まりはありません。見通しを妨げるかどうかで判断されることは、このページの「『おおむね1メートル』の読み方」のとおりです。
風営法の店に、個室は作れますか。
一律には答えられません。他から見通すことが困難で、広さが5平方メートル以下の客席を設けると、その営業は風俗営業(法2条1項3号)に当たります。それより広い個室でも、客室の内部の見通しを妨げる作りは基準に合いません。深夜に営業する店では、仕切りの形と席の広さを、図面の段階で確かめておく必要があります。
ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。