2025年の風営法改正(令和7年法律第45号)は、1本の改正法の中で施行日が2つに分けられています。6月28日に施行されたのは法18条の3・法22条の2の新設と罰則の条の組み替え、11月28日に施行されたのは法4条1項(許可の欠格事由)の改正と、これに合わせた法人の添付書類の追加です。11月施行分は、すでに許可を受けている法人にも関わります。このページでは、施行日ごとに、条文の変更点と、店舗の側で見直しておく点を整理します。
この記事の要点
- 改正法は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律(令和7年法律第45号)で、令和7年5月28日に公布されました。
- 施行は2回に分かれており、2025年6月28日(公布の日から起算して1か月を経過した日)と、2025年11月28日(公布の日から起算して6か月を経過した日)です(改正法附則1条)。
- 6月28日施行分は、法2条1項1号に掲げる営業(接待飲食営業)を対象にした禁止行為の新設(法18条の3・法22条の2)と、無許可営業などの罰則の引上げです。
- 11月28日施行分は、許可の欠格事由(法4条1項)が11号までから13号までに増えたことと、法人が申請時に提出する書類の追加です。
この記事では、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律を「法」、同法施行規則を「規則」、同法に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令を「内閣府令」と略し、令和7年法律第45号を「改正法」と呼びます。
このページの目次
施行日が2回に分かれている
2025年の改正は6月の施行として紹介されることが多いのですが、同じ改正法の中に、半年遅れて施行された部分があります。改正法の附則1条は、施行日を次のように定めています。
この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第六条の規定 公布の日
二 第四条第一項の改正規定(同項第二号イの改正規定を除く。)、第二十四条第二項第二号の改正規定及び第三十一条の二十三の表第四条第一項第六号及び第七号の項の改正規定 公布の日から起算して六月を経過した日
公布は令和7年(2025年)5月28日なので、附則1条本文による施行日は2025年6月28日、同条2号による施行日は2025年11月28日です(1号の附則6条は、施行に必要な経過措置を政令に委ねる定めです)。施行日ごとに分けると、次のとおりです。
- 2025年6月28日:2号に挙げられた改正規定を除く部分。法18条の3・法22条の2の新設、罰則の条の組み替えなど
- 2025年11月28日:法4条1項(許可の基準のうち人に関するもの)の改正、法24条2項2号(管理者になれない者)の改正、法31条の23の表(特定遊興飲食店営業への準用の読替え)の改正
11月28日には、法律と同じ日に、規則の改正(令和7年国家公安委員会規則第18号)と内閣府令の改正(令和7年内閣府令第91号)も施行されています。
6月28日施行分① 接待飲食営業を対象にした2つの禁止行為
法18条の3と法22条の2は、条文の中で「第二条第一項第一号の営業」と号を指定していて、1号から3号までの営業の総称である「接待飲食等営業」(法2条4項)の語を使っていません。どちらの条も、店の呼び名ではなく、法2条1項1号の営業(接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業)に当たるかどうかで対象が決まります。
法18条の3 ─ 客の正常な判断を著しく阻害する行為の規制
法18条の3は、「第二条第一項第一号の営業を営む風俗営業者」が、その営業に関し、次の行為をしてはならないと定めています。
- 1号:法17条に規定する料金について、事実に相違する説明をし、又は客を誤認させるような説明をすること
- 2号:客が接客従業者に好意の感情を抱き、接客従業者も同様の感情を抱いていると誤信していることを知りながら、これに乗じ、次のいずれかを告げて客を困惑させ、それによって遊興又は飲食をさせること
- イ:関係が破綻することになる旨
- ロ:接客従業者の降格などの業務上の不利益を回避するために、客の遊興又は飲食が必要不可欠である旨
- 3号:客が注文等をする前に遊興又は飲食の全部又は一部を提供することにより客を困惑させ、それによって遊興をさせ、若しくはしたものとさせ、又は飲食をさせること
警察庁の解釈運用基準(令和8年7月1日の通達)は、この条を置いた目的を、「いわゆるホストクラブをはじめとする接待飲食営業において、接待を通じた客の判断力の低下や客の恋愛感情等に起因する接客従業者に優位な関係性に乗じて客に遊興又は飲食…をさせ、不当な不利益を生じさせることを防止するため」と説明しています(第17中7(1))。3号の「遊興・・・の全部又は一部を提供すること」に当たる例としては、「いわゆる『シャンパンコール』を行うこと、いわゆる『シャンパンタワー』を組み上げること」などが挙げられています(第17中7(4)ア)。また、柱書きの「風俗営業者」には代理人等が含まれるとされ、2号の「知りながら、これに乗じ」に当たるかどうかは、代理人等に当たる接客従業者について認定するとされています(第17中7(3)ウ)。
法18条の3に違反したとき ─ 指示・処分と、飲食店営業への波及
法49条から法56条までの罰則の条には、法18条の3の違反を掲げた号がありません。違反があったときは、公安委員会は必要な指示をすることができ(法25条)、許可の取消しや営業の停止を命じることもできます(法26条1項)。その処分に違反すれば法49条4号の罪になります(刑は、このページの「6月28日施行分②」のとおり無許可営業と同じです)。さらに、風俗営業の許可を取り消し、又は停止を命じるときは、公安委員会は、同じ施設を用いて営む飲食店営業についても、6月(停止のときはその停止の期間)を超えない範囲内で期間を定めて、営業の全部又は一部の停止を命じることができます(法26条2項)。風俗営業の許可の取消しや営業の停止を命じられたときに、同じ施設で飲食店営業を続けることもできなくなる場合があります。
直接の罰則がないことは、罰則のある違反より扱いが軽いという意味ではありません。
法22条の2 ─ 接待飲食営業を営む者の禁止行為
法18条の3が「風俗営業者」と規定しているのに対し、法22条の2は「営む者」と規定しています。この条は許可を受けているかどうかで対象を分けておらず、その営業に関する次の2つの行為を禁じています。
- 1号:客に注文等をさせ、又は料金の支払その他の財産上の給付、財産の預託、これらに充てるために行われた金銭の借入れに係る債務の弁済(「料金の支払等」)をさせる目的で、客を威迫して困惑させること
- 2号:客に対し、威迫し、又は誘惑して、料金の支払等のために、売春防止法その他の法令に違反する行為(イ)、不特定の相手方との性交類似行為等(ロ)、一定の性風俗関連特殊営業で異性の客に接触する役務を提供する業務への従事(ハ)、性行為映像制作物への出演(ニ)、外国での売春(ホ)によって金銭その他の財産を得ることを要求すること
法18条の3と違い、この条の違反には罰則があり、6月以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、又はその併科です(法53条2号)。法人の従業者などがその業務に関して違反したときは、法人にも罰金刑が科されます(法57条1項2号)。
解釈運用基準は、1号の「料金の支払その他の財産上の給付」に当たるものの例として、「『売掛金』等と称される料金の事後の支払(いわゆる『掛払い』や『ツケ払い』)」を挙げています(第17中11(1)ア)。第17中7と第17中11には、このほかにも各号の語の意味と例が示されています。
広告・宣伝と店内の掲示についての整理
法16条は、風俗営業者が「営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法」で広告又は宣伝をすることを禁じています。現在の解釈運用基準は、この条の対象について、法18条の3の趣旨に触れたうえで、次のように整理しています(第17中5(2)イ)。
接客従業者の指名数、売上額等の営業成績や役職を殊更に強調するなど著しく客の遊興若しくは飲食をする意欲をそそり、又は接客従業者間に過度な競争意識を生じさせ、営業に関する違法行為を助長するような歓楽的・享楽的雰囲気を過度に醸し出すものも規制の対象となる。
営業所に設ける写真・広告物・装飾の基準(規則7条の表(法2条1項1号に掲げる営業の項)4号)の解釈にも、指名数や役職への言及はないものの、「著しく客の遊興若しくは飲食をする意欲をそそり、又は接客従業者間に過度な競争意識を生じさせ、営業に関する違法行為を助長するような歓楽的・享楽的雰囲気を過度に醸し出す広告」が例に挙げられています(第12中8(2)。基準の内容は風俗営業許可の要件)。
一方で、第17中5(2)イは、単に店名及び料金のみを表示する広告・宣伝や、単に色彩が派手である広告・宣伝等は、清浄な風俗環境を害するおそれがあると認められる場合を除き規制の対象とならないとしています。また、建物の外観についても、広告又は宣伝に当たるものと解されない限り、法16条の規制の対象となるものではないとしています。もっとも、実際の広告や掲示がどちらに当たるかは表示の内容で判断され、所轄の警察署がこれより広く規制の対象として扱うことがあります。
自分の店の接客、請求の方法、広告や掲示が各号や法16条に当たるかどうかは、実際のやり取りや表示の内容で判断されるので、判断に迷う場面を具体的に整理しておく必要があります。
ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。
6月28日施行分② 罰則の引上げと条の繰下げ
6月28日の改正で、罰則の条も組み替えられました。法49条の刑が重くなり、それまでの法49条のうち特定遊興飲食店営業などに関する号が新しい法50条に移って、そのあとの条の番号が1つずつ繰り下がっています。改正前の条番号を引いている資料を読むときは、どの時点の条文かを確かめておくと、読み違いを防げます。
無許可で風俗営業を営んだ場合の刑は、3つの時点で書き方が違う
- 2025年5月31日までの条文:2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又はその併科(当時の法49条1号)
- 2025年6月1日から6月27日までの条文:2年以下の拘禁刑若しくは200万円以下の罰金、又はその併科(同)
- 2025年6月28日からの条文:5年以下の拘禁刑若しくは1,000万円以下の罰金、又はその併科(法49条1号)
法49条には、偽りその他不正の手段で許可を受けた場合(2号)、名義貸しの禁止(法11条)に違反した場合(3号)、法26条の営業の停止等の処分に違反した場合(4号)なども並んでいて、これらも同じ刑になりました。代表者や従業者などがその業務に関して法49条の違反行為をしたときに法人に科す罰金は、改正前は各本条の罰金刑(200万円以下。当時の法56条)でしたが、改正後は3億円以下になりました(法57条1項1号)。この規定により法人又は人に罰金刑を科す場合の時効の期間は、法49条の罪の時効の期間によると定められています(法57条2項)。
番号が変わった主な罰則
- 無許可で特定遊興飲食店営業を営んだ場合:当時の法49条7号から法50条4号へ。刑は2年以下の拘禁刑若しくは200万円以下の罰金、又はその併科で、法定刑の重さに変更はありません
- 条例で禁止された地域で深夜に酒類提供飲食店営業を営んだ場合:当時の法50条(1項10号)から法51条1項10号へ。刑は1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、又はその併科で、変更はありません
- 両罰規定:当時の法56条から法57条へ
- 過料:当時の法57条から法58条へ
許可の欠格事由のうち、罪を列挙した号(法4条1項2号イ)も、同じ日に新しい条番号に合わせて「第四十九条、第五十条又は第五十一条第一項の罪」に改められています。
「懲役」が「拘禁刑」になったのは、別の法律の施行による
前の見出しで挙げた3つの時点のうち、「懲役」が「拘禁刑」に変わったのは2025年6月1日で、6月28日に施行された風営法の改正によるものではありません。拘禁刑は、刑法等の一部を改正する法律(令和4年法律第67号)が設けた刑で、その施行の日に、刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(令和4年法律第68号)が、風営法の条文の「懲役」を「拘禁刑」に改めました。令和7年法律第45号が変えたのは、刑の種類ではなく、法49条の刑の上限、同条の違反について法人に科す罰金の上限(法57条1項1号)、罰則の条の組み立てです。
改正法の附則2条1項には、改正法の施行日が刑法の改正の施行日より前になった場合に、改正後の法49条の「拘禁刑」を「懲役」と読み替える調整の定めが置かれていました。2つの改正が別の法律によるものであることは、この附則からも読み取れます。
2025年11月28日施行分 ─ 許可の欠格事由の拡大
11月28日に施行されたのは、附則1条2号に挙げられた3つの改正規定です。法4条1項に7号(密接な関係を有する法人の許可の取消し)・8号ロ(立入りから聴聞決定予定日までの間の許可証の返納)・13号(暴力的不法行為等を行うおそれがある者による支配的な影響力)が加わり、号の番号が繰り下がりました。これに合わせて、法24条2項2号(管理者になれない者)と法31条の23の表(特定遊興飲食店営業への準用の読替え)も改められています。同じ日に施行された内閣府令の改正で、許可申請の添付書類(内閣府令1条4号から8号まで)も改められています。
各号の全文は風俗営業許可の要件、書類の全体は許可申請の必要書類一覧で扱っています。号ごとの改正前との対照、密接な関係を有する法人の範囲、既存の法人が確認しておくこと、法人か個人事業かによる関わり方の違いは、2025年11月施行分の解説にまとめています。
7号の法人には、議決権の過半数の所有や資本金の2分の1を超える出資(規則6条の3各項1号・2号)のほか、出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより、それらと同等以上の支配的な影響力を有すると認められる法人も含まれます(同条各項3号)。個々の関係が当たるかどうかは、関係の経緯や内容を総合して個別に判断されるとされています(解釈運用基準 第12中7(6))。
グループ会社や取引先のうち、当てはめに迷う相手を書き出しておく必要があります。
ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。
すでに接待をする店を営んでいる場合に見直すこと(6月28日施行分)
6月28日の改正は、これから許可を受ける店だけでなく、すでに許可を受けて営業している店にも関わります。条文と解釈運用基準から、見直しの対象になる点を並べると次のとおりです。
- 料金の説明の仕方(料金の表示と口頭の説明が食い違っていないか)── 法18条の3第1号/解釈運用基準 第17中7(2)
- 注文を受ける手順(シャンパンコールなどの演出や飲食の提供を、注文を受ける前に始めていないか)── 法18条の3第3号/第17中7(4)
- 接客従業者への指導(好意の感情に乗じた勧誘や、業務上の不利益を理由にした勧誘をしないこと)── 法18条の3第2号/第17中7(3)
- 料金の請求・回収の方法(売掛金による支払を含む)── 法22条の2第1号/第17中11(1)
- 店内の掲示と、店外の看板・広告(指名数・売上額・役職の強調)── 法16条/第17中5(2)イ。店内の広告物は規則7条の表(法2条1項1号に掲げる営業の項)4号/第12中8(2)
- 管理者による従業者への助言・指導(前の各項目を含めて、法令を守って業務を行うための助言・指導)── 法24条3項・規則38条
このリストは条文と解釈運用基準から作った一般的な観点なので、各行について、自分の店で実際にしている手順を書き出しておく必要があります。
ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。
業態ごとの関わり方(6月28日施行分)
対象の決まり方は、このページの「6月28日施行分①」の冒頭のとおりです。店の営業の形態ごとに当てはめると、次のようになります。
- 接待をする営業として許可を受けている店(キャバクラ・ホストクラブ・スナックなど、呼び名を問わない):法18条の3と法22条の2の両方が適用されます
- 許可を受けずに接待をしている店:法22条の2の対象になるほか、無許可の風俗営業(法3条1項・法49条1号)にも当たります
- 深夜の届出だけで営業している店と、特定遊興飲食店営業の店:どちらの条も主語は1号の営業を営む者であり、特定遊興飲食店営業に準用される条(法31条の23)にも含まれていないため、直接の適用はありません
- ガールズバー、コンセプトカフェといった名称の店:接待に当たる接客をしているかどうかで分かれます
直接の適用がないという整理は、接待をしていないことが前提です。接待に当たる接客をしていれば、許可を受けているかどうかにかかわらず1号の営業に当たります。接待の判断基準は「接待」の定義と判断基準で、業態ごとの手続きは業態別に必要な許可・届出で解説しています。
自分の店の接客が接待に当たるかどうかは、席に着く時間や会話の相手などを書き出して整理しておく必要があります。
接待に当たるかどうかは、サービスの実態を総合して判断されます。判断に迷う場合は、具体的な接客方法を示して、事前に確認してください。
このページの確認と更新について
このページの最終確認日は2026年9月18日で、ページ冒頭の法令基準日と同じ日です。次に確認する時期は毎年11月から12月で、そのときに次の点を確かめて追記します。
- 法・規則・内閣府令に新しい改正が加わっていないか(e-Gov法令検索の改正履歴)
- 解釈運用基準の新しい版が出ていないか。出ていれば、第17中5・第17中7・第17中11の整理が変わっていないか
- 施行日が決まっている改正の反映(2027年4月1日施行の令和6年法律第60号。法4条1項2号カが引いている法律の題名を改めるもので、このページで扱っている内容は変わりません)
2026年9月18日の時点で、2025年11月28日より後に施行された風営法(法律)の改正はありません。規則は2026年に入ってからも改正されていますが(最新は2026年8月12日施行の令和8年国家公安委員会規則第17号)、いずれも他の法律の改正に伴って、暴力的不法行為等に当たる罪の一覧(規則6条)で引用している条を整理したもので、このページの内容には影響しません。
よくある質問
2025年の風営法改正は、いつから施行されましたか。
公布の日(2025年5月28日)から起算して1か月を経過した2025年6月28日と、6か月を経過した2025年11月28日の2回です(改正法附則1条本文・2号)。それぞれの日に何が施行されたかは、このページの要点のとおりです。
営業時間の決まりも変わりましたか。
改正前後の条文を照合すると、風俗営業の営業時間を定めた法13条は、2025年の改正で改正されていません。午前0時以後に営業できる地域や時刻は、法13条1項ただし書にもとづく都道府県の条例で定められていて、条例は都道府県ごとに改正されることがあります。
売掛は禁止になったのですか。
法22条の2第1号が禁じているのは、注文等や料金の支払等をさせる目的で客を威迫して困惑させることで、売掛金による事後の支払は、この「料金の支払等」に含まれるものの例として解釈運用基準(第17中11(1)ア)に挙げられています。請求や回収のやり取りが威迫に当たるかどうかは、実際の言葉づかいや態度で判断されます。
シャンパンコールは禁止になったのですか。
法18条の3第3号は、客が注文等をする前に遊興や飲食を提供して客を困惑させ、それによって遊興や飲食をさせることを禁じる定めで、シャンパンコールは、この「提供」に当たる例として解釈運用基準(第17中7(4)ア)に挙げられています。演出を客の注文の前に始める運用になっていないかは、店の実際の手順に照らして判断されます。
ランキングや役職を店内に掲示することは禁止されたのですか。
掲示があるだけで直ちに規制の対象になるという定め方ではなく、表示の内容で判断されます。店外の広告・宣伝は、指名数・売上額・役職を殊更に強調しているかなど(第17中5(2)イ)、店内の掲示物は、歓楽的・享楽的雰囲気を過度に醸し出す広告に当たるか(第12中8(2))が問われます。解釈運用基準の文言は、このページの「広告・宣伝と店内の掲示についての整理」のとおりです。
「懲役」が「拘禁刑」になったのも、2025年の風営法改正によるものですか。
いいえ、2025年の風営法改正によるものではありません。風営法の条文の「懲役」は、2025年6月1日に施行された刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(令和4年法律第68号)で「拘禁刑」に改められました。6月28日施行の改正法が変えたのは、刑の重さ(法49条の刑の上限と、同条の違反について法人に科す罰金の上限)です。
深夜営業の届出だけの店にも関係しますか。
法18条の3と法22条の2は、法2条1項1号の営業を営む者が対象なので、接待をしない深夜の酒類提供飲食店営業には直接の適用はありません。接客が接待に当たる場合の扱いは、このページの「業態ごとの関わり方」のとおりです。届出だけで営業している店は、席に着く・一緒に飲むなど接客の仕方を変えるときに、接待に当たるかどうかを確認しておく必要があります。
ここで挙げた点は、店舗の実態と所轄の警察署の運用によって判断が分かれます。図面や設備が固まる前に、営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課か、風営法を扱う行政書士に確認することをおすすめします。
この記事の根拠
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)── e-Gov法令検索
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律(令和7年法律第45号。令和7年5月28日公布)── 施行日は附則1条
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則(昭和60年国家公安委員会規則第1号)── e-Gov法令検索
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令(昭和60年総理府令第1号)── e-Gov法令検索
- 刑法等の一部を改正する法律(令和4年法律第67号)/刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(令和4年法律第68号)── いずれも2025年6月1日施行
- 警察庁「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準について(通達)」令和8年7月1日(令和7年10月20日付けの旧通達を廃止したもの)── 警察庁(PDF)