風営法の申請図面の作り方|許可・届出ごとに必要な図面と、作図の流れ

風営法の許可申請や深夜営業の届出に添える図面は、許可・届出の区分によって違います。また、図面に描く内容は、申請書・届出書の「営業所の構造及び設備の概要」の欄に書く内容と対応しています。区分ごとに国の法令が定める図面と、所轄の警察署が求めることがある図面を分け、様式の欄と図面の関係、作図の順番を整理します。平面図や求積図などの平面図や求積図などは、各見出しとリンク先で詳しく解説しています。

この記事では、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律を「法」、同法施行規則を「規則」、同法に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令を「内閣府令」と略します。

この記事の要点

  1. 国の法令が添付書類として定めている図面は、風俗営業と特定遊興飲食店営業の許可申請では「営業所の平面図及び営業所の周囲の略図」、深夜における酒類提供飲食店営業の届出(法33条1項)では「営業所の平面図」です(内閣府令1条3号・17条・24条1号ロ)。
  2. 求積図や照明・音響の設備図は、国の法令が定める添付書類には入っていませんが、所轄の警察署が求めることがあります。
  3. 法は、申請書・届出書に「営業所の構造及び設備の概要」を記載するよう定めており(法5条1項4号・法33条1項3号)、様式のその欄に書いた内容を、図面で示すことになります。
このページの目次
  1. 許可・届出ごとに必要な図面
  2. 申請書・届出書の「構造及び設備の概要」の欄と、図面の関係
  3. 図面ごとの役割と、詳しい解説
  4. 作図の流れ
  5. よくある勘違い
  6. よくある質問
  7. この記事の根拠

許可・届出ごとに必要な図面

許可・届出の区分ごとに、国の法令が添付書類として定めている図面を並べると次のとおりです。飲食店営業許可(食品衛生法)の申請で出す図面も、比べるために並べています。

申請・届出に添える図面(4区分の比較)
許可・届出の種別 必要な図面
風俗営業1号(接待飲食営業) 営業所の平面図及び営業所の周囲の略図。あわせて営業の方法を記載した書類、営業所の使用について権原を有することを疎明する書類条文で確定根拠:内閣府令1条1号・2号・3号(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令)求積図・照明配置図・音響設備図といった細かい図面は法令に規定がなく、所轄の警察署が運用で求めることがあります
深夜における酒類提供飲食店営業(届出) 営業所の平面図。あわせて営業の方法を記載した書類、個人は住民票の写し、法人は定款・登記事項証明書・役員に係る住民票の写し条文で確定根拠:内閣府令24条1号イ・ロ・ハ・ニ(法33条3項の添付書類)/規則103条1項・2項(様式)周囲の略図は内閣府令24条の添付書類に入っていませんが、所轄の警察署が求めることがあります。求積図・照明配置図なども同じです
特定遊興飲食店営業(許可) 営業所の平面図及び営業所の周囲の略図(風俗営業の許可申請の添付書類の規定を準用)条文で確定根拠:内閣府令17条において準用する同令1条3号求積図・照明配置図・音響設備図といった細かい図面は法令に規定がなく、所轄の警察署が運用で求めることがあります
飲食店営業許可のみ 営業許可の申請書に、施設の構造及び設備を示す図面を記載する条文で確定根拠:食品衛生法施行規則67条5号(食品衛生法55条1項の許可の申請)図面の様式・縮尺・部数は保健所によって異なります。所轄の保健所の案内で確認できます

法令基準日:2026-09-18/根拠の略号 法=風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律、令=同法施行令、規則=同法施行規則、内閣府令=同法に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令

この表の補足にある、条例や所轄の警察署の運用に関わる点は、都道府県や警察署によって取扱いが異なります。

ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。

表の「飲食店営業許可のみ」の行の図面は、食品衛生法54条に基づいて都道府県の条例で定められた施設の基準に合うかを確認するためのものです。風営法の図面で確認する客室の床面積・見通し・照明などとは、示す内容が異なります。

保健所に出す図面と風営法の図面を1枚で兼ねる場合は、両方の提出先で、その図面1枚で足りるかを確認しておく必要があります。

ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。

申請書・届出書の「構造及び設備の概要」の欄と、図面の関係

法は、許可申請書と届出書に「営業所の構造及び設備の概要」を記載するよう定めています(法5条1項4号・法33条1項3号。特定遊興飲食店営業は法31条の23で法5条を準用)。規則の様式では、この事項が同じ名前の欄に分かれています。使う様式は次のとおりです。

  • 風俗営業(法2条1項1号から3号までの営業)の許可申請書:施行規則の別記様式第1号の「その2(A)」(規則9条1項)
  • 特定遊興飲食店営業の許可申請書:施行規則の別記様式第40号の「その2」(規則77条1項)
  • 深夜における酒類提供飲食店営業の届出書:施行規則の別記様式第47号(規則103条1項)

3つの様式の欄は共通です。建物の構造・建物内の営業所の位置・照明設備・音響設備・防音設備・その他の6つの欄は、各様式の備考(施行規則の別記様式第1号は備考5から10まで、第40号は備考4から9まで、第47号は備考2から7まで)が、何を書くかを定めています。客室数と床面積の欄には、書き方を定めた備考はありません(法2条1項3号の営業についての別記様式第1号の備考11を除きます)。欄と、その内容を示す図面の対応は次のとおりです。

  • 建物の構造:木造なら平家建て・二階建て等の別、木造以外なら鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造などの別と、階数(地階を含む)の別を書きます。
  • 建物内の営業所の位置:営業所が位置する階と、その階の全部を使うか一部を使うかの別を書きます。平面図に描く範囲と対応します。
  • 客室数・営業所の床面積・客室の総床面積・各客室の床面積:平面図に描いた客室の数と、面積の計算の結果を書きます。法2条1項3号の営業の許可申請では、「各客室の床面積」の欄に各客席の床面積を書きます(施行規則の別記様式第1号の備考11)。測り方は求積図と面積の計算にあります。
  • 照明設備:照明設備の種類、仕様、基数、設置位置等を書きます。照度の基準については、照度の基準で解説しています。
  • 音響設備:音響設備の種類、仕様、台数、設置位置等を書きます。
  • 防音設備:防音設備の種類、仕様等を書きます。
  • その他:出入口の数、間仕切りの位置及び数、装飾その他の設備の概要等を書きます。間仕切りや装飾についての基準は、客室の床面積・見通し・区画の基準で解説しています。

所定の欄に書ききれないときは、別紙に書いて添付します(別記様式第1号の備考15・第40号の備考10・第47号の備考8)。ここでいう別記様式は、いずれも施行規則の様式で、警察庁の解釈運用基準(令和8年7月1日の通達)の末尾に付いている別記様式とは別のものです。

欄の内容と図面を合わせる

欄に書いた客室数と平面図の客室の数、欄の床面積と求積計算の結果、照明設備の基数・設置位置と図面の照明の表示、というように、申請書・届出書の各欄に書いた内容は、対応するいずれかの図面に示されます。欄と図面の内容が食い違っていると、補正を求められることがあります。どこまで図面で示すか(照明器具を1つずつ図面に描くかなど)は、所轄の警察署の運用によって異なります。

欄の数字と設備の数を、どの図面のどこで示すかを確認しておく必要があります。

ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。

図面ごとの役割と、詳しい解説

申請・届出に使われる主な図面は次の4つです。国の法令が添付書類として定めているのは平面図と周囲の略図(周囲の略図は許可申請だけ)で、求積図と設備図は、このページ前半の比較表の補足のとおり、所轄の警察署が求めることがある図面です。

営業所の平面図

営業所の平面図は、どの区分でも法令上の添付書類です(内閣府令1条3号・24条1号ロ)。営業所の出入口や客室などの配置と、椅子やテーブルの位置を示します。解釈運用基準(第12中13(3))では、風俗営業の許可申請に添える「営業所の平面図」は、「建築確認申請時に提出する青写真に、出入口の位置、椅子、テーブルの配置等必要な事項を記載したもので足りる」とされ、特定遊興飲食店営業の添付書類も、この整理を参照することとされています(第24中3)。ただ、この整理は必要な事項を書き込むことを前提にしたもので、建築時の図面と現況が違っていれば、現況に合わせた図面が必要になります。どこまで書き込むかは所轄の警察署の運用によって異なり、解釈運用基準の整理より多くの書き込みを求められることがあります。深夜の届出の平面図については、解釈運用基準に同様の記述はありません。

求積図・求積表

営業所と客室の面積を、どの寸法とどの計算で求めたかを示す図と表で、申請書・届出書の面積の欄の数字の裏づけになります。測り方と計算の例は求積図と面積の計算にあります。

照明・音響設備図

照明設備の種類と位置、音響設備・防音設備の位置を示す図面で、欄に書いた照明設備・音響設備・防音設備の内容の裏づけになります。照明については、照度の数値と、調光器など照度に関わる設備の注意点を照度の基準で解説しています。

営業所の周囲の略図

風俗営業と特定遊興飲食店営業の許可申請では、法令上の添付書類です(内閣府令1条3号・17条)。営業所と、学校や病院などの保全対象施設(いわゆる「保護対象施設」)との位置関係を示します。略図についての解釈運用基準の整理と、どの施設をどの範囲まで調べるかは、保全対象施設と距離制限の調べ方にあります。

図面の前提になる実測

建築時の図面や賃貸借契約書に付いている図面は、その後の内装工事で現況と違っていることがあります。現地で測った寸法をもとに作ると、図面と現況の食い違いを防げます。実測の結果をどう図面に示すかも、所轄の警察署の運用によって異なります。

平面図のほかに所轄の警察署が求める図面の種類と、それぞれにどこまで書き込むかを確認しておく必要があります。

ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。

作図の流れ

作図の方法や順番は法令に定められていませんが、次の順番で進めると、欄と図面の食い違いや描き直しを減らせます。

  1. 所轄の警察署に、求められる図面の種類と縮尺を確かめる
  2. 現地を実測する
  3. 平面図を描く:出入口、客室、調理場、椅子やテーブルの配置を描きます。
  4. 営業所と客室の面積を計算する:測り方は求積図と面積の計算にあります。
  5. 設備図と周囲の略図を描き、申請書・届出書の欄と突き合わせる:欄と図面の対応は、このページの「構造及び設備の概要」の見出しのとおりです。

方位や寸法の書き入れ方、線の使い分け、手書きかCADなどのソフトで作るかといった作図の細部は、法令に定めがなく、所轄の警察署の運用によって異なります。

求められる図面の種類と作図の細部について、不明な点が残っていないかを確認しておく必要があります。

ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。

よくある勘違い

  • 「深夜の届出は、平面図を1枚出せば終わり」:国の法令が添付書類として挙げている図面は平面図だけですが、所轄の警察署がほかの図面を求めることがあり、届出書の面積や設備の欄の内容も、図面で示すことになります。
  • 「建築確認の図面をそのまま出せばよい」:このページの「営業所の平面図」のとおり、必要な事項を書き込むことが前提で、どこまで書き込むかは所轄の警察署の運用によって異なります。
  • 「保健所に出した図面を、警察署にもそのまま出せる」:食品衛生法の図面と風営法の図面では、示す内容が異なります。1枚で兼ねられるかどうかは、それぞれの提出先の取扱いによって異なります。
  • 「図面と申請書の欄は別々に作ってよい」:欄に書いた客室数・床面積・設備の数と、図面の表示が食い違うと、補正を求められることがあります。
  • 「法令に作図方法の定めがないから、描き方は自由」:定めがない部分は、所轄の警察署の運用で決まります。

所轄の警察署が求める図面の種類と、欄と図面をどこまで一致させるかを確認しておく必要があります。

ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。

よくある質問

風営法の申請には、どんな図面が必要ですか。

区分ごとに国の法令が定める図面は、このページの「許可・届出ごとに必要な図面」の比較表にあります。求積図や設備図など、所轄の警察署が求めることがある図面は、「図面ごとの役割と、詳しい解説」の見出しで扱っています。

深夜の酒類提供の届出には、どんな図面を添えますか。

国の法令が定める図面は、このページ前半の比較表の「深夜における酒類提供飲食店営業(届出)」の行のとおりで、補足にあるように、ほかの図面を所轄の警察署が求めることがあります。届出書と添付書類の全体は必要書類と様式の書き方にあります。

図面は手書きでもよいですか。

手書きかどうかは、このページの「作図の流れ」で挙げた作図の細部に当たり、所轄の警察署の運用によって異なります。手書きで作る場合も、欄の内容との一致と、面積の計算の示し方は同じように求められます。

図面は自分で作れますか。

法・規則・内閣府令には、図面を作成する人についての定めはなく、自分で作ることもできます。ただ、実際には、客室の床面積が基準を満たすかどうかが、壁の内法(うちのり)の寸法のわずか数センチの差で分かれることもあります(求積図と面積の計算で挙げている例)。作図の順番は、このページの「作図の流れ」のとおりです。自分で作る場合も、求められる図面の種類と書き込みの程度は、所轄の警察署の運用によって決まります。

ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。

この記事の根拠

  • 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)── e-Gov法令検索
  • 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則(昭和60年国家公安委員会規則第1号)── e-Gov法令検索
  • 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令(昭和60年総理府令第1号)── e-Gov法令検索
  • 食品衛生法(昭和22年法律第233号)── e-Gov法令検索
  • 食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号)── e-Gov法令検索
  • 警察庁「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準について(通達)」令和8年7月1日(令和7年10月20日付けの旧通達を廃止したもの)── 警察庁(PDF)

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